旅行・出張や帰省、登山に便利な povo 2.0
2024年5月に着信転送が解禁されて、通話機能も遜色なく使えるようになった povo 2.0。筆者は計5回線契約し、メインにサブにと活用しています。
正直こんなに使うようになるとは思いませんでしたが、ユーザー目線で実感しているpovo 2.0 の魅力と課題を紹介したいと思います。
(2024年7月末時点の内容です。公式Webサイトで最新の情報を確認してください。)
■■この記事は「お得で便利な povo 2.0」の続きです■■
旅行・出張に
何といっても、データ通信を使うときに使う分だけ買い足して使えるのが魅力。
旅行などに行くと、普段とは違ったデータ使用になりがち。地図やデジタルチケットなどはもちろん、Web検索やSNSの利用も増えるでしょう。泊まりの場合は宿でもデータ通信を使うでしょうし、帰省したら実家には光回線がない、といった場面もあると思います。
支払いにモバイルSuica・PASMO・ICOCAや各種コード決済が使える場所が増えていますし、ここ数年で特急券の購入や「お得なきっぷ」もデジタルチケットに移行しつつあるので、スマートフォンの出番はますます増えています。
筆者は毎月のように旅行や出張に出かける機会がありますが、旅行中はWi-FiをOFFにして、常時モバイルデータ通信を使います。
旅行や出張によく行く人はわかるでしょうが、Wi-Fi完備の宿が多いとはいえ、滞在先のWi-Fiが使いやすいとは限りません。特急列車などにも公衆Wi-Fiが提供されていることが多いですが、昨今はインバウンド観光客も多く、駅や列車内、宿泊施設等のWi-Fiは混み合っていて使い勝手が良くないこともしばしば。
出張(業務による旅行)の場合は、滞在先にノートパソコン等を送って会議やメール・文書作成などをすることもあるでしょうが、そうした場合にも安定性やセキュリティの観点から、宿泊施設等のWi-Fi利用は非推奨。自前の回線を持ち歩くのが原則です。
しかしそうなると、自宅に光回線を引いていて普段はWi-Fi利用が主な人ほど、旅行・出張中のデータ通信が増えて困ると思います。従来の通信プランは毎月のデータ量が固定なので、予定をカッチリ立てて毎月のようにプラン変更するか、余裕を見て多めのプランを選んでおく(≒普段は余らせる)か、使った月だけ割高なデータチャージをする必要がありました。
(かつての筆者のように)ノートパソコンやモバイルルータ用に別途回線契約して余分に月額料金を払っていた人もいると思います。
でもpovoなら、追加のデータトッピングをいつでも買えるので、旅行に行く時だけ追加で買えばOK。しかも「データ使い放題(24時間)」はわずか330円で1日使い放題です。他社と違って割安な料金で追加できますし、何より今月は帰省するから前月中に通信プランを変えておかなきゃ、といった心配が要らないのが嬉しいですね。
登山に
登山に行く人は、さらに注意点が増えます。
ひとつは、人里離れた山奥に行くわけですから、電波の届かない場所が増えます。登山中に圏外でも差し支えありませんが、山頂など見晴らしの良い場所で休憩がてらデータ通信したい場面もあるでしょう。念のため紙の地図を用意するのが原則とはいえ、オンラインの地図や時刻表を見たい場面もあります。下山した後でタクシーやデマンドバスを呼びたいという場面もありますから、山ではデータ通信だけでなく通話も必要です。
そして、街中と違って山では万一事故があった時に周りに人がいないことがあります。予定が狂って山小屋への到着が遅れそうなときや、道に迷った等で連絡したい時は、自分の電話のみが頼りです。運よく電波が入っても、データ通信専用プランだったら緊急通報できません。
そんなこんなに備えるために、山へ行く時は普段使っている回線に加えて、異なるキャリアの予備回線を持つことをお勧めします。昔と違って今はスマートフォン1台で複数回線使えるデュアルSIM機能が一般的ですし、SIMロックもほぼ廃止されましたから、1台に複数回線を入れることができます。
維持費0円のpovo回線
でも、たまの登山のために複数回線契約して、毎月料金を支払うのは負担感がありますよね。その点、povoならば使わない月は月額0円で維持できて、VoLTE通話(標準通話アプリを使った通話)もできるので、緊急時に電話をすることもある登山用にもぴったりです。
