普通高校なんかあるから
大河ドラマが好きでよく見ている。
身分が決められている中で生きていくって大変だと思っていた。
商人はずっと商人だし、
鍛冶屋はずっと鍛冶屋だし、
大名は大名で、跡取りとか娘の嫁入り先とか悩ましい問題がたくさんありそう。
家を継ぐのが当たり前で、他の者には基本的になれない。
でもなれるものがあるならそれはそれでうらやましい。
小学校の同級生で、商家の家の子は後を継がないといけないのでいやだなあと言っていた。
しかし継ぐものがあるって幸せでは?
私も夫も会社員なので息子に継がせるものは何もない。
だから普通高校から大学に行かせた。
だけど能力が全く足りず、これだったら手に職を付けさせた方がよかったのではと思った。
何も能力が無い人はいったいどうやって生きていけばいいのだろう。
昔は丁稚奉公に出され、下積みを経て一人前となり、なにかしらの職人となっていた。そうさせればよかった。
しかし何をさせたらいいのかさっぱりわからなかったので、とりあえず普通高校へと進学させた。
とりあえず、のつぶしに、普通高校はとても便利だと思っていた。
しかしなんにもならない。
私自身は、家にお金がなかったので、小遣いで「中学1年生」という雑誌を買い、その付録を参考書がわりに勉強した。参考書をいっぺんに買う小遣いがなかったのでそうした。それでも勉強はできた。
別にだれに強制されたわけでも無く、自分で考えてそうしていた。
高校のときはラジオ講座(なつかしい)も聞いていた。
普通高校なんか無い時代に戻れば良いのに。
なまじっか普通高校なんかあるから、つい行かせてしまった。
高校が昔の一高みたいに特別なものであれば、あきらめて他の道を探させたのにね。