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SMARTalk (FUSION IP-Phone SMART) 終了(;_;)

050から始まる電話番号は企業等のコールセンターでよく使われていますが、一昔前までは個人で使っている人もけっこういました。いや、今でも少なからず使われていると思います。


主な個人向け050IP電話サービス

(個人で単体契約でき(※)、インターネット回線や利用期間等の制約がない主なサービス)

※光回線やモバイル回線とのセット契約で提供されるサービスは省略します。

などなど、個人で使えるサービスはけっこうあったのですが、個人向けサービスはここ数年で相次いで打ち切りの憂き目にあっています。

と言っても、050IP電話サービスに難があったわけではなく、提供会社の都合で打ち切られている実態があるように思います。

筆者が愛用していた「SMARTalk (FUSION IP-Phone SMART)」は、楽天がモバイルを始めた後の2021年12月頃にひっそりと新規受付を終了してしまいました。

最大手(?)の「050 plus」は運営会社がNTTドコモに吸収される直前の2023年6月までで新規受付が打ち切られてしまいました(既存利用者には継続提供中)。

そして今日(2025年2月28日)、「SMARTalk (FUSION IP-Phone SMART)」の既存契約者向けサービスが打ち切られてしまいます(T_T)。

携帯電話と兼業している楽天とNTTは、法人向け050は継続していますが、個人向けには単価の安い050ではなく儲かる携帯電話に移行させたいという本音が透けて見えます。

それ以外の通信事業者は、今のところやめる理由はないのだと思います。実際、「LaLa Call」「Skypeオンライン電話番号」(※)「G-Call050」などは継続提供されていて、新規加入もできます。

※Skypeは、本稿公開翌日(米国時間で2025年2月28日)に、Skypeを2025年5月にて終了し、Teamsに移行すると発表されました。

ただし、このうち後2者は使い勝手の悪さがあって非推奨(後述)。これから個人で050番号を新規取得するなら「LaLa Call」ほぼ一択になりそうです。

また、企業・団体・個人事業主などを中心にサービス提供する会社は他にもありますが、本稿では割愛します。

050電話番号とは

IP電話の黎明期

050から始まる電話番号は総務省が定義する「特定IP電話」(インターネット電話)であることを示しており、2003年から使われ始めました。

2003年と言ってもピンとこない人が多いでしょうが、ADSLFTTH通信サービスが始まった頃です。「Yahoo!BB」が街頭でモデムを配って世間を騒がせたことが記憶に残っている人もいるでしょうか。そんな頃です。

つまり一般家庭がインターネット回線を引き込み始めた頃合い。中にはそれ以前からアナログ電話回線(ダイヤルアップ接続)やISDN、PHSなどを使ってインターネットに接続していた人もいるでしょうが(筆者もその一人です)、多くの人は2000年代に入ってからインターネットを使い始めたのではと思います。

この頃に始まった050IP電話、今ではあまり話題になりませんが(当たり前になったからか、固定電話があまり使われなくなったからかはさておき)、当時は話題になったもので、期待が大きかったように思います。

050番号が始まった頃は、最大取得者は「Yahoo!BB」(ソフトバンクBB)だったそうです。ちなみに今でこそソフトバンクといえば携帯電話の大手3強の一角ですが、当時はまだ携帯電話事業に未参入(JR系のJ-PHONEが英Vodafoneに売却されたのが2001年、そのVodafoneの日本事業をソフトバンクが買収したのが2006年)。ソフトバンクが電話への参入を窺っていた頃の勢いが感じられますね:)

電話番号(電気通信番号)の指定状況は総務省が公表していて、

これを数えればいくつ割り当てられているかは判ります…が、面倒なので、直近(2024年8月)発表された数字を引用すると、2023年度末時点で約973万番号(前年同期比 約7万増)だそうです。

070/080/090携帯電話(約1億8783万番号)や伝統的な0AB…J番号(約5385万)に比べれば少ないですが、けっこう使われているな、と思いませんか?