ただし、povo回線を半年以上使わずにいると連絡が来て、さらに放置すると強制解約されます(後述)。
強制解約された後で再度契約しようとすると審査に引っかかって契約できなくなることもあるようです(後述)。povo回線を長期に使わないなら解約手続きをしましょう。
楽天モバイルの補助に
楽天モバイルは条件さえ良ければ快適で使い放題になりますが、当たり外れが大きいのが困りもの。
当初のような完全圏外こそ減りましたが、エリア端などで電波が弱い場所にいる人が混雑のしわ寄せを受けるのが厄介です。
しかも楽天回線は使い放題が売りなので、電波状態の良い場所にいる人が遠慮なく使います。中には月々17TBも使う人もいるそうですが、そんな超ヘビーユーザーが近くに居たら目も当てられません…
都市部でも地下鉄に乗ると楽天モバイルはほぼ使い物になりません(2024年5月頃からようやく地下鉄でのエリア強化が始まったので、あと数年もすると使えるようになるかもしれません)。
また、楽天モバイルはKDDIのプラチナバンドを借りて「パートナー回線」として提供していますが、コストカットのためパートナー回線がでたらめに切られていた時期があって、例えば登山客が世界一と言われる高尾山や、奥日光戦場ヶ原、上三依塩原温泉口などの観光地で完全圏外になります。
こういう観光地でこそモバイル通信を使いたいのに、肝心な所で圏外では本末転倒ですね…
こういう場所でもpovoは使えますから、楽天ユーザーは予備にpovo回線を持っておくことをお勧めします。
イベント会場で
コミケや音楽フェスなどに行く人は、予め複数回線持っておくと、現地で時間を無駄にせずに済みます。
特にここ数年は5Gへの移行で躓いたドコモ回線が使いにくくなっていて、一昨年・昨年のコミケでは会場でドコモ回線が使えなくてサークルチェックや支払いに困る人が続出したようです。
他のキャリアでも起こらないとは言えませんが、全キャリア使いづらくなることはごく稀で、筆者が出かけた場所では藤の花が最盛期のあしかがフラワーパークくらい。コミケなどの主要イベントは各キャリアが対策していますので、基本的には複数のキャリアを持っておくことが回避策になります。
通信障害に備えて
日本の鉄道は定時運行などで定評がありますが、時々輸送障害があります。そんな時でも駅員さんなどから案内を受けられたり、都市部では振替輸送が適宜実施されるなどして、路頭に迷うことはありません:)。
しかし通信障害には振替も代行も無いので、ユーザーが自ら代替手段を用意する必要があります。
今でこそ主な鉄道駅には公衆電話があって、いざという時に頼りになりますが、普段から使っていないと、いざという時に使い方がわからない…テレカも10円玉も無い…ということにもなりがち。
国内に4社ある通信キャリアも概ね高水準のサービスを提供していると思います。いわゆる通信速度のみならず、通信障害にあまり直面しないことも含めて、高品質だと思います。
でも、通信障害は避けられません。2024年7月下旬にも、通信障害も連鎖するのか知りませんが(^^;、各社が立て続けに通信障害を起こしていました。
今は財布が無くてもスマートフォン1台で電車やバスに乗れて買い物もできます。言い替えると、スマートフォンが無いと買い物もできなければデジタルチケットも使えない憂き目にあう時代。公衆電話も減らされていて、出張先で通信障害に遭ったらタクシーすら呼べません。何かあった時の備えとして予備回線を持っておく意義は高まっています。
電話番号の維持に
本来の利用とは少し違うかもしれませんが、昔使っていてたまに知人から連絡が来る電話番号を残しておきたいとか、家族が使う、地域活動・市民活動などをしていて個人用とは別の電話番号を使いたい、といった場面もあると思います。
そういう時に維持費が嵩むと躊躇しますが、維持費が安い povo 2.0 はメリットになります。
電話番号は大事
電話番号は住所やIPアドレスと同様に、通信(通話)をつなぐための電話網上の居場所を示すものです。
国(総務省)が管理していて、一定の条件を満たす通信事業者に適宜割り当てられます。よって、電話番号を見ると通信事業者がわかります。
