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インテリアを整える「本質を突き詰めた住まいの美学」

「レス・イズ・モア(より少ないことが、より良いことだ)」というミース・ファン・デル・ローエの言葉。この建築哲学が、住まいづくりにおいて持つ意味は深い。足し算ではなく引き算の美学。それは、無駄を削ぎ落としながら、暮らしの本質に向き合うデザインへの問いかけです。

暮らしの骨格をつくるのが建築家の仕事

藤本建築設計事務所の藤本氏も「何がキャンセルできるか」という視点を設計に取り入れています。この思想は、土地、家族、コミュニティにとって必要なものを見極め、本当に大切なものだけを残す行為です。アンドアーキもまた、この視点を住まいづくりの中心に据え、住む人が長く愛せる空間を提案しています。

住まいのシンプルさが生む豊かさ

シンプルなデザインが時を超えて愛されるのは、流行に左右されず、暮らしそのものに焦点を当てているからです。美しい住まいは、装飾過多ではなく、必要最低限の要素で豊かさを表現します。

素材の特性を踏まえたデザイン

1. 永く愛されるデザインの秘訣

シンプルな住まいは、流行に左右されにくく、時代を超えて人々に愛され続けます。例えば、白を基調とした空間や無垢材の床は、年月を重ねることで独特の風合いを生み出し、住む人の記憶とともに深みを増していきます。

2. 暮らしやすさを生むシンプルさ

シンプルであることは、機能的であることを意味します。過剰な装飾や設備は、日常生活を煩雑にしがちです。一方で、厳選されたデザイン要素は、暮らしやすさを高めるだけでなく、家族が自然と調和する空間を生み出します。

インテリアコーディネートの引き算の美学

住まいづくりにおいて、インテリアデザインは建築と密接にリンクしています。空間を整えるためには「足す」のではなく「引く」視点が必要です。

色と素材を絞ることの重要性

インテリアをまとめる際、使う色や素材を絞ることで、空間全体に統一感が生まれます。

床材と階段材を揃える
  • 色は3色以内に抑える
    白やグレー、木の自然な色味など、少ない色で構成された空間は、視覚的な落ち着きをもたらします。

  • 素材を3種類に統一
    床材と家具の素材を揃えることで、時間が経つにつれて経年変化が自然に調和します。たとえば、無垢材の床と同じ素材の家具を選べば、年月を経た色味の変化も美しくまとまります。

  • アクセントの使い方
    空間に個性を出すアクセントは、1点か2点に絞るのが理想です。例えば、壁一面に貼ったタイルや、ユニークな形状の照明があれば、それだけで十分な印象を残せます。

鉄骨階段とインテリアの連携

鉄骨階段のような大胆なデザイン要素を取り入れる際、家具や小物もそのテイストに合わせることで、空間全体に調和が生まれます。たとえば、スチールフレームの家具や黒を基調としたアクセント小物を選ぶことで、視覚的なバランスが整います。

建築とインテリアの一体化

住まいづくりにおいて重要なのは、建築とインテリアを別々に考えないことです。建築家がデザインした空間には、外構からインテリアまでを一体として考える思想が含まれています。

内部と外部の連続性をデザイン

設計段階から考える外構とインテリア

設計段階で建築家と相談しながら、インテリアや外構を統一して考えることが、完成度の高い住まいを実現する鍵です。

  • 外構と室内の連続性
    外構の素材感をインテリアに反映することで、内外が一体となったデザインが生まれます。たとえば、庭に使う石材と玄関タイルを統一することで、視覚的なつながりが生まれます。

  • 後付けではなく最初から統一
    建築家がデザインする段階で、家具や観葉植物の配置を計画しておくことで、空間全体がバランスよく仕上がります。

レス・イズ・モアの住まいづくり

住まいづくりにおける「レス・イズ・モア」の哲学は、暮らしの本質に向き合うことを教えてくれます。それは、ただ削ぎ落とすだけではなく、家族や土地、暮らしにとって必要なものを見極めるプロセスです。

建築家とともに何を残し、何をキャンセルするかを考えることで、永く愛される住まいが生まれます。その空間は、住む人の日々の暮らしに溶け込み、何十年後も色褪せない豊かさを届けてくれるはずです。

「足りないことが豊かさを生む」。その住まいづくりを、ぜひ一緒に始めてみませんか?


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