陸上部で跳ぶ・12〜中3、メンタルコントロール
総体で全国標準をクリアできなかったので
通信大会に全てがかかってしまった。
ここで6M55cm以上跳べなければ
目標であった全中行きは消えてしまう。
それを意識していないとは
言えないだろう。相当なプレッシャーを
感じているはずだった。
予選3本の試技を終えて
午後の決勝12人に残ったが
予選での全国標準突破を狙っていた息子は
自分の跳躍に全然納得していなかった。
前回の総体では予選での動きが良く、
午後に調子を上げていくのは
難しいと思っていたからか。
ここからどうすればいいのか。
混乱しているようだったし、
苛立ち、もどかしく
自分に腹が立っているようだった。
下を向いて一言も喋らない息子に
こんな時何をすればよいのか分からず、
「大丈夫、午後は跳べるよ!」
そんな私の励ましの言葉も
虚しいものだった。
不安と焦りで苛立つ感情。
多分、心はマイナス方向になっている。
「リラックスしよう」
「楽しんで跳ぶことだけ考えよう!」
夫はひたすらに息子の肩をさすり、
前抜きな言葉をかけていた。
ピリピリ尖っているだろう背中を、
肩を、撫でて、撫でて、
心の平静を取り戻せるように
摩り続けた。
そうするうちに午後の決勝へ。
スタンドから様子を見ていると、
ベンチに腰掛け下を向いたまま
動かない。
気持ちを切り替えるため
集中を高めているのだろうか。
!?笑ってる?!
周りの選手と会話しながら笑みが見えた。
どうやら切り替えられたらしい。
決勝はラスト3本更に跳べる8人に残り、
徐々に調子も上がってきていた。
けれど、残す最後の一本
運命の6M55cmを超えることは出来ず、
全中行きは消えた。
届きそうで届かなかった、全国。
試合後、息子は言った。
「もう切り替えて!
オレ、ジュニオリで愛媛行くから!」
そう、全中も
U16ジュニアオリンピックも
愛媛の松山市にある
ニンジニアスタジアムで行われる。
私はすぐさま全中の日程で
予約していたホテルの予約を取り消し、
ジュニオリの日程でホテルの予約を
完了させた。
この後の続きは、
以前書いたnoteの
「U16ジュニアオリンピックへの道〜全5回」へと
繋がっていきます。