被災者に起こりうるリスクと言語聴覚士の活動 〜精神保健〜
8)精神保健
大規模災害後の被災者において、精神健康被害の中でも不眠はきわめて多い訴えである。急性期不眠への医療的介入は長期的にPTSD の発症・移行を促進する可能性もあり、慎重に行うべきである。一方で、生活環境の悪化は不眠の遷延因子であるばかりか、PTSD 発症促進因子となることも知られているため、避難所生活や物資の不足、インフラの寸断、情報の不足などは、可及的早期に整備する必要がある4)。
中越地震・中越沖地震の際の言語聴覚士へのアンケートでは、患者さんの不安の傾聴に努め、患者さんたちに安心感・安定感を与えるような援助をしたことが報告されている。また、特に夜間の支援にあたった保健師や看護師からは、寝られない方が多いとの報告を受けていた。また、被災者から多く聞かれたことに、いつまた地震がくるかわからないからという枕言葉であった。不安に寄り添うことも需要な役割である。
避難所の昼間と夜では被災者の不安の大きさはかなり違う。朝が来ることは被災者に取ってとても大きな意味を持っているのではないかと感じる。
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