ただし、あくまで通信事業者の求めに応じて割り当てられた数であって、全てが使われているわけではないことに留意が必要です。とはいえ、おおよその利用実態を反映していると見ることはできると思います。

身近な所ではJR東日本など、企業のコールセンターでの050番号の利用はよく見かけます。でも積極的に使われているとは言い難いようにも思います。

050番号では緊急通報ができない制約はあるものの(後述)、それ以外の使い勝手に遜色はなく、しかも低コストなので、もっと普及しても良さそうに思うのですが、最大の懸案は、050番号は番号移行に対応していないリスク。

今回のように、通信事業者(楽天)の一存で、ユーザーは電話番号を失うことになるのです(;_;)。

携帯電話にはMNP(番号ポータビリティ)があって、加入電話や「ひかり電話」で使われる0AB…J番号のLNPも始まりましたが、050番号では依然として通信事業者の一存で番号が突然使えなくなってしまうリスクが、050番号の普及を妨げている面はあるように思います。

従来の加入電話と050IP電話の違い

050番号が始まった(※)頃の携帯電話はまだ2Gで音声通話主体。PHSがモバイルデータ通信で人気を博していました。

※ちなみに050番号は元々PHSに割り当てられていたのですが、PHSの普及で番号が不足しないよう070に移して桁数を増やし、空いた050を特定IP電話で使うようになった経緯があります。

そんな頃に始まった050電話番号、電気通信を所管する総務省では「特定IP電話番号」と呼んでいますが、これは従来のアナログ公衆回線を使わず、IP電話の仕組みを使う電話サービス用の番号です。今でこそ当たり前になりましたが、当時は画期的なサービスでした。

これに対して03などで始まる従来の電話番号(0AB…J)は「固定電話番号」ですが、今ではこれにもIP電話の技術が使われており、インターネット経由で通信(通話)しているものが多くあります。

では何が違うのかというと、ひとつは通話(音声伝送)品質の基準が違っていて、050よりも従来の電話番号(0AB…J)の方が要求される通話品質が高くなっています。

もっとも、050IP電話の全てが低品質というわけではなくて、プロトコル(SIPUDPなど)やCODEC(G.711 μ-law)などの基礎技術は同じなので(異なるプロトコルやCODECを使うサービスもあります)、インターネット通信回線が空いていれば高品質な通話ができることもあります。ただし、0AB…J番号が割り当てられた「ひかり電話」等にはインターネット回線の混雑時にも電話を優先する仕組み(QoS)が備わっています。050IP電話にはこれが無いので、インターネット回線の混雑時などに通話品質が低下しやすい傾向があるのです。

また、従来の電話番号(0AB…J)には緊急通報への接続義務がありますが、逆に050番号は緊急通報できない制限があります(もちろん警察署や消防署の番号を知っていれば直接発信できますが、「110」「119」などに発信してもつながりません)。

緊急通報できないといざという時に困りますから、050IP電話は、一般加入電話や携帯電話との併用を前提にしているサービスと見ることもできます。

電話番号は通話網の「住所」

今では携帯電話を1人1つ(以上)持っていることが多いので、電話番号は個人と結びついているかもしれませんが、電話番号は通話網の「住所」に相当するものです。

郵便を送るときに使う郵便番号は、頭2桁で大まかな地域が判るようになっています。例えば10~20が東京、21が川崎、22~23が横浜、といった具合に、郵便物が大区分されて担当の中継局に送られます。

電話番号にも同様に、地域や事業者が判るように区分する仕組みが備わっています。昔は固定電話のほとんどが電電公社→NTTだったので、固定電話番号には地域を示す番号が付いていて、先頭の2~5桁が「市外局番」。例えば03が東京都23区、042が東京都多摩地区など、043が千葉市など、044が川崎市、045が横浜市…のようになっています。

そして、その後に続く「市内局番」は各地の交換局を示しています。

昔は引っ越しをするときに、電話番号が変わる・変わらないという話をしたものですが、電話番号の「局番」(市外局番+市内局番)とは文字通りNTTの交換局を示す番号なので、同じNTT局管内の引っ越しであれば同じ電話番号を継続利用できたものの、収容局が変わると電話番号も変えざるを得なかったわけです。すぐ近くでも収容局が変わる場合があるので、引っ越しが決まった後で電話局(今は窓口機能はありませんが)に尋ね、ダメなら泣く泣く(?)番号を変えるしかありませんでした。

