「負け」という貯金「勝ち」という希望
第2ラウンド:エリアラウンドを終えて。
今年も始まったスピーチコンテストシーズン!
トーストマスターズクラブに関する記事なのだけど、一般の方達にも読んでもらえるように頑張って一般化してみるよ。
トーストマスターズクラブでは、毎年この時期(年明け)からスピーチコンテストが始まる。高校球児が甲子園を目指すように、コンテスト出場希望者達は上を目指す。コンテスト出場者の動機は、きっと様々だと思う。
スピーチコンテストは「英語」と「それ以外の言語」でラウンド階層が異なる。
クラブという単位からコンテストが始まる。クラブの代表になると次は複数クラブが集まるエリアという単位の代表を目指す。エリアの代表になると、次はディヴィジョンという単位、そしてディストリクトという単位に続く。
以前にも話題に出したけれど、2024年2月現在、日本国内には一つのディストリクトしか存在していない。そのため、ディストリクトレベルのスピーチコンテストが、いわゆる「全国大会」「インターハイ」「甲子園」といった感じ。「ディストリクト No.1(「全国大会優勝」といった表現の仕方もされたりする)」を決める大会となる。日本語のスピーチコンテストは、このディストリクトという単位・日本国内で終了する。
ちなみに台湾でも日本語によるスピーチコンテストは開催されているようで、やはり台湾でのディストリクトレベル(全国大会)にて優勝すると台湾における「ディストリクト No.1(台湾 No.1)」となる。
対して英語によるスピーチコンテストは、ディストリクトレベルが終わった後、世界大会までの道のりが続く。ビデオ審査によるセレクションが挟まれ、セミファイナルが開催され、そこで10名1グループを1単位として、10グループ、すなわち100名がスピーチを披露し、各グループでの1位がファイナルに進出するという、なんともロマンあふれる旅路にワクワクするというね。
日本国内のスピーチコンテストや弁論大会って、参加資格に年齢制限や所属制限がかかっていることが多いよね。「〇〇歳以下」とか「本学生であること」とか。今年50歳を迎える喜餅にとっては、参加できる大会そのものが、少ない。それに対してトーストマスターズクラブのスピーチコンテストは、入会における年齢の下限である18歳という部分に加え、一定のスピーチ数をこなすことだけが出場資格となる。
色々な世代のスピーカー達が競演する、無差別・異種格闘技の様相を呈する。これもまた、ワクワクな要素であり、これもまた、勝ち残るのが難しい要素。
喜餅は、ルール上コンテスト出場資格がない数年間を除き、開催されている全てのコンテストに挑戦している。2年前は通常のスピーチコンテストに加え、ユーモアスピーチコンテストにも参加をした。日本語と英語があるから当時は4つのスピーチを動かしたという。
今シーズン直前までの挑戦記録、ディストリクト(全国大会)レベルに限ると、2017-2018 ディストリクトレベル(日・英)と2021-2022 ディストリクトレベルユーモアスピーチ(日・英)で、最高順位は3位(2021-2022 日本語ユーモアスピーチ)という状態。
目標はもちろん、世界大会・優勝。決勝で、落語スタイルのスピーチを披露したいね。「世界よ、これが日本のストーリーテリングだ!」みたいな意気込み。
・・・という前提を置いて、今シーズンの第2ラウンド:エリアラウンドの結果報告をしようと思うよ。
おっとその前に。
日本語・英語の双方とも、出場されたスピーカーの皆さん、そしてコンテストを運営してくださった皆さん、お疲れ様でした!ありがとうございます。
スピーカーの皆さん、それぞれ素晴らしいスピーチでした!
