同じ時間の、別世界。
先日、仕事で撮影に出た時のこと。
日が明るくて、気温もよく、仕事でなければ本当に楽しい1日だったんだけど、仕事でも、こんないい日に外に出られてよかったと思う。
平日の真昼間から、外の世界がどうなっているのかなんて、
普段内勤のわたしは知る由もないんだけど、
たまに、こうして撮影に出ることがある。
この日は、都会とは言い難い、ニュータウンチックな場所を巡っての撮影だった。
大きな公園の中、わたしと同世代くらいのママが子供を連れて、
こんな天気のいい昼下がりに外で遊んでいる姿を見て、
少しだけ、面食らった。
いや、こんな日常が世の中にはあることを充分知っていたし、
自分も小さいころは専業主婦だった母がそうしてくれていたのに、
なぜか、ものすごく別次元に住んでいる人間のような気がした。
一日中子育てに奮闘しながら過ごしている人もいれば、
一日中雨が降っていても気づかないような建物の中でを仕事に追われて過ごしている人もいる。
同じ1日を、全く違う目的で過ごしていることが、
当たり前なのに、ものすごく不思議に思えた。
わたしにとっては、この日がとても新鮮だった。
普段見ない景色、見ない人々を一気に感じたから。
自分の知らない世界を見た気がして、すごく不思議で、きれいだと思った。
自分が決して経験することのない、少なくとも今は行くことのない
そちらの世界を垣間見たことが、とても嬉しかったし、癒された。
小さな子供が、アイスクリーム屋さんの前で、アイスが食べたいと泣いている姿が、たまらなく愛おしかった。