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消費税増税
2019年10月からいよいよ消費税が8%→10%に増税されますね。
でもなぜ今回消費税が高くなるのかそしてなぜ昔は0%だったのに始まって現在の8%まで上がったのか。知っている人どのくらいいるんだろうか?はたまた知っていても誰かに説明できるくらいの人はどうだろうか?
ってなわけで消費税のお話。
(消費税の歴史)
1947 シャウプ税制・財政法
戦後GHQの指導のもとシャウプ税制(間接税主体の税制から直接税主体に切り替え)が敷かれた。直接税における累進課税(所得が高いほど税率が上がる)によってお金持ちからより多くの税が集められるようになった。
また財政法によって赤字国債(国が赤字を埋めるために券を発行してお金を国民から借りる=国の借金)が禁止された。
*ただし特例や非常事態は赤字国債の発行は許される。(これがあとで抜け穴となる。)
ケインズ理論『国が借金(赤字国債)をして大量の紙幣を刷りばらまいて経済を活発にする景気対策』においてもっとも重要なのは一時的に景気回復のために国債を発行するの悪くないが景気回復後、収益が増えたら借金をすぐに返済することだが日本は戦時中、国債の返済が行われなかった。 (国が中央銀行にお金を出させて、そのお金を国ではなく他のことのために使うことは将来へのつけを貯めるだけ。)
(高橋財政:戦時中景気が悪化したため高橋是清により赤字国債が行われたがやりすぎは国の経済をあとあと悪化させるため途中で中止しようとしたが、軍部が反発し、もっと紙幣を刷り、軍に回せということで赤字国債を止めようとしていた是清を二・二六事件で暗殺。その後紙幣を刷り続け軍費をまかなっていたため財政法によって赤字国債は禁じ手とされた。)
1965 特例国債法:オリンピック不況により特例として赤字国債発行。
1973 2度目の赤字国債発行:オイルショックで2度目の発行。
1977 一般消費税導入提言
間接税の導入の提案がされたが一般庶民の反対が強かった。
1978 消費税閣議決定
大平正芳内閣により消費税導入が閣議決定されたが国民が大反発し、選挙中に撤回するもボロ負けし、その上で消費税導入を廃案とした。(これを受け、政治家らの中で選挙中に消費税増税宣言はマイナスでしかないことが常識となった。)
1986 中曽根康弘(導入しない宣言)
選挙中、消費税非導入を掲げていた中曽根は当選後に間接税導入法案(売上税)を提出。翌年の選挙でボロ負けしこの法案も廃案となった。
*売上税と消費税の違い
消費税は製造業者から最終消費者まで商品を購入するたびに税金が課されるが、売上税の場合は、最終消費者が購入した時だけ税金が課される。
1987 竹下登(5%→3%、3000万以下免除、増収は福祉財源)
過去の消費税導入失敗から竹下登が『いきなり5%ではなく3%からではどうか、しかも年間売り上げ3000万円以下の子会社からは消費税を取らない=益税の発生。(商品全てには消費税が課されている上で売り上げ3000万以下の会社は消費税免除なので余分な利益が出てしまうこと。)』しかも、増収は福祉財源として使うことを約束。つまり、みんなのために増収を使いしかも中小企業が得するような仕組みだった。
*(人の習性として厳しい条件の後に少しだけゆるい条件を出されるとその条件がとても良い物に見えてしまう。またそれが直接自分に関係していなければ気にしない。)
1988 消費税法案成立
消費税成立後、益税が禁止され中小企業の利益取り消し。
しかし、消費税法案という大元はすでに可決されてしまっているため、あとでいくらでも法案の調整はできてしまった。
1997 橋本龍太郎 (3%→5%)
橋本龍太郎により消費税が引き上げられてが、この頃になると国民は消費税の支払いに慣れてしまっていたため、3%から5%への反発はさほど怒らなかった。
(さらに赤字国債がこの頃から連続発行)
1997 小渕恵三 (世界一の借金王)
バブル崩壊が起こり景気対策として国債を前年度の2倍発行。『私は世界一の無責任な借金王』と宣言し国民の不安を煽る。
2009 鳩山由紀夫 (消費税4年間あげない)
2010 菅直人 (消費税10%提言)
増税を発表したところ参院選で惨敗し与野党がねじれた。
*ねじれ国会
衆議院には、政権を担当している与党議員が最も多く、参議院には、野党議員が最も多い状態。※逆もありうる。
与野党は互いに反発し合う傾向があるため、衆議院で可決された法案が参議院で否決されることが頻繁に起こり政治がスムーズに行われない。
2011 野田佳彦 (5%→8%→10%)
いきなり10%は酷とのことで2014年に8%、2015年に10%の導入を提言し両議院の合意も取れ可決。(竹下内閣の時と同じ流れ)
しかしながら安倍内閣により2015年に10%への引き上げは行われず。(選挙前に増税を明言するとボロ負けするため)
2019 安倍晋三 (10% 軽減税率)
ついに10月から消費税10%に引き上げを宣言。しかし軽減税率(欧米諸国で実際に採用されている。)を考慮。
軽減税率:生活必需品や食料品などは8%のまま。
(今回の消費税増税の目的とその経緯)
・1000兆の借金
現在日本は借金100兆円を抱える借金大国と呼び声高いが、実際のところ資産において日本は世界一の対外純資産(対外資産と対外負債を合算したもの)の保有国である。(なんとアメリカよりも多い!)
