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8月13日:どろぼうに入られたくなかったら、○○に中指を立てよう<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>
バリ島の夜。真っ暗な中、夜空を見上げると満点の星空・・・なんていうのは幻想で、わたしが住むチャングーというエリアは夜でも騒がしく、明かりは煌々とついている。
そして夜空には・・・
たくさんの凧(光ってる!)とドローン。
これが現実である。
ドローンの規制がないのか、あっても守らないのか、バリ島では昼間でも夜でもドローンが飛びまくっている。
そして、このドローンは、どろぼうが家の調査に使っていると、もっぱらの噂である。
そう、ここバリ島では、「盗まれた〜!」はよく耳にする。
バイクのヘルメットを盗まれたとか、スタッフに財布からお金を抜かれていた、とかは日常茶飯事だ。
他にも、夜にふと起きたら部屋に人の気配を感じた、とか、200万円くらいの現金を盗まれた、とかもぜんぜん聞く。
バリの人から言わせると、どろぼうの多くは、他の島から来た人だそうだ。なぜなら、バリの人はカルマを信じているから。あと、盗みがバレたら袋叩き&村八分になる。バリの人にとって、自分の老後や子どものことを考えると、村八分は致命的。確かに、犯罪をおかなさい抑止力にはなっていそうだ。
観光や移住者が多数訪れるバリ島で、いっちょ稼ごうと、他の島から働きにくるインドネシア人は多い。イスラム教のラマダン(断食)明けの長期休暇に故郷に帰り、その後、数人の親族や友達をバリ島に連れてくることもあるそうだ。バリ島には、ジャワ島からバイクやトラックで簡単に出入りができる。バリ島の警察は、犯罪がおきても犯人を捕まえることが難しいのが現状だ。
じゃあ、わたしたちが気をつけるべきことは?
まず、日頃から油断しないことだ。普通に過ごしていたら、とっても平和なバリ島。スタッフに鍵を渡して、お掃除や庭仕事、車の管理をお任せしている人も多い。
でも、改めて、日頃の防犯に気を引き締めよう。鍵をちゃんと閉める、バイクや車の鍵をしっかり保管する。
家に人の出入りがある場合は、お金の置き場所には特に要注意だ。お財布をそのままリビングに置きっぱなしにしないように。できれば、日常使い用の金庫と、普段は開けない大きな金庫を用意するのが良い。
そして、防犯カメラも有効だろう。やっぱり、どろぼうは記録されるのを嫌がる。実際に、防犯カメラの映像でやっと警察が動くことも多い。
次に、犬を飼おう。イスラム教の人は犬が大嫌いな人が多い。なので、犬がいる家にはどろぼうに入らない、と言われている(でももちろん、犬がいても入られている家もある)。我が家は、そもそもバリ島で犬と暮らしたかったので、しめしめと喜んで迎えいれた。
そして最後に、ドローンが家の上に来たら、中指を立てる。これは、息子が編み出した技だ。効果があるかはわからないが、今のところ我が家はどろぼう経験はない。
息子よ、今宵も空に向かって中指をたててくれてありがとう。
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バリ島に住んで6年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。
なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トゥリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。
その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちています。ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。
メイン画像:UnsplashのJürgen Jesterが撮影した写真