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自分の意見を持つことと主張の仕方


◉短期留学で「素」の自分を知った

◎いつも何となく浮いていた

私の母は「あなたはどう思うの?」と、いつも私の意見を尊重してくれていました。そして、兄や姉と意見がぶつかることも少なくありませんでした。

ただ、学校ではそういうことが一切なかった。
「みんな一緒」「多数決」という雰囲気が、私にとっては地獄でした。

私は違う意見を持っているのに、ディスカッションすら行われずに、多数決だけ行い、納得しないまま他の意見が採用されていくのが、不思議でたまらなかったです。

ですから私は、幼いながらも空気を読み、「自分」に蓋をして生きていました。全然楽しくなくても、ニコニコして。
本当はみんなと遊びたくない。一人で居たい。放っておいてほしい。
そう思っても表には出さなかったのは、こう思っていたから⇓
「ああ、私はみんなと違うんだ。浮かないようにしないと除け者にされる」

そう思って14年、生きていました。


育ったのが田舎だった、というのも違和感が強かった原因かもしれません

◎初めてのイギリス短期留学

実は10代で2回イギリスに留学しています。
いずれも1ヶ月ほど。

1回目は14歳、イーストボーンで1か月のホームステイと現地の語学学校に通うプログラムで、日本人はほとんどいませんでした。

英語は中学校で習った程度しか、話せなかったのですごく不安だったのですが、それは初日で払拭されました。

「あなたはどう思う?」
「あなたの意見を聞かせて」

学校でもホームステイ先でも、私の意見に耳を傾けてくれたんです。
日本では、聞かれもしなかった私の意見。

ずっと無理やり蓋をしていた私の心が、急に解放されスッキリしたのを覚えています。拙い英語しかできないのに、必死に伝えようとしている自分に驚きましたし、英語をもっと話したい!と思いました。

何より、自分の意見を言っても、浮かない、嫌がられない。
私の意見が採用されなくても、「私」という個を認めてくれたことが嬉しくて、他の意見を受け入れる余裕も生まれました。


ホームステイ先はイーストボーンとソールズベリー。ロンドンにも行きました!

◎自己表現できる手段が音楽だった

帰国後の中学校生活はさらに地獄でした。
自分の意見を聞いてくれる環境を経験したからこそ、余計に「同調圧力」的な雰囲気が辛かったのだと思います。

私の個が認められたのは

  1. 家庭内(家族で意見を伝えあっていた)

  2. バイオリンのレッスン時

この2か所。
そして、この2か所は私が私でいられる瞬間だったように思います。

生真面目な性格なので、全ての物事に理論や背景を紐づけ、自分なりの解釈を持つことが好きでした(今でも)。
自分軸がしっかりあったからこそ、日本での集団生活では浮いてしまう。
自分軸がしっかりあったからこそ、音楽界に惹かれていった。

今はそう考えています。

◉リハをみた生徒の言葉「喧嘩ですか?」

◎弦楽四重奏のリハーサルで衝撃を覚えた生徒さん

とあるリサイタルのリハーサルの見学に生徒さんが聴きにきたことがあります(本番は都合が悪かったらしく、特別に)。

ドヴォルザークの弦楽四重奏曲アメリカの第一楽章のリハでした。
とても有名な曲であり、ヴィオラから始まるテーマが次々と他声部に流れていく優雅でキャッチーな曲です。

リハーサルですから、通した後は各パートの意見交換になります。

どうやら、この意見交換が生徒さんにとっては、大人の喧嘩に思えるほど激しく感じたようです(笑)
後日「喧嘩しているのかと思った」を言われました。

勿論、喧嘩ではありません。
各人曲に対して、真摯に向き合っているからこそ、楽曲解釈や想いがあり、まずは自分の意見を相手に伝えることから始まります。

要するにディスカッションです。
誰かの意見が採用されることもあれば、違う着地点が見つかることもあります。そして、私とは違う視点が入ることは、私自身の成長にも繋がります。
想いが強いメンバーでしたので、白熱しました。

学校やほかの習い事で、ディスカッションをする機会が日本ではまだまだ少ないのが現状です。
ディスカッションをするには、自分の意見が必要です。
どんなに拙くてもOK、みんなと違ってもOK、相手をリスペクトし、話し合いを重ね、曲を何度も通して弾くこと、自主練をすることで、良い作品が生まれていきます。

◎クラシック業界だけではない

私はクラシック音楽を大学で学び、レッスンのお仕事では、クラシック音楽中心の指導ですが、Popsのレコーディングなど、同じ音楽界でもちょっと雰囲気が違う職場もあります。

しかし、ディスカッションは必ず行われます。

レコーディングの場合は、求められている音やフレーズを奏でることが第一優先ですが、ディレクターや作曲家から意見を求められることもあります。

ですから、どんな時も、自分の意見を持っておくことは大切です。


私もDAWで作曲する一人です

◎自分の意見を持つには知識と経験が不可欠

当たり前ですが、何も知らない人が意見を持つのは難しいです。
私ももっと若い時は意見を持つ前に、知ることの方が多くて、仕事はついていくのがやっと、という時もありました。

何より楽しいのは、人の意見に触れるとき!
「なるほど!」「そういう解釈もあるか」「それ、試してみよう」
そう思う意見に出会うことで、私のなかの引き出しが増えました。

知識のインプット、他者の意見のインプット、そして自分の意見を練って、アウトプット!

これはどの業界、どの職種も同じですよね(^^)v

◉言葉に責任を持つ

相手をリスペクトすること
自分が放つ言葉には責任をもつこと
理解できないこともあるということを理解しておくこと

これらを忘れなければ、故意に誰かを傷つけることはありません。
SNSなどの誹謗中傷もそうですが、自分の言葉に責任を持っていないから、悲しいことが起こるのだと思います。

この言葉を放ったらどうなるのか
想像してみる、時間を置いて考えてみる
ちょっと慎重になるくらいで丁度いいかもしれません。
感じ方は人それぞれですから(*^^*)

言霊とも言いますから、一言一言、大切に紡ぎたいですね。


理解できないこともあるから、話あうのが人類。暴力はダメ



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