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被災高齢者に起こりうるリスクと言語聴覚士の活動 〜低栄養〜

2)低栄養
発災早期は食料や水の確保が不十分である。また、配給される食事は、パンやおにぎりが中心であり、高齢者にとっては咀嚼や嚥下がしにくい場合も多い。その結果、喫食量が低下して低栄養を引き起こしやすい傾向にある。福祉避難所では、配給が毎食届かないことも少なくない。

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届く配給内容は、水とパンやおにぎりなど炭水化物が中心である。高齢者にとっては、ペットボトルの蓋が開けられない、パンやおにぎりが食べにくいために食べていないという問題も生じていた。さらに、炭水化物中心の食事が原因で栄養素量が不十分になっている可能性が高かった。それらの対応として、高齢者の低栄養リスクを考慮し、補助栄養食品の提供が有効である。加えて、その日の気温や湿度に応じて、脱水予防目的での経口補水液の提供も必要となる。


提供する補助栄養剤の内容としては、ゼリータイプの補助栄養剤はスプーンの準備ができない場合があり、避難所ではドリンクタイプの補助栄養剤やスプーンなしで摂取できるパックになったゼリー飲料などが提供しやすいと言える。ただし、対象が高齢者であることを考慮して、ペットボトル開栓やパック飲料にストローをさしてから渡すなど提供方法への配慮も要す。

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