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グッドパッチの決算を総まとめしました!!(2021/8期)


みなさんこんにちは!きみちゃんです!

2021/10/15にグッドパッチ(証券コード7351)が2021/8期の通期決算を発表しました👏🏻

今回はその通期決算をまとめていきたいと思います。
見どころ満載となってますので、ぜひ最後までお付き合いください😊
また、いつものとおり自分なりの考えも記していきます。

それでは決算内容を見ていきましょう!

※グッドパッチという会社をまだ知らない!という方は次の記事の1をご覧ください。

1 2021/8期の通期決算まとめ

決算概要は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年同期比

売上高   27億4,100万円(+27.9%)
営業利益  4億600万円(+87.5%)
経常利益  3億9,300万円(+85.8%)
当期純利益 3億2,700万円(+51.9%)
1株利益  43.34円
→調整後  40.34円

発行済み株式総数 791万7,280株

今回は通期決算なので、会社予想に対する進捗率に加えて、前年比での数字にも着目してみてください!

グッドパッチの会社説明では次のようにまとめられています。

まず前年比では、売上高+27.9%、営業利益は驚きの+87.5%となっています。
また、会社予想に対する進捗率も売上高は100.7%、営業利益は107.5%といずれもクリアしています。

グッドパッチは3Q決算時に今期の会社予想を上方修正しました。それらをいずれもしっかりクリアするのはさすがと言えます。

グロース企業といえども、売上高+27.9%はすごいと思います。
だって前年比+25%を4年続けると、売上高は2倍以上になりますもん。

ちなみに前期(2020/8期)の通期決算では、売上高は21億4,300万円で前年比+27.3%です。
2年連続で売上が25%以上拡大しています。

わくわくしますね😊

続いて、売上高及び営業利益の内訳を見ていきましょう!

2 売上高・営業利益の内訳

グッドパッチの事業は、大きく分けるとデザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の2つです。

デザインパートナー事業
顧客企業から受注して、プロダクト開発の戦略策定、コンセプト設計、UI/UXデザイン、開発までをワンストップで行う。
いわばデザインを起点にしたビジネスコンサル業。

デザインプラットフォーム事業
フルリモートデザインチームの「Goodpatch Anywhere」
デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」
クラウドワークスペース「Strap」
プロトタイピングツール「Prott」
XRプロトタイピングサービス「Athena」
などの自社サービスを提供。

決算短信の中に、事業別の売上高と営業利益が載っているのでそちらを見ていきます。(会社説明資料内でも説明されています。)

デザインパートナー事業の累計は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年同期比

売上高 19億9,600万円(+26.7%)
営業利益 3億6,400万円(+92.0%)

全体売上高のうち72.8%がデザインパートナー事業で、営業利益は89.6%が当事業での利益となっています。
グッドパッチの主力は引き続きこのデザインパートナー事業です。

また、月平均プロジェクト単価は558万円(前年比+0.6%)で、月平均プロジェクト件数は27.1件となり順調に拡大しています。また、デザイナー数は122名(前年期末110名)でこちらも順調です!

前回記事と同様の内容になりますが、私はこの3つの数字はグッドパッチにとってとても重要だと考えています。
それは、プロジェクト単価・件数=売上高に直結デザイナー数=案件獲得のキャパシティ(許容量)だからです。
グッドパッチの決算で見るべきなのは、売上高と利益に加えて、この3指標だと思います。

それらがいずれも伸びているのは、投資家として安心材料になりますね😊


次に、デザインプラットフォーム事業の累計です。
※百万円以下略、()内は前年比

売上高  7億4,500万円(+31.1%)
営業利益 4,100万円(+55.7%)

全体売上高のうち、27.1%がこのデザインプラットフォーム事業です。

当事業では、Goodpatch AnywhereとReDesignerが売上成長に大きく貢献しています。

Goodpatch Anywhereでは、所属デザイナー数が310名まで増加しています。(前期末173名)

Goodpatch Anywhereはフルリモートのデザインチームで、これに登録すればどこからでもグッドパッチのプロジェクトに参加できるというものです。
Anywhereメンバーに登録されると、グッドパッチの社員として雇用され、渋谷のオフィスで行うのと遜色なくプロジェクトを進行できます。

人材プール及びプロジェクトのキャパシティは拡大しているので、今後はプロジェクト獲得強化に努めていくようです!

