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【幸運か不運か、それはわからんよ】

運を上げる毎日習慣 毎月日誌# 565
2023年6月7日(水) 月の出22:23

運を味方にする『偶然』の科学という本を買いました。
幸運か不運かは、最後までわからないという話をみなさんと分かち合いたいと思います。

老子は、簡素で自然な暮らしを送っていれば幸せになれると説き、万物のありのままのリズムと一体化できると説いた。ある農民の話は、老子の考え方をよく物語っている。
中国に働き物の高齢の農民がいた。彼は息子と一緒に働き、一頭の馬を飼っていた。親子は馬を使って畑を耕し、種を蒔き、穀物を育て、収穫物を市場に運んでいた。
親子が生計を立てる上で、馬は欠かせない存在だったのだ。
ある朝、この馬が柵を壊し、森へと逃げてしまった。親子が飼っていた唯一の馬が逃げたことを近所の人たちが知ると、誰もが農夫をなぐさめた。『種まきの季節が始まるというのに、たった1頭しかいない馬が逃げてしまった。どうやって畑を耕す?どうやって種を蒔く?ツイてなかったな。
じつに運が悪かった』と。
だが、農夫はこう応じた。『幸運か、不運か。それはわからんよ』
数日後、農夫の馬が2頭の野生の馬を連れて戻ってきた。近所の人たちはその知らせを聞くと、『これで馬が3頭になった!3頭もいれば、土地がうんと速く耕せるようになる。ひょっとすると、もっと土地を買い、もっと穀物を育て、もっと稼げるようになるかもしれない。さもなければ
、2頭の馬を売ることもできる。いずれにしろ、金が手に入る!おまえは運がいいなあ!』と言った。
すると、賢い農夫はこう応じた。『幸運か、不運か。それはわからんよ』
翌朝、農夫の息子は野生の馬の調教を始め、土地を耕せ利せるようにした。そして、片方の野生の馬に乗ろうとしたところ、息子は落馬し、脚の骨を折った。あいにく種まきの季節だったので、息子は手伝いができなくなった。近所の人たちがまたやってきて、こう言った。『ツイてなかったな。じつに運が悪かった』と。
すると、賢い農夫はこう応じた。『幸運か、不運か。それはわからんよ』
数日後、領主の役人がやってきた。兵役のため、一家の長男を徴集しようというのだ。ところが、役人たちがこの農夫の家にくると、息子の脚が折れていた。これでは兵役に就いても役に立たない。そこで、息子は免除された。結局、彼はその村で兵役に徴集されなかった唯一の長男となった。近所の人たちが、また農夫のところにやってきて、何人かは目に涙を浮かべながら、こう言った。『おまえはっ長男の脚を折って、本当に運がよかった。徴集されずにすんだのは、あの子だけだった。なんという幸運だろう』と。
すると、農夫は平然と応じた。『幸運か、不運か。それはわからんよ』


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