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教育心理学メモ 1 - こどもの認知の発達の段階

 学校を創りたいならこどものことを理解しておくべきなので、教育心理学を学びます。
 しばらくは、学んだ内容の簡単なまとめを投稿していきます。

 今日学んだのは、認知の発達の過程について。


ピアジェ氏による認知発達の理論

 ジャン・ピアジェ氏は、スイスの心理学者。
 こどもが成長とともに、どう世界を認識し理解するのかを説明した発生的認識論を提唱しました。
 他にも、教育理論における構成主義や、こどもの言語、世界観などについて研究した、20世紀で最も影響力のあった心理学者の1人。

 発生的認識論によると、こどもの認知発達の段階は4つの段階に分かれています。

1.感覚運動期

 生後すぐから2歳程度までの時期。
 自らの感覚や運動を通して、周囲の環境と相互作用し、自己と外界を理解し始めている段階です。

 さらに、喃語や初語といった言語の発達もこの時期の重要な発達の1つです。
 言語発達は認知発達に大きくかかわっています。
 言語という記号を持つことで、頭の中に事象をイメージする表象の形成につながり、外界の認識や理解に貢献するからです。

2.前操作期

 幼児期に該当する時期。
 活動の場が家庭の外に広がり、認識する世界が大きく拡大する段階です。

 この時期の認知発達の特徴は3つ。
 1.象徴機能が発達する:ごっこ遊びに見られるように、砂場で泥団子をおにぎりに見立てたり、おもちゃのお椀に盛った砂をご飯に見立てたりして、食事の場面を再現するといった遊びをする。
 2.論理的な思考はまだ十分ではない:同量の水が入った同じ形の2つのグラスのうち、片方を細長いグラスに移し替えて、見た目では量が替わっているように見せると、実際は水の量は変わっていなくても、量が変わったと考えたりする。
 3.認知の自己中心性:他人の視点に立って物事を考えるのが苦手。同じものを見ていても、自分とは異なる位置に立っている人から見ると違う景色が見えるということを判断できない。

3.具体的操作期

 7~11歳ごろ。
 様々な論理的思考が可能になる時期です。
 他人の立場に立った思考もできるようになります。
 さらに、系列化(長さの違う複数の棒を、長い順に並べるなど)や分類(形の異なる複数のブロックを、色別に分けるなど)も可能になります。

 ただ、この時期はまだ、具体的な物事がないといけません。
 抽象的な概念や思考はまだ苦手な傾向にあります。

4.形式的操作期

 12歳以降。
 具体的なものや実際の経験にとどまらず、言葉や概念、記号などを使った抽象的な思考や推察ができるようになります。
 「こうしたら、こうなるだろうか」という仮説演繹的思考や、組み合わせ的思考ができるようになっていきます。


もちろん、ペースは人それぞれ

 これらは普遍的な理論であって、全てのこどもが同じペースで同じように発達するわけではありません。
 養育者や環境など、認知の発達に影響する要素は多岐にわたり、全く同じシチュエーションで育つことはほぼあり得ないので、ピアジェ氏の理論上の発達段階が年齢に比べて多少遅れていても、焦る必要はないと思います。
 心配な場合は、小児科の病院などで専門の医師の診察を受けるべきですが。

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