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住宅の好みは難しい
住宅の好みを決めることは簡単ではありません。特に外観の選定は、最も慎重に考えるべき選択肢の一つだと思います。注文住宅を建てる際に「どのシリーズから選びますか?」という提案を受けることがあるかもしれません。しかし、個人的には、住宅の好みを外観やファサードから決めてしまうのは、少し乱暴な気がするのです。
外観を決める難しさ
注文住宅の魅力の一つは、プロとの対話の中で自分の好みを確認しながら、住まいを形作っていけることです。最初から好みを決めつけてしまうと、その後の調整が難しくなり、住まいの全体像が固まりすぎてしまうことがあります。特に、外観は一度建ててしまうと簡単に変更できるものではありません。建てた後に「飽きてしまった」「思っていたものと違った」と感じても、頻繁にリフォームできるものではないのです。
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だからこそ、外観のデザインを選ぶ際には慎重さが求められます。街並みに溶け込み、自分のライフスタイルや将来の価値観の変化を見据えた上で、プロとじっくり考えることが大切です。短期的な流行や一時的な好みに流されるのではなく、長く愛せるデザインを見極めることが求められます。
好みを決めるヒント
私がオススメする好みの決め方は、身近なものからヒントを得ることです。例えば、ダイニングチェアのデザインや、好きなお皿の種類、普段身につける服の色味など、日常的に選んでいるものには自分の価値観が表れています。意外にも、車の好みが住宅のデザインに影響を与えることもあります。これらの身近なものから自分の好みを確認し、それを積み重ねていくことで、最終的に住宅の外観やインテリアデザインに反映させることができます。
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いつまでも愛せる住まいをつくる
一時の好みではなく、長く愛せる住まいを目指すことが大切です。どのような色や素材に囲まれて暮らすと快適に感じるのか、どんな空間が自分にとって心地よいのかを考えながら、外観のデザインを選ぶことが理想的でしょう。
注文住宅は、一生のうちに何度も建てるものではありません。そのため、単に流行を取り入れるのではなく、自分にとって価値が維持できる住まいを建てることが大切です。プロとじっくり話し合い、自分の価値観を深掘りしながら、いつまでもお気に入りの住まいになるよう慎重に検討していきましょう。