では、結果へ・・・。
結果は、「負け」貯金↑&「勝ち」希望↑
例によって日本語・英語の両方でエントリーしたコンテスト。
現在、喜餅が日本国内で所属しているクラブは「ことのはトーストマスターズクラブ」一つなので、まずはそのクラブの代表にならないといけないのよね。
ご存じのとおり、現在の「ことのは」は少ないメンバーで運営をしており、自分以外の誰もコンテスト出場に興味を示さなかったために、クラブ代表として第2ラウンド:エリアラウンドに進むことになった訳だけれども。
2024年4月で満9歳となる喜餅のトーストマスター歴、史上最高に・・・ネタが浮かばない、産みの苦しみに苛まれたスピーチコンテストになった。本当に、辛かった。特に日本語スピーチ。
何個、ボツにしたかな。何個、原稿を書いたり途中まで書いたりして、「これじゃダメだ」と諦めたか。
(ここ、キーポイント)「うん、これなら少なくともディヴィジョンの土俵までだったら他スピーチと比較しても遜色ないかな」という水準のものができあがったのが、なんと前日という。日本語スピーチね。
さて、結果は・・・。
英語 1位 日本語 3位
・・・という結果。
「おっ、両方とも入賞じゃない?おめでとう!」と思われるかもしれない。英語は、素直に嬉しい。が・・・日本語は、最下位なのだよね、これ。とほほ。
2021-2022 シーズンあたりから日本語スピーチは芳しくない結果ばかりで。負けがちょっと続いてるね。何をもって「負け」とするかは人によるのだけども、自分にとっては第3ラウンドであるディヴィジョンラウンドに残ることが最低ラインであり、それを逃したら「負け」という扱いにしてる。
昨年よりも良いスピーチを準備したのだけども・・・悔しいねぇ。
プロスピーカーとして、喜餅らしいスピーチ、爪痕を残すことはできたと思う。ただ人が関与するのがコンテスト、結果に結びつかなかったね。
この「負け」は貯金。ずっと応援してくださってる皆さんと一緒に、花開く結果を獲得した時にこの積み上がった貯金を全引き出しをして、感動を味わおうと思う。
諦めないよ、まだまだ。
英語スピーチに関しては、第3ラウンド:ディヴィジョンラウンドへの切符を頂戴し、まだまだ皆さんにスピーチを披露することができる。世界大会への「希望」の道が、まだ目の前に見える。
諦めないよ、まだまだ。
第3ラウンド:ディヴィジョンラウンドは、2024年3月17日(日)神奈川県は川崎市、川崎生涯学習プラザが会場。オンラインとの併用開催だそうで。
「生涯学習プラザ」ってことは・・・ホールじゃないのかな?普通の会議室なのかな?ディヴィジョンレベルはホールでやって欲しいなぁ・・・(希望)
現地鑑賞でもオンライン鑑賞でも、参加費は無料です。お近くにお住まいの方、また全国の皆さま、現地 or オンラインでお会いできること、楽しみにしてます。
定着して欲しい流れ:ジャッジ総評
言語化することで、緊張を楽しんで欲しい
トーストマスターズクラブのスピーチコンテストは、審査員(ジャッジ)もトーストマスター達が行う。
コンテストや弁論大会によっては外部から審査員を招くよね。その審査員に対し、権威や憧れがあったりすることもあるのじゃないかな。
トーストマスターズクラブのコンテストジャッジには、そういったものが、ない。ない、というより、わからない。
誰がジャッジを務めているのか、わからないから。匿名制なのだよね。コンテストが終わった後に自己申告で「実は、あのコンテストでジャッジをやってました」みたいなことはアリらしいのだけど、コンテスト前は、ナイショ状態。
うそかまことかわからないけれど、過去にアメリカではジャッジに対して不幸な事件が起きたとか起きないとか。今はどうかわからないけれど、日本と比べてアメリカではトーストマスターズクラブでのキャリアが実社会に及ぼす影響は大きいみたい。転職とかね。
実際、世界大会のファイナリストまで登りつめたり、チャンピオンになっちゃったりすると、生活にも変化が起きるみたい。そりゃ、ジャッジに何か言いたくなるよね。
ジャッジの匿名制まで変えて欲しいとは言わないけれど、できれば、ジャッジの総評を各ラウンドでやってもらいたい。
各ジャッジが個別でやる必要はなく、審査委員長(この人は匿名ではない)による総評。
「1位の〇〇さんは、2以下の方との違いとして〇〇という要素が際立っていた」とか、「〇〇さんと△△さんのスピーチは、××という点で〇〇さんを選んだ」といったもの。
自らの判断をしっかり言語化して、(あくまで匿名でいいから)発言をして欲しい。言語化するということは、緊張すると思う。「責任」という重さまでは当てはまらないとは思うけれど、確固たるナニカは要求されるはず。そして言語化は、学びにつながるはず。
スピーカーの側からすると、知りたいのだよね。どうして選ばれたのか、またはどうして選ばれなかったのか。そしてスピーカー自身もどこかでジャッジをやる訳で。スピーカー(コンテスタント)はスピーカーなりにそのコンテストをジャッジしているはず。その自身のジャッジと、正規のジャッジが出した結論との違いがあればそれを知りたいし、その違いを各コンテストという点で終わらせず、次につながる線にしたい。
もし自分がまたエリア・ディレクターやディヴィジョン・ディレクターという統括をやることになったら、運営するコンテストでは導入したいなぁ。