ただし今は MNP (Mobile Number Portability) で電話番号そのままで他社に乗り換えできるようになっているので(2006年10月~)、電話番号の割り当てと通信サービスの契約会社が必ずしも一致しません。電話番号の割り当てを受けた通信事業者がデータベースを持ち、通話発信されると割り当てを受けた通信事業者のデータベースを網側で自動検索して、実際の契約会社調べて接続する仕組み方式になっています(リダイレクション方式)。
ただし、IP電話など中小事業者発の場合は、一旦番号の割り当てを受けた通信事業者に接続してから通話を転送する「転送方式」も併用されています。
https://journal.ntt.co.jp/backnumber2/1510/files/jn201510063.pdf
このように、通話網における電話番号はIPアドレスのようなものですが、ユーザーが意識することはあまりないIPアドレスに対し、電話番号はユーザーが意識してダイヤル(プッシュ)することが最大の違いです。
データ通信で使うIPアドレスは頻繁に変わっていますが、ユーザーが意識しなくてもつながる仕組みが確立されています。
ところが電話番号はユーザーの中で通話相手と1:1で紐づいているので、電話番号を変えると周知が大変。だからこその番号そのままで乗り換えができるMNP(固定回線ではLNP)制度です。
しかし電話番号は070/080/090+8桁の範囲でやりくりしているので、加入者が億を数える状況で、あまり余裕はありません。解約された番号が一定期間を置いて再度割り当てされます。電話番号が個人(や事業所)に1:1で紐づいているわけではないのです。
「迷惑電話」対策として電話番号を変更する人もいますが、何らかの理由で解約された電話番号が据置期間を経て他の人に再割り当てられた際に、不審な電話がかかってくる場合もあるようです。
自分で昔から使っていた電話番号ならば、そうした不審な電話がかかってくる心配があまりないので、電話は頻繁に解約・再契約を繰り返さず、番号を長く使うこともメリットになります。
povo 2.0 のわかりにくさ
そんなこんなで何かと使い勝手の良い povo 2.0。月額基本料0円が特徴のひとつですが、筆者は全回線で有料トッピングを買っています。とはいえ、がっつり使っているのは2回線で、あと2回線は「1GB(365日)」などの長期少容量トッピングを入れ、使う時だけ「#ギガ活」でもらったプロモコードを入れたり、「データ使い放題(24時間)」を買ったりしていました。柔軟な使い方ができるのも魅力です。
反面、povo独特のわかりにくさがあって敬遠してしまう…という人もいるでしょうか。
povo 2.0 開始の頃から使い続けていて、こんなまとめサイトを作っている筆者ですら戸惑うことがありますので、初めての人にはさぞ分かりにくいと思います(^^;。
でも、店頭契約を前提に条件が複雑怪奇ないわゆるメインブランド(ドコモ、au、ソフトバンク)よりはマシだとも思っています。
もっとも、モバイル通信サービスは各社わかりにくさがあります。細かな条件等は「重要事項説明書」に書かれています。ここに書かれていることが契約内容なので、povoに限らず、契約前に、または条件面で気になることがあったら、ここを調べましょう。
※キャンペーン等は別途個別に「提供条件書」などが用意されています。povoでは公式Webサイトのキャンペーンページに該当する記述があります。
期間限定データトッピングが乱立
トッピングがたくさんあって、どれだけお得なのか、どれが自分に合っているのかわかりにくい、という話は前回しましたが、povoの醍醐味でもあり、面倒でもあります。
筆者はまとめページを作っているので遡ってお得さを比較できますが、単発に出てきた期間限定トッピングをパッと見てどれだけお得かを判断するには、並外れた記憶力と計算能力が必要になりそうです(^^;。
なんとかコードが乱立
povoでは、「プロモコード」「プリペイドコード」「トレードコード」「キャンペーンコード」「紹介コード」「エントリーコード」などなど、なんとかコードが入り乱れて使われています。
初心者には、いったい何が何だか…となると思います(^^;。
povo公式サイトのFAQにも項目が立つくらいには、悩んでいる人が多そうです。
https://kdlsupport.zendesk.com/hc/ja/articles/6537498314521
大きく2種類に分けられます。