しかし技術は進んで、050はIP電話(インターネット電話)。地理的な制約は取り払われましたが、一方で通信の自由化によりNTT以外の通信事業者が参入してきたので、事業者の区別をする必要が生じました。

総務省の「電気通信番号指定状況」を見ると判りますが、電話番号の前半を見ると通信事業者が判るようになっています。

インターネット通信が得意な人は、「IPアドレス」のルーティングを想起すると分かりやすいでしょう。

携帯電話が普及し、MNP(番号ポータビリティ)が定着した今、電話番号は個人に紐づいているように感じるかもしれませんが、実際には事業者識別番号であり、加入電話の場合は電話局の識別番号でもあるのです。

「イエデン」替わりに便利だった「SMARTalk (FUSION IP-Phone SMART)」

ずいぶんと長い前説でしたが(^^;、「SMARTalk」の話に戻ります。

筆者はかれこれ12年あまり、「SMARTalk (FUSION IP-Phone SMART)」の050番号を「イエデン」替わりに使ってきました。

「SMARTalk」公式通話アプリのダイヤルパッド画面

その前はFTTHの光電話(0AB…J)を使っていたのですが、当時はまだLNP(MNPの固定電話版、ただし対象は0AB…J番号のみで050番号は対象外)ができず、光回線を変更する際に電話番号を手放すことになったので、どうせ番号が変わるのならと思い切って050番号に変えてコストダウンを図ったのでした。

その時にいくつか候補がありましたが、当時「FUSION IP-Phone SMART」を選んだ決め手はいくつかありました。

  • 基本料0円(通話発信した分だけ課金)

  • 着信転送に対応(当時流行っていた「050 plus」は着信転送不可)

  • 同じFUSION基盤を使うIP電話への通話料無料

  • 市販のVoIPアダプタを使って電話機を接続できた

このうち「基本料0円」は分かりやすい魅力ですが、低コストな050IP電話ならではの特長だと思います。着信ユーザーは無料で使えますが、日本では通話料は原則発信者の負担で、通話着信があると相手の電話会社から接続料が入りますから、商売として成り立っていたのだと思います。

また、「FUSION IP-Phone SMART」の発信通話料は30秒あたり8.4円で、他社(050 plus など)より高めに設定されていました(※)。低コストなIP電話の仕組みを活かして基本料0円を実現しつつ、発着信通話料で稼ぐビジネスモデルだったわけです。

※他社IP電話と比べると高めでしたが、携帯電話の通話料を安くすることが売りのサービスだったので、携帯電話(30秒あたり22円など)との比較では割安でした。

筆者が最も重視したのは着信転送ができること(※)。電話に常に出られるわけではない(むしろ業務中や移動中など電話に出ないことも多い)ので「スマート留守電」を併用していますが、「050 plus」は転送NGなので使えないのです(録音された音声を聞く留守電はできますが、「スマート留守電」に慣れると、音声を聞いてメモする昔の留守電には戻れません…)。

しかも嬉しいことに、「スマート留守電」ではFUSION基盤の050IP電話番号が使われているので、「スマート留守電」への転送通話料は無料。基本料も0円なので、着信専用にすれば0円で維持できちゃいます。

前述の通り「FUSION IP-Phone SMART」(→SMARTalk)は通話料で稼ぐビジネスモデルだったので、着信・発信両方の通話料を稼げる着信転送を提供するのは理に適っていますし、変わり種では固定電話機にアカウント設定して「イエデン」に着信した通話を外に転送する機能が付いた電話機も提供されていました。基本料0円で通話料で稼ぐビジネスモデルを多面展開していた様子が伝わってきます。

競合の「050plus」は良くも悪くもその名の通りスマートフォンに050をプラスする機能に終始していましたが、NTTを追う立場のフュージョン(→楽天)はIP電話の様々な機能を活用してサービスの魅力を向上させており、IP電話に活気のあった古き良き時代を代表するようなサービスでした。

