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この日のためにきっと生きていた。

永原真夏さんのライブ「秋の行楽ワンマンライブ」に行った。


 9年前か、8年前か忘れちゃったけどそれくらいの最初の方のライブに一度行ったきり。そこからの人生はまあ、あまりよろしくなく……。ライブへ行く余力がなかった。


 ワンマンは今年これが最後かも!みたいなツイートを見て『行かなきゃ』と思った。心に従うこと、もっと大切にしたほうが良い。

行かない間も曲はずっと聴いていた。ずっと曲とあの日の言葉に助けられていた。コロナが酷いときにリリースされた「おはよう世界」という曲の他力本願でいいというフレーズをたまに思い出しては頑張りすぎないと自分を奮い立たせた。

 ライブ楽しみでちょっと仕事はてにつかなかった。いやいや、精一杯やりました。この日がずっと楽しみだった。最前列の席に運良くたまたま座れた。バンド編成前にウクレレで数曲。涙が出ていた。大げさに言えば、この数年の私はこの日のために生きてきた。それくらい嬉しく、喜ばしかった。歓喜という言葉はこの瞬間のためにあった。

 永原真夏さんはひとりひとり奥の奥まで目を合わせるように歌う。多分合わせるようではなく、きっと合っている。高らかに伸びやかに歌う。喜ぶように飛び跳ねながら歌う。慈しむような、優しい表情をする。

まぶたがキラキラしていた。当たる照明で反射する。まぶたにお星様を宿している。

まだわからないのだけど、多分、私は永原真夏さんのような人間に憧れているのだ。明るい星のような、太陽のような人物に。たくさん歌って、たくさん働いて、たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん考えて、たくさん感謝できる人物に憧れているのだ。

あの日の言葉はまだ、私の胸の中でずっとずっと希望となっている。初めて言われた言葉。キラキラの人に言われた言葉。本人は忘れていても私の胸でピカピカとかがやいている。いつかその話もどこかでこっそり話したいな。そうやって、何気ない一言で誰かを救っている永原真夏さんは美しい。

 
 あの日の私の夢はもう叶わない。でも、この数年の私は笑顔にできた。今の私も笑っている。今日のライブに行って良かった。この先も永原真夏さんの歌が私の人生を照らしていってくれるだろう。

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