運動会の表現運動から見える担任の先生に期待したいこと
インクルーシブ教育という言葉を聞いたことがあるだろうか。障害のあるないに関係なく、共に生きるというものです。運動会の練習でも、この考え方は大切なんではないでしょうか。
運動会で期待されるレベル
運動会で表現運動を実施するところは多いと思います。その表現運動のレベルについて、思うことがあります。
踊りを覚えたというレベル、覚えて磨きをかけたレベル
いやいややっているレベル、頑張ろうと思い取り組んでいるレベル
見る側からすると、覚えて磨きをかけたレベルで頑張ろうと思い取り組んでいるレベルを期待したいものです。
そのためには、かなりの時間を費やして練習することはもちろん、子どもの気持ちを盛り上げることも必要になってくると思います。
親として、できない子どもを叱ったり、できないからと同じことを何度も繰り返すということはしてほしくないです。
表現運動を苦手とする子への指導
できないからと言って叱っても子どもは育ちません。できないからと言って同じことを何度も繰り返しても子どもは育ちません。
できないならできるようにする手だてを考える必要があります。
子どもは、できるようになったときに自信をもち、さらに頑張ろうと思えるはずです。
そして、もう一つ大切なことがあると思います。
先生がすべての子どもにすべてを教えなくてもよいと思うのです。
支え合う人間関係
先生がクラスを引っ張る子の心に火をつける。そして火のついた子どもたちが、うまく踊れない子に声を掛ける、教える。そんな人間関係を築いてほしいです。我が子のことを先生にすべて面倒をみてほしいとは思いません。子ども同士で支え合えるクラスをつくってほしいのです。子ども同士で支え会えることって素敵だと思います。
家庭でもそうです。兄弟姉妹がいる場合、親がすべてを全員の子どもに、何から何まで教える必要はありません。兄弟姉妹間で、いろいろなことを学んでいきます。また、学び合えるように上の子を支えます。もちろん上の子に過度の期待やプレッシャーをかけすぎてはいけないし、下を支えることも必要です。
先生が大切にする子は、まずは、クラスを引っ張る子たちです。逸脱しすぎた子がいた場合は先生もかなり苦労されると思いますが、不真面目な子や踊りたくない子を含め、踊れない子を支えられるように、クラスを引っ張る子たちを支援することで、踊れない子を支えていくことが、学級という組織を運営する先生の仕事だと思うのです。そうすることで、クラスを引っ張る子たちのリーダー性や人を思いやる気持ちが育ち、踊れない子たちの仲間と頑張ろうとする気持ちや技能が育っていくと思うのです。
苦手な子も得意な子も共に頑張れる教育は、表現運動に関わらず、教育のあらゆる場面で、大切にされるものではないかと思います。