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実は南向きは損?家づくりで選ぶべき意外な土地の条件とは!

南向き日当たり良好は本当に良い土地なのか?

家づくりを考えるとき、「南向き日当たり良好」という条件がよく不動産会社からおすすめされます。しかし、本当にそれが理想の土地なのでしょうか?実は、日本の敷地事情や住宅性能の歴史が、この価値観を形作っているのです。都市部で土地探しをするなら、この固定観念を一度見直してみるべきかもしれません。

西向きの敷地は西日対策上、道路側に窓を設置しづらい

なぜ「南向き日当たり良好」が好まれるのか?

日本の都市部では、広い敷地を確保することが年々難しくなっています。土地が小さくなるほど、隣家との距離が近くなり、道路側以外の境界は閉鎖的になりがちです。この状況下で、道路側が南向きであれば、唯一の開放的な空間から明るさを確保できるため、価値が高いとされてきました。

さらに、これまでの日本の住宅は温熱性能が低かったため、冬場の南からの日差しをどれだけ取り込めるかが、快適性に大きく影響していました。そのため、南向きの土地が好まれ、庭や駐車場、リビング、物干し場といった機能をすべて南側に集中させる設計が一般的でした。

現代の住宅性能が変えた価値観

敷地のデメリットをメリットに変化させる建築家戸田氏

近年、住宅の温熱性能は飛躍的に向上しています。断熱性能や気密性が高まったことで、南からの直射日光を無理に取り込まなくても、冬でも暖かい住空間を確保できるようになりました。また、全館冷暖房が可能な住宅が増えたことで、居室ごとに冷暖房装置を設置する必要もなくなり、間取り設計の自由度が広がっていると建築家の戸田氏は言う。

さらに、一般的な住宅会社では難しいようなデザイン性の高い設計が可能になる点も大きなメリットです。例えば、窓や外壁の配置、室内の空間構成など、建築家の創造力を活かした設計で、個性的で美しい住まいを実現できます。土地の制約をデザインの工夫で乗り越えることで、周囲とは一線を画す魅力的な住宅が生まれます。

このような技術の進化により、「南向き日当たり良好」が必ずしも必要ではなくなり、不利とされてきた土地でも十分に快適で魅力的な住まいを実現できるようになりました。

南向きでない土地のメリット

坪庭を配置することでプライバシーを確保した窓を計画

南向き以外の土地は、一般的に価格が安いことが多いです。また、南側道路に面していないことで、敷地利用や設計の自由度が高まる場合があります。例えば、北側に庭を配置することで、落ち着いたプライベート空間を作ることができます。さらに、南側に壁を設けることで、夏場の直射日光を防ぎ、快適な室内環境を維持することも可能です。

建築家との家づくりでは、このような土地の特性を活かし、住宅性能を最大限に活用した設計が可能です。敷地の不利な条件をメリットに変える設計力が、これからの住まいづくりの鍵となるでしょう。また、一般的な住宅では得られない独自性やデザイン性の高さも、建築家と共に進める家づくりならではの魅力です。

これからの土地選びのポイント

  1. 住宅性能を優先する 現代の高性能な住宅は、土地の条件に左右されにくくなっています。南向きにこだわらず、設計の自由度やコストパフォーマンスを重視しましょう。

  2. 土地の価格を抑える 一般的に不利とされる土地を購入し、建築の工夫で快適な住まいを実現することで、全体のコストを抑えることができます。

  3. デザイン性を重視する 土地の形状や環境に合わせた個性的なデザインを取り入れることで、魅力的な住まいを実現できます。建築家との相談を通じて、周囲に埋もれない特別な空間を目指しましょう。

  4. 建築家との相談を重ねる 専門家と一緒に敷地条件を分析し、最適な設計を提案してもらうことで、不利な条件を強みに変えることができます。

階段の吹き抜けを利用し光を取り込む設計

「南向き日当たり良好」という価値観は、過去の住宅性能や敷地事情に基づいたものであり、現代の住宅づくりには必ずしも当てはまりません。むしろ、性能が飛躍的に向上した今、不利とされてきた土地を活かした住まいづくりが主流になりつつあります。

価格の安い土地でも、設計の工夫次第で快適性やデザイン性を高めることが可能です。土地選びに悩む際は、ぜひ固定観念にとらわれず、新しい視点で可能性を追求してみてください。建築家との対話を通じて、理想の暮らしを実現しましょう。

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