学ぶ楽しさを感じ、自ら学ぶ子を育てる
最近、PBL(Problem-based Learning)を重視した学びを耳にすることがあります。PBLは問題解決型学習など言われ、子どもが自ら問題を見出し解決していく学習を言います。
一般に、PBLは大学や高校での実践をよく見かけます。大学や高校でしかできないものなのでしょうか。幼児期の子どもにだって、それっぽいことができます。
例えば、イメージは、次のようになります。
【パパは鼻水を出し、だるそうだ。食欲もない】
そんなとき、黙ってパパの看病をするのでなく、子どもに問い掛けます。「パパはどうしたんだろう」子どもは「分からない」と言うかもしれません。それでも問を続けます。「風邪を引いたのかな」「パパに元気になってもらいたい?」「どうしたら元気になるかな」「早く元気になって一緒に遊びたいね」と、問い掛けを通して、子どものパパに元気になってほしいという思いを高めます。あるいは、実は心の中に元気になってほしい気持ちがあることに気付かせます。
子どもが「食欲がないときにはどんなものを食べたらいいのかな」と調べたいと思ったり、「パパはプリンを食べたら元気になるかな」と仮説を立てたりしたなら、もう学習の始まりです。
大人として知っていても、図書館に行って風邪を引いて元気になる絵本がないかを調べたり、大人向けの本であっても子どもと一緒に本を見て、「ここにこう書いてあるよ」と指し示したりします。プリンを食べたら元気になると思えば、一緒にプリンを買いに行き、パパに食べさせて結果を見守ります。翌日に良くならなくても、次の方法を一緒に考え、取り組みます。
最後に、おばあちゃんなど、誰かにあったとき、「パパの風邪を治すのに大活躍したね。どうやってパパを元気にしたのか教えてあげて」と成果の発表をさせます。
小さいときは、ほぼ親が誘導していく感じになるかもしれませんが、親と子のコミュニケーション、そして、実際に誰かに聞いてみたり、一緒に本で調べたりすることが大切です。
親が、だまってお粥を作ったのでは、子どもの成長はありません。子どもの成長のチャンスは、あらゆるところにあります(もちろん、風邪を引いたときに限って、これぞ学習のチャンスだと言っているのではありません。一例です。)。コミュニケーションをとり、論理的に考えたり、誰かに伝えたりして、いくつもの正解がある、あるいは何が正解か分からない問題にチャレンジしていくことは、子どもの問題を解決しようとする思いや学ぶ力を高めていきます。
おまけ
学びに向かう例として風邪をあげましたが、他にも、夏祭りで金魚がほしいとか、◯◯がほしいと言ったときなどもチャンスです。風邪の場合、子どもの心をパパを助けたいという思いへ高めていく必要がありますが、子どもが◯◯したいという思いがすでにあれば、問がすくなくて済みます。金魚がほしいなら、もう飼い方が課題(問題)になります。何を食べるのか、水槽はどのくらいの大きさで水槽に何を入れるのか。それらをどうやって調べるのか。本で一緒に調べ、一緒に環境づくりをして金魚を飼います。