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フランス🇫🇷マダムたちの申し送り事項:①来客は笑顔で牽制

フランスマダムたちも憂うことは同じ…

フランス暮らしで役に立っていること…というか、無理にフランススタイルにきっちり合わせるのではなく、自分が自分らしくいられるのは、夫の転勤で南米ブエノスアイレス駐在だった3年間に得た経験・学んだことが大きい。

日本からの駐在員夫人たちや日系人の方々、世界中からの転勤・移民の人と交流し助けようとしてくれるアルゼンチン人の夫人たち、そして、フランスからの家庭は、外国出身の女性も目立ったので、私はどれにも100%当てはまらなかったけれど、マイノリティーではなくオリジナルで居られた。

駐在中は、仕事をすることができないので、勉強したり、習い事をしたり、ボランティアをしたり、とにかくみんなアクティブに動いていたし、集まることも多くて、(食べたりしゃべったり)とにかくいつも口を動かしていた気がする。

嬉しいことも辛いことも声高に、想定内のことを経験者がアドヴァイスしたり、お節介すぎることもあるけれど、誰かに1人で抱えっぱなしにはさせておかない。案外、共通する憂いは誰もが通る道だったりして、イバラの刈り方避け方を知っていた。

テレビドラマみたいに、いざこざやヒエラルキー的なものはやっぱりないわけではないけれど、底意地の悪いことをする人はいなかったし、何かを一緒に成し遂げなければいけない時は嫌いな同士ても協力していた。そういう意味では、職業みたいな意識かも。

海外駐在で共通しているのは、転勤した途端に、自称友人や親族が一気に増えること

さて、海外暮らしで嬉しいのは、親しい人が海を越えて会いに来てくれることだけれど、なんだかそういう環境になると分かった途端に、わらわらと友達が増えるもの(でしょう?)

さらに、なんだかよくわからないけれど、友人というより知人なはずの人が、その友人だとか知人に勝手に紹介してくれていて、宿泊予約(もちろん我が家は普通の家庭なので商売はしていない)のメールがいきなり届いたり…は、よくある現象のよう。

いい人でいると、年中誰かしらをChambre d’ami (来客用の個室)に迎えている羽目になるらしいのは、万国共通らしい。

扉を開けたら、笑顔で滑舌よくリズミカルに…

そんな中での🇫🇷女友達たちの申し送り: 

玄関を開けるのは“女主人”(ここ、控え目に迎え入れると使用人モードになってしまうので留意ポイント①)、そして、笑顔でBienvenue〜! と上着やバッグを預かるか、置き場所を促し…

早速自分のペースで振る舞い始める人には、それに気づいてないふりで、

Soyez bien à l’aise comme chez vous, Mais N’OUBIEZ PAS que vous êtes CHEZ NOUS.

フランスのお招きしたときのご挨拶に「自分の家のようにくつろいでね」Soyez bien à l’aise comme chez vous, という定文があって、でも、そこは、マイペースすぎるフランス人たちなので、「でも、私たちの家だってことを忘れないでね」Mais N’OUBIEZ PAS que vous êtes CHEZ NOUS.と。

とジョークのように言って、“我が家のタブー”(たとえば屋内禁煙とか)を滔々と唱えるようにいうと、空気が一瞬固まるので、「これ、駐在時代に先人家庭からの申し送りで教わったんだけど、言い得て妙な名文でしょう?」と夫と笑い飛ばしている。

でも、もちろん、ただのジョークではなくて、ややもすると、フランス人は自分のペースで(特に親族だったりすると)「自分はいつもこのやり方だから。こうしないと居心地悪い」と押し付けてこられたりするので、にっこりと上のセリフをジョークのように繰り返す。

コロナ禍になって、すっかり来客の習慣も遠のいているけれど、そういえば、書いていて思い出したのは、パリからの出張者たちを招いた時、灰皿がない(しまってはあるけれど)我が家なのに、「換気扇の下で吸えば大丈夫」とグラスにアルミホイルを広げれば大丈夫だしと喫煙を猛烈に望んだ女性に、1人で戸外にも可哀想かと思って了承したら、すっかり居心地良く過ごしたようで、翌日朝、夫に電話があり、「昨夜はどうもありがとう。Kimikoとはとても気があっていい友達になれたし、今晩からホテルを引き払ってそちらに泊めてもらえないかしら?」

夫が、我が家はそういう習慣はないからと断っても、「じゃぁ、自分が直接女同士で話すから」と食い下がったそうで、私の携帯番号を聞き出しかけてきた。

もちろん丁重に(でもキッパリと)断った。

こういう“申し出”は1人じゃなくて、年月を置いて、何度も訊いてくる人もいる。「いや、彼女の気が変わったかもしれないからと思って、念のため」(確かに、根負けしそうになる)。

人が家に出入りしたり、一緒に美味しいものを楽しむのが好きだけれど、冷蔵庫やストッカーを好きに使ってもらいたいと思えるのは、やはり心許せる間柄だけ。

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