ウクライナ情勢関連: OSCEに関するロシア政府の声明、ミンスク合意について。
ロシアは1月17日にタス通信を通じ声明を出し、アメリカ・NATOに提案しているヨーロッパ全域の安全保障枠組み案に関して欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Cooperation in Europe、略称OSCE、本部所在地ウイーン)を通じて協議する考えがないことを明らかにしました。
ヨーロッパ全域、アメリカ、ロシア、ウクライナ及び旧ソ連圏諸国が加盟するOSCEは、冷戦後の旧東側圏をめぐる地域的安全保障事案の調整に関して主要な役割を担い、現在も東ウクライナ地域の安定化プロセスを取り決めたミンスク合意の枠組み下でウクライナ政府と親ロシア勢力間の停戦監視任務を担当しています。
現在、アメリカ・NATOはロシアに対しミンスク合意の履行を中心とする外交による東ウクライナの緊張緩和を提案していますが、ロシア側はアメリカ・NATOに対して安全保障枠組み案に対する今週中の文書回答を求めており、声明は外交交渉を牽制する意図があるものと思われます。
(Text written by Kimihiko Adachi)
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