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階段がつくる「未来の家族のカタチ」


住まいの中心に階段を配置する

2階建ての住まい。そこで最初に思い浮かぶのは、リビング、寝室、子ども部屋…でも、本当に大切な「階段」を忘れていませんか?実は階段は、住まいの中心的な存在として、家族のつながりや暮らしの質を左右する重要な要素なんです。階段の位置、形、デザインひとつで、住まいの空気感もコミュニケーションも変わる…その可能性を知ると、きっとワクワクしてきますよ。

階段がただの通路じゃなくなる

かつての家では、階段は「上下をつなぐだけの存在」でした。特に性能の低い住宅では、階段部分が冷暖房効率を悪化させる要因になりがちで、廊下に押し込まれるように配置されることが多かったんです。その結果、階段はデッドスペース化し、そこに「暮らし」が生まれることはありませんでした。

でも、現代の高気密高断熱住宅では、家全体が一定の温度に保たれやすくなり、階段の設計自由度が大きく広がりました。単なる移動手段としての階段から、住まいの「主役」へ…その進化は目を見張るものがあります。

建築家藤本氏は階段について、「設計を構成する重要な要素である」と言います。あえて住まいの中心に階段を配置することで、階段がコミュニケーションの場所として成立するよう設計を組み立てていくそうです。リビングに階段を配置することで、リビングの開放性や広がり感につながり、建築面積を小さくしながらも「居場所」を最大化することにも寄与します。建築費用や宅地の狭小化など、現代の住まいづくりにおいて階段の設計の仕方は、住まいの可能性を引き出すものとして再認識されているのです。

居場所としての階段を設計する藤本氏

リビング階段が叶える「つながる家」

リビング階段は、ただの通路じゃない。家族をつなぐ「架け橋」です。階段を

リビングに配置することで、自然と家族が顔を合わせる機会が増え、暮らしの中でのコミュニケーションがスムーズに生まれます。

リビング階段の魅力

  • 居場所になる階段: 階段がただの移動手段を超え、踊り場を広げることで、ちょっと腰をかける場所や子どもが遊ぶスペースに早変わり。

  • 光と風を呼び込む: 吹き抜けを活用した階段は、住まい全体に明るさと開放感をもたらします。特にスケルトン階段や鉄骨階段は、デザイン性も高く、リビングの主役になる存在感を放ちます。

  • 収納も兼ね備える: 階段下を活用して収納スペースにすることで、住まいの無駄をなくしながら、機能性も向上します。

階段がリビングの一部になることで、空間全体が一体化し、家族が自然と集まる「場」が生まれるんです。

デザインが広げる階段の可能性

現代の住宅では、階段のデザインが無限の可能性を秘めています。シンプルな木製階段から、無骨でモダンな鉄骨階段、光を通すスケルトン階段まで、どんなデザインも「その家らしさ」を語る存在です。

スケルトン階段の魅力

視覚的な軽やかさが魅力のスケルトン階段。視線を遮らないデザインは空間に広がりをもたらし、どこにいても家族の気配を感じることができます。また、リビングをより明るく、心地よくする役割も担っています。

鉄骨階段の個性

鉄骨階段は、その無骨さが逆にモダンな雰囲気を作り出します。色や形状を自由にカスタマイズできるため、住まいのアクセントとしても大活躍。シンプルでいて存在感のあるデザインが、住む人のセンスを際立たせます。

階段収納のアイデア

階段下のスペースを活用した収納も現代住宅の特徴。クローゼットや本棚、小さな書斎スペースなど、限られた空間を最大限に活用できます。「ここにこんなものが!」という驚きと便利さを兼ね備えたアイデアです。

階段が様々なエリアへの交差点となる

家族の動線が作る「心地よさ」

階段の位置や形は、家族の暮らしやすさを大きく左右します。リビングの中央に階段を配置すれば、家族が自然と顔を合わせる動線が生まれ、つながりが強まります。一方、踊り場を設けたり、階段をリビングの隅に配置することで、それぞれのプライバシーを保ちながらも一体感を損なわない設計も可能です。

階段は、ただの「動線」ではなく、家族の絆を深める設計の一部なのです。

高性能住宅で生まれる新しい階段のカタチ

高気密高断熱住宅では、家全体が快適な温度に保たれるため、階段部分の吹き抜けやオープンなデザインも取り入れやすくなりました。階段をリビングの中心に配置し、上下階の光と風をつなげることで、家全体が快適でエネルギー効率の良い空間になります。

たとえば、夏には風が家中を通り抜け、冬には暖かい空気が家全体に行き渡る。階段がその役割を果たすことで、住む人の快適さと省エネが同時に実現するのです。

階段の2段目とソファーの高さを合わせる設計

階段が作る未来の住まい

階段は、ただ上り下りをするための手段ではありません。それは家族が集まり、笑い、思い出を紡ぐ「場」としての可能性を秘めています。デザイン、機能、配置…すべてにこだわった階段がある住まいは、家族の暮らしをより豊かにする力を持っています。

そして、階段が家全体の中心にあることで、住まいそのものが「つながる家」へと進化します。家づくりを考えるとき、ぜひ階段に焦点を当て、その可能性を追求してみてください。家族の未来を彩る住まいが、そこから始まるはずです。

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