ちなみに、最後のVoIPアダプタとはこういうのです。接続に必要なアカウント情報や基本仕様が公開されていて、ユーザーの工夫次第でいろんな使い方ができたのも、「FUSION IP-Phone SMART」(→SMARTalk)の良さだったと思います(「050 plus」は裏技的に使う方法が知られていましたが、公式には非対応でした)。

SMARTalk終了のお知らせ(T_T)

そんなわけで長らく愛用していた「FUSION IP-Phone SMART」改め「SMARTalk」ですが、2024年6月頃(現在リンク切れ)、サービス終了(予告)の悲しいお知らせが届きました(T_T)

その終了日が2025年 2月28日。今日なんですね。

筆者は「イエデン」として多方面で愛用していただけに、この知らせが届いてから、悩みました。

第一候補は、050IP電話が使えて新規契約受付中の「LaLa Call」への変更。基本料こそかかりますが、月額110円なので負担感はありません。実は「LaLa Call」もFUSION基盤なので、「スマート留守電」への転送通話料無料。

ほぼ同じような条件で使えるので「SMARTalk」からの移行におすすめですが、ただし電話番号は新規発行されるので、番号を変える手間はかかります。また、残念ながら電話番号を選ぶことはできません。筆者は近頃歳のせいか(笑)新しい電話番号を覚えるのが苦手なので、悩んだ挙句に見送り。

次の候補は、改めて0AB…J番号を取得。しかし基本料などの維持費が高く、TAなどの設置も面倒なので、見送り。

結局、手持ちの携帯電話番号(覚えやすい番号)を1つ、「イエデン」替わりにしました:)。「スマート留守電」への転送通話料はかかってしまいますが、「日本通信SIM」にMNPして「合理的シンプル290プラン」+「70分無料通話オプション」で月額維持費680円。これで通話料も賄えますし、デュアルSIMにして通信障害等に備える予備回線も兼ねられます。

もしデータ通信不要で通話専用にする場合は、mineoの「マイそく スーパーライト」+「10分通話パック」がお得。月額360円で維持できます。

楽天は「SMARTalk」を強制終了して「楽天モバイル」に移行させたかったのかもしれませんが、ユーザー目線に立てば番号は変更しなきゃならないし、料金も割に合いませんよね。実際には「LaLa Call」や「mineo」などに移行した人が多かったのではないでしょうか?

せっかくの契約者を他社へ出さず楽天モバイルへと移行させたいのなら、(「mineo」の「LaLa Call」のように)「SMARTalk」の番号をそのまま「Rakuten Link」などで使えるようにするといった工夫があれば、状況は大きく変わったのにと思います。

筆者の方針が決まったのが半年後の2024年11月頃で、それから1ヶ月かけて、各所に登録していた電話番号の変更手続きをひたすら続けました…これが一番大変でしたね(^^;。

オンラインで変更手続きできるサービスはまだいいのですが、金融機関口座などは窓口へ書類提出に行ったりと面倒で…でも頑張って終わらせました!

…いや、変更漏れがありそうな気もしますが、泣いても笑っても「イエデン」替わりに十数年親しんだ番号は明日になったら止められてしまいます(;_;)。

まあ、本音ではもっと続けてほしかったとは思いますが、基本料も転送通話料も0円で十数年間電話番号を使えたので、感謝です。さようなら楽天コミュニケーションズ/~~

楽天コミュニケーションズ

「SMARTalk」は楽天コミュニケーションズという通信事業者が提供している(いた)サービスです。

「楽天コミュニケーションズ」の前身は日商エレクトロニクスの子会社「フュージョン・コミュニケーションズ」で、2000年創業のIP電話専業の電気通信事業者です。パワードコム(電力系通信事業者)を経由した関係で一時期は中継電話サービス「東京電話」なども行っていましたが、2007年に楽天(現在の楽天グループ)が買収し、楽天グループ時代が長く続いています。

2015年に社名が現在の「楽天コミュニケーションズ」に変更され、2019年に楽天モバイル傘下へと移管されて、現在は楽天モバイルの完全子会社として、楽天回線を使うMVNO(MVNE)事業も行っています。

NTTグループの「050 plus」がドコモ傘下になって打ち切られたのと同様、楽天もモバイルの利益確保優先になって薄利なサービスは打ち切られる流れになってしまったのでしょう(;_;)

