「ココ塾」革命 #3 迷走する物件探し
資金調達と同時に始めたのが「物件探し」でした。指定を受けるためには、指定権者(ココ塾の場合は東京都)が定めている、ありとあらゆる条件を満たす物件を探さなければいけません。お子さまたちの安全を第一に考えた事業所にするためにはとても大切なことなので妥協はできませんが、すべての条件に合致した物件を見つけることは、本当に大変なことでした。
1.指定が受けられる物件の条件
児童福祉法に基づく児童発達支援・放課後等デイサービス事業所として指定を受けるためには、都が定める多くの条件を満たす物件を探さなければいけません。例えば、次のようなものです。【当時の条件ですのでご参考までに】
建築や不動産について何の知識も持ち合わせていなかった私は、法律などの用語を理解することからすでに苦戦していました。
不動産の情報サイトに複数登録してインターネット上から探したり、希望する物件があったときにはメールが来るサービスを使ったりして、条件に合いそうなところは片っ端からチェックをしていきました。だいたい100件くらいはピックアップしたと思います。
そこから仲介業者に電話をかけていくのですが、「検査済証がないんですす」「こどもの施設はダメなんです」「飲食店がいいんだよね」などなど言われてしまい、その時点で終わってしまうものがほとんどでした。
また、同時期に放課後等デイサービスを立ち上げようとしている他の会社がすでに押さえているということもあって、条件に合う物件はみんなが狙っていることを実感し、日ごとに焦りも大きくなっていきました。
設備についても、細かな条件がたくさんありました。特に困ったのはトイレや洗面設備の数です。良い物件があっても、トイレが他のテナントさんと共用だったり、手洗い場の数が足りなくて内装工事で増設しなければならず設備資金が膨らみそうだったりと、なかなか条件に合うものが見つかりませんでした。