頭が悪いと思い込むこども(とその親)へ
学生さんの中には、自分の成績があまりよくないからと勉強が苦手だと感じている方もいるでしょう。
その保護者の方も悩んでいるかもしれません。
けど、落ち込まないでください。
そういうこどもたちは、「学校が提供するタイプの勉強」が苦手なだけで、頭の良さは変えられます。
知能の適合性
まず、最適な学び方は、人によって違います。
一般的な学校の授業方式のほうに、先生の話を聞いたらわかる人もいれば、絵に描いて説明したらわかる人、経験してみて初めて理解する人もいます。
さらに、最適な学び方は、分野によっても違います。
本が最高の教材になることもあれば、理科のように実験による学びが最適な場合もあります。創作によって深い学びを得られる分野もあります。
学校の授業でわからないからといって、自分は頭が悪いと思い込まないでください。
学校が提供している学び方のバリエーションは少なく、それがたまたまあなたに合っていないだけなのです。
知能の増大可能性
第2に、頭の良さ=知能は生まれつき決まっているのではなく、変えることができます。
知能の程度は、困難や課題を経験した回数やその種類、環境、さらには継続的な好奇心や考え方などにも影響されることが分かっています。
同じ授業を受けていても隣の生徒のほうが成績がよくても、それはその子が生まれつき頭がいいからではありません。
様々な要因が影響して知能が形成されているのです。
むしろ、成績が良くても、それが生まれつきの知能によるものだと思っているこどもよりも、知能は変えられると知っているこどものほうが、課題や困難を乗り越えやすいでしょう。
事実、「テストでの誤答や生活のなかでの失敗は、学びの絶好の機会であり、工夫することで頭の良さは変えられる」ということが分かっているだけで、知能が増大するという研究結果もあります。
まあ、そもそも自分は頭がよくないかもしれないと思ってしまうのは、テストの成績を何よりも重視する教育制度の体質に問題があるのですが。