しかしユーザー目線に立てば、同じ番号を使い続けたいのであって、同じ企業グループを使い続けたいわけではありません

前述のように0AB…J番号や070/080/090番号は番号ポータビリティ制度が整備されていますが、050番号にはそれが無く、今回のように運営会社の都合で打ち切られてしまうのが、050番号の弱点です。

要注意な050IP電話サービス

最後に注意点。冒頭で主な個人向け050IP電話サービスをいくつか列挙しましたが、中には要注意なサービスもあります。

Skypeオンライン電話番号」と「G-Call050」が要注意で、これらは通話が海外を経由することがあるため、そのときに電話番号通知が無効(選択非通知扱い)になってしまうのです。

通話相手が企業のコルセンならともかく、番号非通知の電話なんて誰も出てくれませんから、海外を経由する通話サービスは避けるのが無難です。

その点、「LaLa Call」は国内IP電話網に接続しているので、番号通知もしっかりされて、安心して使うことができます。今から050IP電話を使い始めるなら「LaLa Call」がおすすめです。

「イエデン」の行方

筆者は前回と今回の2度、「イエデン」の番号を失う経験をしました。2度の経験を踏まえた今回の結論は、番号ポータビリティ(MNP)制度が整っていて番号維持が容易い携帯電話番号への移行でした。

前回0AB…J番号を失った当時は、まだ(携帯電話番号とは別に)「イエデン」が必要と感じられる状況があって、新規の050番号を取得して周知する手間をかけたわけですが、当時と比べて今回は「イエデン」が無くて困る場面はほぼなくなったことも、携帯電話番号への移行を後押ししました。

このあたりの感覚には個人差があるでしょうが、家庭の電話「イエデン」が次第に存在意義を失いつつあることは背景にありそうです。

楽天コミュニケーションズとNTTコミュニケーションズは国内で050IP電話基盤を運営する2大勢力。この両者が直営による個人向けサービスを打ち切った背景には、儲かる携帯電話に移行させたいという狙いはあるにせよ(※)、後継サービスが提供されずに打ち切られる背景には、携帯電話の普及によって「イエデン」の必要性が薄れたこともあるように感じられました。

※「FUSION IP-Phone SMART」も「050 plus」も、実態としては個人の「イエデン」替わりに使っていた人も多そうですが、元々、スマートフォンに追加することで通話料を節約できるサービスとして始まった経緯があります。携帯電話事業者から見ると、自らに入るはずの割高通話料を失うことになるので、両社が携帯電話会社の傘下に入ったことで、あえてサービスを展開する意義が感じられなくなってしまったのでしょう。

事業所等では固定電話が根強く使われるでしょうし、低コストな050番号は事業所等では使われ続けるでしょう。この傾向は伝統的な0AB…J固定電話番号にも通じるところがありそうです。

0AB…J番号は2023年度末時点で約5385万番号が使われているが、前年同期比で約159万番号減ったそうです。

050IP電話番号を携帯電話替わりに使っている人もいますが(※)、固定電話番号という括りで見ると、050IP電話番号も、0AB…J番号も、家庭での使われ方に大差無さそうに思います。

※「050plus」などの携帯電話通話料の節約目的のサービスとはまた別に、MVNOの制約が大きかった頃は、モバイルデータ通信のデータ専用プランと050IP電話番号を組み合わせたサービスも少なからず提供されていたので、わりと一般的な使い方でした。後にMVNOへの音声通話機能の卸提供が一般的になったことで、一般的な携帯電話番号へと移行しました。先述の「LaLa Call」はその頃の名残です(回線契約と切り離して050番号を単体契約できることから生き残っています)。

家庭で固定電話を引く意義が薄れている昨今、新たな番号を取得する人も皆無ではないでしょうが、実態としては従前より使っていた0AB…J固定電話番号を維持する目的で固定電話契約をしている家庭が多いのではないでしょうか。

すると新規で番号取得する意義はあまりないので、今回は050IP電話番号の話をしましたが、「イエデン」としての0AB…J固定電話番号も050番号を追うように衰退の一途を辿るのかな、と感じられる出来事でした。

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