ジャッジトレーニングというものは既にあって定期的に開催されているけど、ジャッジにとっての実戦の場であるコンテストでこそ、ヒリヒリを味わってもらえたらなぁと思ったりする。審査委員長が発表するにせよ、コンテスト終了後にジャッジ全員が集まって意見の出し合いをすることになるじゃない?それだけでもめちゃくちゃ有意義だと思う。同じコンテストスピーチを、お互いがどういう視点で審査し、順位を決めたのか?意見交換をすることで、学びになるはず。
「精神論」は、勘弁してほしい&言わないようにしたい
2021-2022シーズンの第3ラウンド:ディヴィジョンラウンド終了後、Facebook にジャッジ批判ととられてもおかしくない記事を投稿したことがある。
「何が足りなかったのか?何が及ばなかったのか?」を教えてほしい、といった感じ。まぁ、これが「総評がほしい」につながるのだけれども。
一歩間違うと同じステージにあがった他コンテスタントのスピーチ批判になっちゃうし、なによりも大人げないのでよくないとは思いつつ、やっちゃった。スピーチ批判じゃないよ、マジで。でも、もうああいった記事は書かないようにしようと思った。
でね、こういうボヤきをするとね。こういう叱咤激励がくるの。それは・・・「そんなことでウジウジするのではなく、もっと良いスピーチを作ればいいだけのこと。ジャッジが吹っ飛ぶような、凄いスピーチを披露すればいいだけのこと」というもの。
ぐうの音も出ない正論、そのとおり。
でも、これ・・・精神論なんだよね、残念ながら。旧日本帝国軍しかり、昭和の劇団演出家の稽古場でのゲキ(そしてそのゲキの後、灰皿もセットで飛んでくる)しかり。
これは、自らが自らに叱咤するために言うべきもの。自分の背中を押すために、自分に頑張れ!とするために言うべきもの。
もう一つ言うと、昭和の劇団演出家のような「この人に言われるならしゃーない」という発言者に対する盲目的な崇拝があるならまだしも・・・そういった対象ではない方からぶっきらぼうに言われてもね・・・。
その凄いスピーチを創り上げるために、なにかしらのヒントが欲しいのに。ある意味「滝にうたれてこい!」「お百度参りしてこい!」と同じレベルの叱咤。
これ(=もっと良いスピーチを作ればいいという発言)、本当に言わないように、ココロに刻んでる。多分・・・多分・・・まだ他者には言ったこと、ないと思う。た、た、多分。もし言ってしまったら、ごめんなさい。滝にうたれて反省します。
言われたことは、ある(笑)しかもさ・・・・・・おっと、誰か来たようだ。
ごめん、ここのくだりはちょっと愚痴になっちゃった。
いよいよ対面開催。もっと情動あふれるコンテストを。
「大人」であろうとしすぎると、人は動かない
「怒」はともかく、それ以外の感情、心理学的には「情動」とも言うのかな?そういったものは、大人であっても、いや、大人こそ、出していくべきだそうな。
敗退して大泣きするメンバーなど、過去に何度か目にしたことがある。大の大人が、大人になって悔し泣きするって、すごくない?普通に生活してると、なかなかないよね。
50歳を迎えて、負けや滅びに美しさを感じるようになったせいか、たとえば格闘技の試合を観ていても、負けて大泣きする選手を見て、ほだされる。応援したくなる。
クールでいること、泰然自若としていること、いい人でいること・・・大事なことだとは思うけど、人はそれでは動かないと思う。動かない、は言い過ぎか?
オンライン開催の場合は、最悪カメラを閉じてしまえば、その涙を他人に見せることもなく終えることができるかもね。でも、これからは対面開催。是非、喜びの涙、悔し泣き、誰にはばかることなく、表現してもらいたい。
・・・って、自分が嬉し泣き or 悔し泣きをするかどうかはわからないけれども。
あくまでこれは、感情を抑えることなく結果を受け止めたいという決意の表れということで。
できることなら、ディストリクトレベル:全国大会で、嬉し泣きか悔し泣きをしたいものだ。しかも、沢山の一般参加者の前で。
コンテスタントの矜持:これもまたPR活動
いつも気になる。そのコンテストにおいて、一般参加者の数はどれだけあったのだろうって。ラウンドが上にいけばいくほど、より多くの一般参加者を求めてしまう。
大人達がスピーチに一喜一憂している姿を見せること、素敵なスピーチを見せること、これは超絶重要なPR活動だと思う。
あっ、そういう意味では、喜餅がジャッジをする場合においてジャッジ基準に存在していないけど大事にしてる基準があった。それは、上のラウンドで見たい(全国大会で一般参加者に見せたい)スピーチかどうかと内輪ウケのスピーチかどうかということ。抽象的だけど(笑)
※喜餅の思う「内輪ウケ」は、これはまた note 記事にする予定
脱線しちゃった。戻す。
「市井の人」の集合体であるトーストマスターズクラブで、一般人が素敵なスピーチを披露することで、やはり一般参加者がなにかしら感じるものがあれば、それはきっとトーストマスターズクラブに飛び込む一つキッカケになると思う。
全国大会のステージに立つスピーカーは、それを強く意識しておくこと、大事だと思ってる。
あとできれば、ちゃんと YouTube にそのスピーチを up してもらいたい。せめて1~3位のスピーカーのパフォーマンスね。
長くなってしまった。とにかく3月の第3ラウンド:ディヴィジョンラウンド、頑張ります。また note 記事& YouTube 動画にて、結果報告します。
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