そもそも1億や2億のローンを組める人はどんな人か?
⇨経済的余裕があり、ローンの返済見込みのある人
ではなぜ借金の部分ばかりがアピールされているのか?(なぜ小渕はわざわざ世界一の借金王などという汚名を発表したのか?)
⇨表面上では借金が多い国というイメージの方が都合がいいから。現在1000兆円と聞くと国民一人当たりが約800~900万の借金を抱えている状態ですよと口にする政治家をよく耳にするが、実際のところ借金の45%は日本銀行(銀行にお金を貸すための銀行)からの借り入れである(国債)。しかも政府は日銀のトップの任命権を握っているため日銀は日本政府内部の機関であると言える。つまり、日銀からの借り入れは正式には借金に計上されない(家庭内でお金を貸し借りするようなものだから。つまりは嘘)。残り半分は国内の金融機関からの借り入れ。国内の銀行にあかねを預けているのは国民つまるところ国民から借り入れている。国民は約500兆の債権を持っている。(一人当たり450万)
・赤字国債とは何か?
政府が国民に借金をしていること。
・社会保障に使われているか?
自民党が増収分は全て社会保障に当てると主張していたが実際には2割程度しか当てられていない。
・法人税/所得税と消費税
消費税が上がっている分、、、法人税が下がっている。法人税が下がった分の収益と消費税が上がった分の収益がほぼ同額。税収の約4分の3を締めるのが所得税、法人税、消費課税。平成30年の時点(消費税8%)ですでに消費課税が32.9%でトップ続いて所得税31.5%、法人税21.5%となっている。
消費税増税は社会保障でもなく借金の返済でもなく、お金持ちと大企業を優遇するための政策なのかも、、、
・IMF(International Monetary Fund)のPB目標
IMFは各国にプライマリーバランス目標を掲げている。
PB目標:国家の支出を減らし増税し財政を黒字化する
つまり政府がお金を使わなくなり増税して国民からお金を取る事によって政府の懐事情がよくなるという事。
このIMFの掲げるPB目標を達成した国がアルゼンチンとギリシャ。しかしその結果この2国は経済破綻した。
政府がお金をばら撒かなくなるので景気は悪化し、かつ増税によって国民はお金の消費を抑えるようになるため、さらに状況は悪化する。政府は潤い民はボロボロな状態になってしまう。
ではなぜIMFはこんな目標を掲げているのか?
⇨IMFのNo.2は日本人。しかも財務省からの天下り官僚。さらに日本がIMFに世界で2番目に出資している。つまりIMFと日本政府は裏で繋がっているのかも、、、
・欧米諸国との違い
消費税増税の議論においてよく出されるのが『欧米諸国では消費税10~25%は軽減税率やっているから当たり前、日本も税率を上げていくべき』だが、実際のところ欧米と日本では状況が異なる。
というのも日本は現在デフレ(物価が安くなり紙幣の価値が上がる)状態。商品が安いということはその分収益が出ないので従業員の給料は上がらず、買いを控える人が増えそれによりもっと物価が下がる中、消費税を20%にあげるような体力は日本には残っていない。
・有識者とメディア
2013年消費税8%を巡る有識者会議にて出席者60名中44名(約7割)が『増税には効果がある』と賛成した。しかし、そのうちの15名は御用学者(政府や権力者に迎合し都合のいいことを唱える学者)で、さらには民間側であるはずの銀行や証券会社からも御用エコノミストとして賛成していた。
『増税は正しい』という主張を権威づけるため、経済学者やエコノミストを抱き込むのは財務省の常套手段。彼らは政府からお仕事をもらい、いろんな肩書きを与えられ、その上で海外視察や学界の研究発表などの費用を税金から賄ってもらっている中政府に迎合していないと言い切れるか?
そしてメディア。そもそもテレビ放送は免許事業(放送免許を総務省から得て運営)であるし、その放送局の重役たちは政府機関から次々と天下りしている。(読売新聞は過去国税庁の税務調査で痛い目に何度かあったが、元財務事務官が監査役に就いたことで国税庁もやりにくくなったり。)
また軽減税率の中に新聞が入っているが果たして新聞は国民の生活必需品と言えるだろうか?このように優遇を受けている中、政府の方針に異議を唱えるような内容を果たして発することができるのか。
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