グッドパッチの決算まとめました!!(2021/8期2Q)
こんにちは!きみちゃんです!!
今回はグッドパッチ(7351)の2Q決算をまとめていきます!
決算まとめに加えて、自分なりの考えも記していきますので、ぜひ最後まで目を通してみてください!
では早速決算内容を見ていきます!
1 2021年8月期2Q決算(累計)まとめ
決算内容は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年同期比
売上高 13億4,300万円(+19.8%)
営業利益 2億3,900万円(+49.9%)
経常利益 2億3,000万円(+43.9%)
四半期純利益 1億8,700万円(+10.2%)
1株利益 25.69円
→調整後 23.78円
これだけではいい決算なのかわかりませんので、会社が出している通期業績予想に対する進捗率で2Q決算を見てみるとよくわかるかなと思います。
業績予想に対する進捗率は、決算説明資料でも次のように示されています!
画像左側の数字が通期業績予想で、右側の棒グラフが進捗率です。
今回は第二四半期までの累計決算なので、進捗率50%を超えれば順調と言えると思います。
売上高は、通期予想25億9,100万円に対して進捗率51.9%で、順調ですね。
営業利益と当期純利益については、いずれも進捗率が80%超えとめちゃくちゃ順調です!!
まだ下半期が残ってますので、業績予想が上方修正されてもいいところですが、グッドパッチは予想を据え置きました。
この理由については後ほどお話しします。
今回の2Q決算は一言でいえば「めちゃくちゃいい決算」ですね!グッドパッチの経営は順調と言っていいと思います。
では、そんなグッドパッチの売上高および営業利益の内訳を見ていきましょう!
2 売上高・営業利益の内訳
グッドパッチの事業は、大きく分けるとデザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の2つです。
デザインパートナー事業:
顧客企業から受注して、プロダクト開発の戦略策定、コンセプト設計、UI/UXデザイン、開発までをワンストップで行う。
いわばデザインを起点にしたビジネスコンサル業。
デザインプラットフォーム事業:
フルリモートデザインチームの「Goodpatch Anywhere」
デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」
クラウドワークスペース「Strap」
プロトタイピングツール「Prott」
XRプロトタイピングサービス「Athena」
などの自社サービスを提供。
決算短信の中に、事業別の売上高と営業利益が載ってますのでそちらを見ていきます。
デザインパートナー事業の2Q累計は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年同期比
売上高 9億5,500万円(+17.0%)
営業利益 1億8,100万円(+39.6%)
全体売上高のうち71.1%がデザインパートナー事業での売上で、営業利益は75.7%が当事業での利益となっています。
グッドパッチの主力はこのデザインパートナー事業ということがわかります。
このデザインパートナー事業では、顧客企業のビジネス課題をデザインの力で解決するビジネスコンサルがメインです。
顧客企業の中には、デリバリーサービスの出前館や、通信キャリアのソフトバンクなど有名企業も多いです。
また、グッドパッチのHPにはこれまでの取組み事例が掲載されてますので、こちらを読んでみても面白いと思います!
また、月平均プロジェクト単価が541万円(前年同期比+6.3%)、月平均プロジェクト数は27件(前年同期末は24.8件)と順調に拡大しています。また、デザイナー数も112名(前年同期末は101名)とこちらも順調です。
ビジネスモデル上、これらの数字はとても重要だと私は考えています。
このプロジェクト単価とプロジェクト数は売上高に直結しますし、デザイナー数は案件獲得のキャパシティ(許容量)となります。
それらがいずれも伸びているのは、投資家としても安心材料になるのではないでしょうか😊
次に、デザインプラットフォーム事業の2Q累計です。
※百万円以下略、()内は前年同期比
売上高 3億8,800万円(+27.0%)
営業利益 5,800万円(+94.4%)
全体売上高のうち、28.8%がこのデザインプラットフォーム事業です。
当事業では、Goodpatch Anywhereが増収増益に大きく貢献しています。
Goodpatch Anywhereは、フルリモートのデザインチームで、これに登録すればどこからでもグッドパッチのプロジェクトに参加できるというものです。Anywhereのメンバーに登録されると、Goodpatchの社員として雇用され、渋谷のオフィスで行うのと遜色なくプロジェクトを進行できます。
このAnywhereメンバーも240名(前年同期末は97名)まで増えており、順調に規模を拡大しています!
また、上記決算資料にも記載されていますが、ReDesignerが黒字化したのも大きいと思います。
ReDesignerは、デザイナー向けに提供しているキャリア支援サービスです。
ただ、Prott&Strapの売上が落ちているのが気になりますね。これは月額課金のビジネスモデルなので、ここが伸びてくるとグッドパッチの収益も安定するのですが…
3 2021年8月期2Q時点の資産状況
それでは、グッドパッチの資産状況も見ていきます!
便宜上、百万円以下は省略します。
総資産は、2020年8月期末から11億8,700万円増加し、26億9,800万円となっています。
資産の増減要因を見ていきます。
流動資産の主な増減要因は次のとおりです。
現預金 +10億7,300万円
売掛金 +7,200万円
前払費用 +1,100万円
固定資産の主な増減要因は次のとおりです。
有価証券 +3,900万円
使用権資産 -800万円
繰延税金資産 -900万円
その他固定資産 +1,100万円
総資産の増加要因は、現預金の増加でしょう。
これは、2021年1月に決議した第6回新株予約権の行使による影響です。純資産の際に詳述します!
