津島園子氏の死去に思う・・・
太宰治の娘だったことが、何よりのニュースバリューなんだけどね。
顔立ちは、太宰治に似ていた。
色々「文豪の娘」ということで、ご苦労はあったと思う。
30年前は、太宰=暗い、「人間失格」「斜陽」の作家が、ほぼ固定評価だった。漱石と同列に扱われ出したのは、ほんの10年前のはず。
「鬼畜米英」から「民主主義」に手のひら返しというかころりと「宗旨変え」の日本人にがっくりしたことが、前述の作品につながったとか。
もう一人の娘だった、津島佑子(戸籍名里子)の作品は、何冊か読んだ。「死んだ子の年を数える」が主題だったけど、この人には、娘がいて・・・
矛盾感じない?
閑話休題。
津島園子氏といったところで、情報不足なせいもあって、「津島淳の婚姻者」というくらいしか、思い当たらない。ちなみに、次女の里子は68歳で逝去、園子氏は78歳まで生きた・・・
斜陽館、行ってみたかったけど、行ったことないんだよなー。行けたら、このお人に会えた?
ちなみに、太宰治は、満38歳で死去。長いこと、入水自殺は40直前と言われていたけど。
太宰の死から72年。
園子6歳、里子0歳の時の話だから、津島修治さんて、身勝手だなー、とは思う。またその身勝手さが、「青春作家」の金字塔に結びつくから、いやはや。
私なぞ、ボール蹴って遊んでる程度だからなぁ・・・
ただ、「人間失格」の衝撃は、今も忘れない。
他者を糾したかったら、自身の不都合な部分も晒す勇気がいるんだと。
かくいう私は、太宰治の影響下から、抜け出した(つもり)。
太宰の恐ろしさは、文章書いていて、「意識しなくても習作でなくても似てしまう」こと。これにはかの井上ひさしも手を焼きながら、「人間合格」書いたとか。
ただ、太宰の影響から抜け出して、あと、「浮き彫り」が使えれば、作家としてはいっちょまえでねーかい、と思いはする。
なに?描写が弱い?じゃっかあしい!その点は、「肉屋の日常」シリーズ御覧じろ。
何はともあれ、合掌。
太宰治で勧めるなら、
竹青、か火の鳥、だわなー