新規契約(MNP転入、au・UQからの移行を含む)の際に使えるコード
契約済みのユーザーが使えるコード
プロモコード - 無料の特典で提供されるコード。これをアプリに登録するとデータ容量(ギガ)をもらえる。
プリペイドコード - 一部の有料トッピングを買うと提供されるコード。アプリに登録するとデータ容量(ギガ)が追加される。
トレードコード - 端末下取りの対価として提供されるデータトッピング。アプリに登録するとデータ容量(ギガ)が追加される。
「プロモコード」と「プリペイドコード」の違いは、無料か有料か。
povoは基本料金0円の替わりに、長期間(180日間)トッピング未購入だと回線を停止されますが(後述)、無料提供の「プロモコード」だけを使っていても停止対象になります。
「プリペイドコード」は有料トッピングの一部、「トレードコード」は端末下取りの対価なので、これらのコードを使うと、有料トッピングを購入したのと同等に扱われます。
なお、有料トッピングを買うことを条件に提供されるコードにも、「プロモコード」と「プリペイドコード」が混在しています。キャンペーンのおまけ扱いだと前者、セット販売扱いだと後者になりますが、期間限定データトッピングの販売条件を細かく見ると明記されています。
キャンペーンの条件が複雑
例えば、他社から乗り換えてデータトッピング購入すると au PAY に還元されるキャンペーンが終了日未定で開催されています。
うまく使えればお得なのですが、条件が多い…
他社から乗り換え(MNP転入)で契約する
povoのSIM有効化後、トッピング購入前に、povoアプリで au ID を連携する
au ID が複数ある場合は、au PAY を使う au ID を連携する
au ID が無い場合は作成し、au PAY アプリ(Android / iPhone)を設定しておく
au ID 連携後、SIM有効化から7日以内に対象のデータトッピングを購入する
トッピング購入後、還元チャージされるまでは au ID の連携を解除しない
これらが1つでも抜けると対象外になります。ひとつひとつは難しくないものの、条件が複雑に絡み合っているのがいただけません。(楽天のような「エントリー」が無いだけマシ?)
筆者も以前契約した回線で対象になるデータトッピングを購入したものの、購入日がSIM有効化の8日後で特典対象外になってしまったことがあります(;_;)。通信会社の乗り換えはただでさえ回線の切り替えなどでバタバタするし、最初の数日は他の特典が適用されてデータ通信できるので、すっかり失念していましたが、7日以内は厳しいと思いますね。
au ID の連携にも以前様々なトラブルがありましたし(現在はほぼ解消)、複数回線持ちには管理が煩雑になるので、au ID 連携不要で対象者にはギフトコードを送るくらいの運用でいいのではと思うのですけどね。
長期間(180日間)トッピング未購入による利用停止
povoは基本料金0円ですが、長期間(180日間)トッピング未購入だと回線を停止されます。無料だからと使わずに放置されたら困りますものね、必要な措置だと思いますし、むしろ半年も無料で維持できるのだから寛容だとも思います。
まあ使わずに放置するような人は強制解約でいいでしょうが、問題は、使っているのに利用停止になる場合があること。主な例は、2024年6月まで提供されていた「#ギガ活」(au PAY 方式)で提供される「プロモコード」だけで足りていた場合。これは無料で提供されるので、ユーザーから見ればせっせと au PAY で買い物して回線をフル活用している状態だと思いますが、povoから見ると課金されていないので未購入扱いになります。
通話専用に使っている場合は、通話料・SMS送信料の合計額が660円(月平均110円)を超えると利用停止になりませんが、着信専用であったり、たまにしか発信しないような用途では、利用停止の対象になります。番号維持目的や、小学生などの小さな子どもに持たせているような場合は起こりやすそうです。
こうした利用の場合も、最近は「1GB(365日)」1,800円、ローソンお買物券300円分が付いて300円などの安価な有料トッピングが期間限定で販売されているので、こうした安価なトッピングをたまに購入することで、安価に継続利用できます。