ReDesignerは、国内最大級のデザイン人材採用プラットフォームに成長しています。
ReDesignerは、デザイナー向けに提供しているキャリア支援サービスです。

今期の2Qと3Qで黒字化しましたが、来期は通期での黒字化を見込んでいます!

プラットフォーム事業では、SaaS分野(Prott&Strap、Athena等)を中心に中長期視点での投資が必要になりますが、デザインパートナー事業に並ぶ柱になることを期待したいです😊

3 2021/8期末時点の資産状況

それでは、グッドパッチの資産状況も見ていきます!
便宜上、百万円以下は省略します。

総資産は2020年8月期末から19億2,800万円増加し、34億3,900万円となっています。
資産の増減要因を見ていきます。

流動資産の主な増減要因は次のとおりです。

現預金 +18億4,000万円

固定資産の主な増減要因は次のとおりです。

投資有価証券 +4,300万円
使用権資産  -2,000万円

やはり総資産の増加要因は、現預金の増加です。
これは、2021年2月9日発行の第6回新株予約権の行使による影響です。これは、今後の成長投資のために行われたもので、デザイナー獲得やSaaSサービスの拡充などを目的としています。

負債は、2020年8月期末から2億9,500万円増加し、8億6,800万円となっています。
負債の増減要因を見ていきます。

流動負債の主な増減要因は次のとおりです。

前受金 +3,500万円
1年内返済予定の長期借入金 +2,200万円
未払金 +3,100万円

固定負債の主な増減要因は次のとおりです。

新規借入による長期借入金 +1億4,600万円
リース債務 -2,000万円

純資産は、2020年8月期末から16億3,200万円増加し、25億7,100万円となっています。
主な増減要因は次のとおりです。

資本金   +6億5,000万円
資本剰余金 +6億5,000万円
利益剰余金 +3億2,700万円

前述の新株予約権行使により、財務が非常に安定しています。

目下の財務指標は、

流動比率   569.14%(200%以上が目安)
自己資本比率 74.76%

となっています。

今後は、将来に向けての投資(M&Aなど)を検討しているようなので、今はその準備をしっかり整えた段階と言えます。
M&Aにより多少の財務指標悪化はあると思いますが、どんなM&Aをするのか非常に楽しみです!

4 2021/8期のキャッシュフロー状況

キャッシュフローの状況を見てみましょう!

2021/8期末の現金及びその同等物は、前期末よりも18億4,000万円増加し、27億8,000万円となりました。
キャッシュがものすごく増えております😳
各キャッシュフローも見ていきます!

営業キャッシュフローは+4億8,300万円となっています。
増減要因は次のとおりです。

税金等調整前当期純利益の計上 +3億9,300万円
売掛債権の増加  -4,800万円
たな卸資産の増加 -2,200万円

投資キャッシュフローは-6,400万円となっています。
増減要因は次のとおりです。

有形固定資産の取得 -2,100万円
投資有価証券の取得 -4,300万円

財務キャッシュフローは+14億1,800万円となっています。
増減要因は次のとおりです。

新株予約権の行使による株式発行による収入
             +12億6,800万円
長期借入金による収入   +3億円

利益計上により営業CFを獲得、加えて株式発行等で財務CFを獲得しているので、現金及びその同等物が急激に増えたといったところです。
そして獲得キャッシュの一部を投資に回したほか、残りのキャッシュは今後のM&Aに備えてキープといったところです。

グッドパッチの経営は現時点で順調と言っていいでしょう。

5 2022/8期の通期業績予想

個人的に1番驚いたのは来期の業績予想です!
想像していた以上の数字が出てきました!

