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伊勢物語を原文でちょっと読んでみた

秋の虫が窓の外でしきりと鳴いています。ふと、伊勢物語を読みたくなって、本棚から小学館の日本古典文学全集8巻『竹取物語・伊勢物語・大和物語・平中物語』を取り出しました。

読めるかな?難しいかな?と思いながら、最初のページを読み始めました。

一、初冠
 むかし、男、初冠して、奈良の京春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。

頭注、本文、現代語訳で、
じっくり読めば、読める!

原文だけではわからない箇所も、頭注を丁寧に追ってゆけば、なるほど、意外とよくわかる。源氏物語を原文で読んだ時は、悪戦苦闘したけど、これはそうでもない。

ひとつの巻が短くて、その中に、和歌が印象的に挿入されている。頭の中に、ぱーっと、絵が浮かんでくるような、わかりやすさです。

通っていた女が急に姿をくらまして、男は女の住んでいた家で泣いた。月が西に傾くまでずっと泣いた。家財一式無くなったがらんとした空き家の板の間で。

月やあらぬ 春やむかしの春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして

月も、春も、昔のままなのに。変わってしまった。女はいない。私はこの身ひとつなのに。

なんと、わかりやすく、ストレートに伝わってくることか、男の心が。がらんとした空き家に臥せって泣く男の姿が目に浮かぶようだ。

とはいえ、4ページ読んだだけですが。

でも、でも、続けて読めそうな気になりました。

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