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ウクライナ政府に対する大規模サイバー攻撃について、続報-04

ウクライナ政府は1月16日デジタル省を通じ、14日未明に発生した政府機間に対する大規模なサイバー攻撃に関して、あらゆる証拠がロシアによる犯行を指し示しハイブリッド戦争を仕掛けようとしているとし、公式にロシアを非難する声明を出しました。また、この企みは社会に脅しをかけようとするものだけではなく、行政機関を機能停止させることによりウクライナ当局の権威を失墜させウクライナを不安定にさせようとすることを狙っているとしています。

これに対してロシアは大統領報道官を通じ、ロシアの関与を否定する声明を出しています。

ウクライナ政府は14日の段階では、ロシア同盟国のベラルーシ情報機関に近いハッカー集団の犯行を疑う声明を出していましたが、15日に米マイクロソフト社によるサイバー攻撃で使用されたマルウエアに関する情報の発表があり、それを受けてロシアの関与が濃厚だと判断したものと思われます。

現段階で明らかになっているものだけで、約70の政府関係機関のネットワークが攻撃を受けています。また、マイクロソフト社の発表によると、使用されたマルウエアはランザムウエアに類似した構造ながら決済による解除機能を持たず、トリガーにより作動すると感染したネットワークのハードドライブ消去とファイルの破壊を引き起こし、復旧困難な深刻なダメージを与える可能性があるものです。マイクロソフト社は、ウクライナ国内の政府関係機関だけではなく、民間NPO、IT企業のシステムも感染している恐れがあると警告しています。

(Text written by Kimihiko Adachi)

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足立公彦_Welle_world politics and energy
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