使ってなんぼなら使ってくれ
だいごろうと風呂に入る、ここのところ興味の範囲が広がり何かとよく見ている。
身体を洗っているとふと私の胸を触ってきた。男らしさのかけらもない身体でチチもハラも垂れている。バブバブ言いながら(黙って)こちらを触り「はて?」という顔をした。
こやつ何かを悟ったな…。
このチチではないとな、それはそれで残念だ。
そもそも身体を鍛えた試しがないので腕立て伏せという名の床との勝負も全くしない。
風呂から出て絵本を読み聞かせてやるついでに床と勝負でもしてやるか!という気になった。
「野菜さん野菜さんだ〜れすっぽーんにんじんだん!!」上下する身体を触ろうとだいごろうも楽しそうだ。
「やさいさんやさいさんだ〜れすっぽーんタマネギだん!ふぅー」10回程やってみて床と勝負しながら読むのは普通に辛く諦めたくなってきた….。
いやいやまてまて五木寛之が「諦めるとは明らかに極める事だ」といっていた。仏の言葉を持ち絵本の読み聞かせをしつつ弛んだ身体に喝を入れる、お前はこの機会を明らかに極めたのか?、いや、せめてもう少し「やざいざんやざいざん…だあああれれれぇぇぇ…すっぽんぽん!気づいたら裸でしたー!」もう絵本などどうでもよくなった。
どうせ言葉の理解はまだないんだすでにオリジナルだったが全編オリジナルで行くしかない「ぴんぽーんこ…ばやかわ….さん!こば…やかわさん…だ〜れ?ってお前こそだれ?キャーくちさけオーグ!」ふぅ、限界を超えてから3回、やりきった。
そしてだいごろうはいつの間にか眠っていた。
次の日抱き上げようとしたら肩が痛い、肝心の胸には全く効いていないじゃないか、床を見つめて思った「君の勝ちだ」そして別れることを決めた。
もう争う事はない「さようなら床、昨日は楽しかったしだいごろうはよく寝てくれたありがとう」優しい別れだった。
日が暮れて妻がだいごろうを風呂に入れてくれた。
「今日ね、すごいよ〜身体を洗う真似して自分で洗ったんだよ〜」
「ほ〜床との勝負はここに効いたのか…いや本当はわかっちゃいないんだお互い最善を尽くそうぜ」
キラーン!と思ったが妻には「ほ〜ん」とだけ返答しておいた。
垂れた胸を貸すぜ
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