ちなみに回線停止期限の計算方法は、有料トッピングの利用期限が切れてから起算されます(有料トッピングの購入日や、データを使い切った日ではありません)。例えば365日分の長期トッピングを購入した場合は、1年半後までは寝かせても回線停止されません。通話回線であっても、メール等も少しは使うのであれば、「1GB(365日)」などが販売された時に買っておくのがお勧めです。
回線停止される前にメールで予告されるので、すぐに安価な有料トッピングを購入すれば、さらに半年維持できます。有料トッピングはいろいろありますが、期間限定でローソンお買い物券付きなど実質無料のトッピングもありますし、「1GB(7日間)」半額セールも毎月のように実施されているので、安価なトッピングを半年に一度は買うようにしましょう。
このように、povo回線は放置せずに一手間かけることで、お得に使い続けることができます。
https://kimagurenote.net/kn/Povo_2.0#長期間(180日間)トッピング未購入による利用停止
新規契約時の審査
povoは前払い方式なので比較的審査は緩いようですが、審査自体はあるようです。
ご多分に漏れず基準や否認理由は非開示ですが、複数回線契約の際は滞納等がなくても、他の回線の利用状況によって審査に落ちることもあるようです。
筆者は他の4回線全てで有料トッピングを購入していましたし、不要になった回線は放置せず解約手続きをしてきたことが奏功してか、無事5回線目の審査も通過しましたが、povoを複数回線使うときの注意点は、こんな感じになるでしょうか。
有料トッピングを購入する
放置しない(不要になったら解約する)
1年以内に6回線以上契約しない(≒頻繁に解約しない)
後2つは一見矛盾しているようにも見えますが、契約・解約は計画的に、ということですね。
SIM再発行手数料が高い
eSIMは機種変更の際に再発行が必要になりますが、povoでは今のところ無料でできます。これは嬉しいですが、重要事項説明には440円と明記されていて、ただし当面の間、無料となっています。
SIMカードは適宜挿し替えて使えますが、紛失・盗難等で再発行が必要になった場合は、3,850円もかかります。
大手キャリアショップで手続きする際の手数料と同額ですが、povoではオンライン手続きでSIMカードを送るだけでもこの料金なので、割高感が否めません。
SIMカードの再発行はめったにする手続きではないですが、改善してほしいところです。
名義変更不可
povoはau・UQ・povo合算で1人5回線まで契約できるので、保護者名義で契約して子どもに使わせることもできます。でも povo 2.0 は13歳から契約できるので(「データ専用」は18歳から)、ずっと家族が使う回線は本人名義で契約する方が良いでしょう。この場合、利用料金の支払いには保護者名義のクレジットカードが使えます。
povoでは名義変更手続きができない制限があります(結婚に伴う改姓を除く)。手持ちの番号を子ども名義に変えたいといった場合には他社に転出する必要があります。他社で契約中の番号は名義変更を済ませてからpovoに移しましょう。
ちなみに、未成年者に使わせる際に必須とされているフィルタリングは無料で使えます。楽天モバイルやMVNOではフィルタリングに追加料金を取られて、表示価格よりも実際の支払いが高くなってしまうことがありますが、povoは未成年でも表示価格でお得に使えます。
1回線につきアプリ(スマートフォン)とメールアドレスが1つずつ必要
povoはau・UQと合算で1人5回線まで契約できるので、無保証になるものの、モバイルルータやWAN内蔵ノートパソコンなどでも使えます。
ただし、1回線につきアプリ(AndroidまたはiPhone・iPad)とメールアドレスが1つずつ必要になります。
メールアドレスは(管理が煩雑になるきらいはありますが)頑張って複数用意できるかもしれません。
でも、モバイルルータやWAN内蔵ノートパソコンなどで使うときには別途スマートフォンが必要になるので、スマートフォンでもpovoを使っていると詰むことになります…
(ちなみにAndroidタブレットはpovoアプリが動作しますが、かつて提供されていた Windows Subsystem for Android ではpovoアプリが動作しませんでした。)
