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教育心理学メモ 2 - 素朴概念と科学的知識

 こどもが科学的知識を学ぶとき、従来の授業のように教員や教科書から学ぶのはあまりお勧めできません。
 なぜなら、こどもの経験と科学的知識の間に矛盾が生じることがあるからです。


素朴概念

 当たり前ですが、こどもが学びを得るのは学校の授業や教材からだけではありません。
 生まれた瞬間、もしくはその前から様々な方法で世界を学習していきます。

 それによって生まれるのが素朴概念です。
 素朴概念とは、日常生活での体験から自然に獲得される知識のことです。

 この素朴概念を考慮せずに、答えだけを教えるような場合に、素朴概念と新しい知識との間に矛盾が生じ、正しい理解を得られないことがあります。

 それがよくわかる例が、ヴォスニアドウとブリュワーによる、地球の形についてこどもに教える実験です。
 多くのこどもは経験上、地球は平らであると考えています。
 そこで、「地球が丸い」という事実だけこどもに伝えると、中空の球体や円盤状の地球といった、誤った概念を形成してしまう可能性があるのです。



体験から学ぶ

 形式的操作期より前の段階のこどもは、ただ教えられたり読んだりするよりも、実際に体験するほうが正しい知識を身につけることができます。
 生命の多様性を学ぶには自然の中でのワークショップが有効でしょうし、国語の教材でも板書よりグループでの話し合いで考察するのが効果的でしょう。
 小学校の早い段階から席について教員の言葉と黒板の文字で学ぶ形式の授業よりも、体験型の授業のほうが断然有意義なのです。

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