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いらなくなったもの#12〜趣味の金継ぎ

以前の記事に書きましたが、一人暮らしの頃は料理が好きで
食器もこだわっていろいろと持っていました。


また当時住んでいた場所の近くに金継ぎを教えてくれる教室があったので
結婚祝いにいただいた作家物の器やそれまでに集めていた器の修復のために
習いに行っていました。


金継ぎセット

ここでも出産の壁が

しかし出産後は、自分の趣味の時間は取れなくなりました。
いや、やろうと思えばできたかもしれません。でもそこまでして必死にやりたいほどのものではなくなってしまいました。
金継ぎセットを持っているからいつでもできる、と
割れたお皿を納戸に保管していました。

子どもも幼稚園へ通いだし自分の時間が少しずつでき始めた頃
久しぶりに金継ぎをやってみました。
結婚祝いでいただいたのに欠けさせてしまったお皿、ヒビの入ったお皿等
作業を楽しみました。

がしかし

次の日、なんだかかゆいなと鏡を見ると両頬のあたりがかぶれていました。
マスクもしていたし、ゴム手袋もしていました。でもおそらく漆でかぶれたのかなという気がしました。
皮膚科に行くと先生も漆かぶれでしょうという見立てでした。
薬を塗り数日経つと赤みもかゆみも治まりました。
皮膚科の先生からは
「空気中に漆の粒子が飛んだり、ゴム手袋をしてもその手袋で他のものに触ったら
そこに漆が残ることもある」と言われ
子どもがかぶれたら嫌だなと思いそこから金継ぎはやらなくなりました。
また金継ぎで直した食器は食洗機に入れられないので、それも今の生活と天秤にかけると、今の生活には合わないと思い、金継ぎセット自体を手離しました。

もちろん金継ぎ自体は物を大切に使う素晴らしい日本の文化だと思います。
今の私は関わり方を少し変えて自分で金継ぎをするのではなく
作品を美術館へ観に行ったり、ネット上でそういった活動に触れたりするだけで満足できるようになりました。

欠けたり割ってしまった食器はすべて処分しました。
心苦しくもありましたが、修復しなきゃと心の片隅に引っかかって
自分で自分にストレスをかけることもなくなりスッキリしました。








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