負債は、2020年8月期末から2億4,600万円増加し、8億1,900万円となっています。
負債の増減要因を見ていきます。
流動負債の主な増減要因は次のとおりです。
1年内返済予定の長期借入金 +2,700万円
未払金 +2,800万円
未払法人税等 +800万円
未払消費税等 -3,100万円
その他流動負債 +1,100万円
固定負債の主な増減要因は次のとおりです。
長期借入金 +2億300万円
リース債務 -900万円
負債の増加要因は、長期借入金の増加ですね。
純資産は、2020年8月期末よりも9億4,000万円増加し、18億7,800万円となっています。
主な増減要因は次のとおりです。
四半期利益計上による利益剰余金
+1億8,700万円
新株発行による資本金 +3億7,300万円
資本剰余金 +3億7,300万円
グッドパッチは2021年1月22日に新株予約権発行を決議し、増資を行いました。
この新株予約権の行使により、資本金が2億6,900万円、資本剰余金が2億6,900万円増加しています。
流動資産の現預金、および純資産の部の資本金・資本剰余金が大幅に増加しているのはこの新株予約権行使によるものです。
この増資により、
流動比率 546.54%(200%以上が目安)
自己資本比率 69.60%
と財務はめちゃくちゃ安定しています!!
これから将来に向けての投資(M&Aなど)を検討しているようなので、今はそれに向けた準備が整った!というところですかね!
4 2021年8月期の通期業績予想
今期の業績予想については、従来公表していたものから変更はありません。
2021年8月期の通期業績予想は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年比
売上高 25億9,100万円(+20.9%)
営業利益 2億9,600万円(+36.7%)
経常利益 2億9,600万円(+39.7%)
当期純利益 2億2,700万円(+5.2%)
1株利益 31.21円
上半期で利益進捗率が80%を超える中、業績予想を据え置いた理由として、会社は「来季以降を見据えた積極的な戦略投資を実行するため」と発表しています。
下半期だけで9,000万〜1億4,000万円の規模で投資を行うようです。
2Q累計での経常利益が2億3,000万円なので、投資規模としてはなかなかでかいかなと思います。またこの投資により利益率も落ちますので、それで業績予想を据え置いたと思われます。
ただ、利益率が落ちるからと心配する必要はないと思います!
決算説明資料のとおり、この投資は後々効いてきます。特に案件獲得のキャパシティ増を狙った人材基盤の強化は、しっかり売上高増に繋がるでしょう。(個人的な予想)
5 2021年8月期下期の成長戦略
グッドパッチの成長戦略は次のとおりです!
・デザインパートナー事業
① UI/UXデザインを武器に大型DXプロジェクト
の獲得
② デザイン領域の拡張とテクノロジーへの投資
・デザインプラットフォーム事業
① Goodpatch Anywhereの強化
② Strapの戦略的展開
昨今のデジタル化のニーズが高まっていることもあり、グッドパッチのビジネス環境は非常に良いです。
特にデジタル庁創設のように行政がデジタル化に向け舵を切ったのは非常に大きいと思います!
そんな背景もあり、デザインパートナー事業は今後も順調に伸びていくと思われます。
ただし、それは競合他社も同じです。
そこで②です!
これは具体的には現在の強みである「UI/UXデザインの深掘り」に加え、提携やM&Aを行うことでビジネス資源の拡充及び自社の強みを拡大することを狙っています。
順風なビジネス環境に怠けることなく、しっかり戦略を練ってビジネス拡大していくところはさすがです。
個人的には、グッドパッチが今後どんなM&Aや提携をしてビジネスを拡大していくのか非常に楽しみです!!
デザインプラットフォーム事業では、①、②どちらも重要だと思います。
①のGoodpatch Anywhereは、デザインパートナー事業とのつながりが深く、同事業とのシナジー効果も期待できると思います。
ビジネスを行う上で、人材は必ず必要になります。デザイン企業であるグッドパッチはデザイナーが必要です。
しかし、デザイナーの市場価値は高く、どこの企業もデザイナーが不足しているのが現状です。
コロナ禍でニューノーマルな働き方が求められる中、このデザイナーをフルリモートで雇用できるGoodpatch Anywhereは、グッドパッチとしてもしっかりと伸ばしていきたい分野です。
クリエイティブな人材というのは、どこの企業も欲しがるものですね😂
②のStrapについては、サブスク型のサービスということもあり、収益基盤を強化する狙いがあります。
サブスクとはいわば月額課金サービスのことで、ここが伸びてくると毎月安定したキャッシュフローを獲得できます。
これからのStrapにもぜひ期待したいです!!
6 おわりに
以上がグッドパッチの決算内容と個人的見解です。
この記事を書いている2021年4月21日現在、グッドパッチの株価は決算発表から20%以上下落していますが、私は全く気にしていません。
決算内容を見れば、まだまだ将来を期待できる会社であることはよくわかりますので、しっかりホルダー仲間のみなさんとがっちりホールドしていきたいと思います!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
※今記事は会社発表に基づき執筆しております。
参照記事は以下のとおりです。