子どもに使わせる場合も、中学高校になればアプリも使いこなしますから、子どものスマートフォンにアプリを入れておくとデータトッピング買い放題(請求は保護者名義のクレジットカード)になってしまって家庭内不和になりかねません…でも親子でpovoを使っていると詰むわけですorz。
「my 楽天モバイル」や「My IIJmio」など他社のアプリは複数回線に対応しているものが多いですが、povoはアプリ必須なのにどうして1回線にしか対応しないのか不思議です。
無保証ですが、Xiaomiのハイエンド機種に搭載されている「デュアルアプリ」機能を使うと、スマートフォン1台で2つまで入れることができます。他社(OPPOなど)の類似機能はpovoに対応していないことと、Xiaomi 13T Pro ソフトバンク版は「デュアルアプリ」機能が無効化されているので要注意です。
複数回線持ちに適した通信サービス
複数回線持つメリットは様々ありますが、eSIMが普及し、SIMロックも原則撤廃されて、複数回線持ちのハードルが下がりました。
そこで最後に、povoと併用してメインまたはサブで使える格安SIMをいくつか紹介したいと思います。
ワイモバイル・LINEMO
ソフトバンク回線は都市部で快適なので、都市部に生活拠点がある人にはおすすめです。ただし“ソフトバンク”(SB)で契約すると通信料金が高かったり光・家族割等の「縛り」がきつかったりSIMの差し替えで不具合が起きたりして厄介なので、“ワイモバイル”(YM)か“LINEMO”(LM)にするのが賢明でしょう。
街中のソフトバンクショップに行くと、高性能な機種を安く利用できることを口実にして“ソフトバンク”への切り替えを勧められますが、月々の通信料負担は確実に重くなるので、機種のみ購入して回線はYM・LMにするのがお勧めです。
YMとLMの通信品質は同じですが、YMは月額料金が若干高めで、ヤフー連携サービス(LYPプレミアム)が使えて、電子書籍などをたくさん買うとデータ通信使い放題になったりします。
筆者は旧WILLLCOM・EMOBILEの頃から使っているのでYM回線を残していますが、これから契約して1人で使うならLINEMOの方が使いやすいでしょう。
日本通信SIM
エリアが広いドコモ回線を月額290円~で維持できて、従量通話料が半額(11円/30秒)で、さらに70分無料通話(または5分定額)を390円で追加できるので、通話用メイン回線に最適です。もちろん着信転送や留守電も使えます。
もちろんデータ通信もできて通信料も割安ですが、ドコモ回線なので都市部のデータ通信品質に難がありますから、日本通信SIMは通話用にして、データ通信にはpovoを使うのがおすすめ。
でも生活圏が地方にある人にはデータ通信も実用的ですし、旅行や登山などによく行く人はひとつ持っておくと便利です。
通信品質はMVNOとしてはまあまあですが、MVNOなので遅くなることもありますし、ドコモ回線は都市部での利用に難があるので、povoなどと併用するのがおすすめです。
NUROモバイル「NEOプラン」
3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から選べて、MVNOなのに昼休み時間帯でも快適に使えるのがメリットです。
月々のデータ容量は20GBまたは40GBですが、アップロードと一部SNSがノーカウントなので、実際にはもっと使えます。従量通話料は半額(11円/30秒)。もちろん着信転送や留守電も使えるので、通話もするメイン回線にも使えます。
povoと併用する場合はau回線を選ばず、ソフトバンク回線かドコモ回線にしておくと、前述のメリットを活かすことができます。
楽天モバイル
電波状況次第ですが、生活圏が楽天回線の電波が良い場所にある場合は、低遅延で快適に使えます。
楽天回線は電波状況が良ければau回線よりも低遅延で快適です。
また、日頃から楽天市場をよく使う人は追加のポイント還元を受けられるので、2回線持っても負担を抑えることができます。
ただし、楽天回線は同じ基地局にヘビーユーザーが居ると割りを食わされたり、地下鉄で使い物にならなかったり、観光等に出かけると途端に使えなくなったりもする運次第なので、povoとの併用がお勧めです。
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