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注文住宅業界から見る消費税の理不尽
最近、消費税の存在が理不尽だと感じることが多くなりました。特に注文住宅業界に身を置く私としては、この制度が本当に住まい手のためになっているのか疑問に思うことがあります。こんな話を注文住宅業界の人間が語るのはいかがなものと感じつつもお話してみたいと思います。ちなみに、全くをもって個人的な意見ですので話半分で読んでいただけると幸いです。
住まいは贅沢品なのか?
例えば、建築費用が3,000万円の家を建てるとします。そこに消費税10%が加算され、支払額は3,300万円になります。私たちはもうこの計算式に慣れてしまいましたが、改めて考えてみると、注文住宅という「生活の基盤」に対して300万円もの税金がかかるのは理不尽ではないでしょうか。
そもそも、注文住宅は贅沢品なのでしょうか?もちろん、一部の高級注文住宅はそのように分類されるかもしれません。しかし、ほとんどの人にとって家は生活の必需品であり、日々の暮らしを支える基盤です。多くの人が注文住宅ローンを組み、数十年にわたって返済しながら生計を立てています。そのような状況で、住まいに対して消費税がかかるというのは、本当に公平な制度なのでしょうか。
フルローンに含まれる消費税の問題
さらに理不尽に感じるのは、多くの人がフルローンを組んで家を購入するという現実です。フルローンを組むということは、消費税分も含めて借り入れるということを意味します。つまり、3,000万円の家を購入する際に、300万円の消費税も含めて3,300万円のローンを組むことになります。
この場合、消費税に対しても注文住宅ローンの利息がかかるという仕組みになっています。税金として支払うべき300万円に対して、35年間にわたって利息を払い続けるというのは、どう考えても不合理ではないでしょうか。これが日用品や食料品のような短期間で消費するものであればまだ理解できます。しかし、注文住宅は長く住み続けるものなのに、税金に対してさらに利息を払うというのは、住まい手にとって大きな負担になってしまいます。
注文住宅の価値と税制の矛盾
もう一つ考えたいのは、注文住宅の価値がどのように評価されているかという点です。日本では、中古注文住宅の資産価値が下がる傾向が強く、新築時には高額な消費税を支払いますが、いざ売却する際には「築年数が経過している」という理由で評価が大幅に下がってしまいます。この資産価値の減少と税負担のバランスが、住まい手にとって本当に公平なものなのか、疑問が残ります。
注文住宅消費税に対する新たな視点
税金は社会のために必要なものだということは理解しています。しかし、注文住宅に対する消費税のあり方は、もう少し見直されてもよいのではないでしょうか。例えば、一定の条件を満たす注文住宅には減税措置を講じる、もしくは注文住宅ローンの消費税分に対して特別な優遇措置を設けるなど、より公平な制度が必要ではないかと思います。
この問題を「仕方がないもの」として受け入れるのではなく、住まいを必要とする人々の負担を軽減するために何ができるのか、改めて考えてみるべきではないでしょうか。これは、単なる業界の問題ではなく、日本に住むすべての人に関わる課題です。少なからずとも、税金だけには金利を掛けないでいただきたいものです。
私がこう思うのは単なる独断と偏見かもしれません。しかし、消費税という仕組みが、住まいを持ちたいと願う人々の障害になっていないか、その視点を持つことは決して無駄ではないと思うのです。