2022/8期の通期業績予想(連結)は次のとおりです。
※百万円以下略、()内は前年比

売上高   37億7,800万円(+37.8%)
営業利益  5億1,800万円(+27.6%)
経常利益  4億8,600万円(+23.6%)
当期純利益 3億7,500万円(+14.5%)
1株利益  47.38円

個人的には売上高+37.8%はすごく驚きです…。ここ2年25%程度の売上成長を続けてきたので、次もそのくらいの売上成長を見込むのかと思っていました。グッドパッチの波が引き続き来ていると思われます😊

決算短信では、2022/8期も引き続き企業のDX需要が堅調に推移すると記されています。
その中で、後述の成長戦略に則って事業拡大を図るといったところです。

では、その成長戦略を見ていきます!

6 2022/8期の成長戦略

こちらはデザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業でそれぞれ説明されています。

デザインパートナー事業では、次の3つを掲げています。

1. デザイン組織の連続的成長
2. デザインバリューチェーンの拡張と深化
3. グローバル戦略の本格推進

1では、利益率と利益額が増えていく好循環を作るため、人材に積極投資するとしています。
具体的には、
人材および採用に投資
→ハイスキルデザイナー数増加
→プロジェクト満足度up
→ブランド力向上
→1人あたり月単価up
→売上増
→採用力up
→ハイスキルデザイナー数増加
→(以下ループ)
といった感じです。

結果、売上規模が上がり販管費効率も向上するので、利益率および利益額が増えていく好循環が成立するということです。

2では、拡大するDXマーケットで勝ち残るための戦略として、バリューチェーンを垂直および水平方向に拡張するとしています。
上記の会社説明資料が非常にわかりやすいです。

まず「垂直方向に拡張」とは、顧客企業のDX化において今以上に携わる分野を広げるということです。

グッドパッチは現在、DX化の一連の工程において「DX戦略」「プロダクト戦略」「UI/UXデザイン」といったところに強みを持っています。
それらに加えて、会社戦略の策定や開発、保守運用といった分野までカバーすることで、単価向上及びより魅力的なプロジェクトの獲得に繋げるとしています。

開発領域への拡張については、M&Aを積極活用していくようです!

また「水平方向に深化」とは、現在の得意分野をより伸ばすということです。

デザイン人材規模を拡大して提供能力を向上させることで、プロジェクト獲得の許容量を増やし、より多くの顧客企業を獲得します!

3では、グローバルデザインカンパニーとしてのポジション獲得を目指します!

グローバル展開に課題を持つ企業をターゲットにし、グローバル展開をサポートするのが主要部分です。
また、同時にヨーロッパでのブランド価値を高め、EUマーケットの拡大も広げます。

こちらは2021年12月、日本にグローバル戦略推進組織を設置し本格稼働する予定です!


続いて、デザインプラットフォーム事業についてです。
こちらは「Goodpatch Anywhere」並びに「ReDesigner」を主力サービスとして位置付け事業成長を計画しています。

Goodpatch Anywhereでは、プロジェクト獲得力と提供力を強化します。

これは、デザインパートナー事業にも繋がる部分で、これらを強化することで事業規模を拡大します。(プロジェクト獲得の許容量増加など)
また、品質管理体制を強化することで安定的な事業展開を目指すとしています。

ReDesignerではビジネス領域を広げ、2021年7月に開始した副業・フリーランス向けのマッチングサービスを推進します。
デザイナーのキャリア形成をスタートから半永久的に支援する仕組みを構築していきます。

加えて、新たな事業の柱としてSaaS(Strapなど)を中長期で育成していきます。

7 2022年4月から「グロース市場」へ

2022年4月4日からの東証市場再編に伴い、グッドパッチは「グロース市場」を選択するようです。

今後も成長を継続し、プライム市場の要件に適合次第、プライム市場に移行する方針です。

グッドパッチにおけるプライム市場の上場基準適合の主な要件
・年間売買代金
・コーポレート・ガバナンス・コードの適用
・利益額および純資産額

8 おわりに

以上でグッドパッチの2021/8期通期決算の内容は以上になります。

中々ボリュームが多いですがいかがでしたでしょうか。
私としては、グッドパッチへの投資がさらにわくわくするものになったと思っています。
今後どのように成長を続けていくのか非常に楽しみです😊

最後までお付き合いいただきましてありがとうございます!またお会いしましょう!!

※本記事は会社発表に基づき執筆しております。
 参照記事は以下のとおりです。