「貧乏ゆすりと言わないで」26.ファッション誌デビュー
ある日、友人の舞子からラインでメッセージが届いた 「ファッション雑誌に出てみない?」
五十代後半の女性をターゲットにした雑誌で
街中での着こなしファッションの特集ページだった
三か月経って髪がだいぶ伸びてきたものの、
外出の際は帽子を被っていた
それは自分の頭に傷があり、
いかつい風貌だったので
(ちょっと怪しいお姉さま風(笑))
それをひと様にお見せしないようにと思っていたからだ
手術から三か月経って傷もほぼ見えなくなり
なかなか素敵なベリーショートになってきていたから
勇気をだして撮影してもらうことにした
帽子をかぶらずに外出できる嬉しさと、
ファッション雑誌に掲載される高揚感で
体も心もウキウキしていた。
こんなに素敵なきっかけが無ければ
ずっと家に籠りっきりだったかも。
小さなきっかけをくれた舞子に
喜美はとても感謝していた