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第24弾「山盛りのかりんとう」

銀座も、梅田も、四条も、ありとあらゆる街がイルミネーション一色。
夫婦が、恋人同士が、親子が、いつもより顔を上げて歩いている。
普段なら目立たない、うつむき加減のビジネスマンが際立つのもクリスマスならでは。

毎年この時期に見るテレビの中の光景に、いつもなら辟易するのだが、今年は元気な街が見れて、少しほっとする。

(日常を取り戻すのって大変なんだな…)

何かを悟ったかのように心でつぶやく吾輩。まったく成長が感じられない自分には、今年も辟易する。白い壁にはメリークリスマスのデコレーションが飾ってあり、気が紛れてちょうどいい。食卓の方に目をやると、大きな木皿にかりんとうが山盛りに積んである。晩ご飯前で少し気が引けるが、妻猫、息子猫と食べることにした。

和風クリスマス

何気なく食べ始めたが、思いのほか手が伸びる。カリカリ、ポリポリ。食にリズムがあるなら、100点満点かもしれない。スマホを片手に商品を調べてみると、「国産さつま芋を皮ごと細切りにし、純国産米油でカリッと揚げました。材料はさつま芋、米油、粗糖のみ」とのこと。クリスマスとは全く似つかわしくない素朴なかりんとうだが、おいしいものはいつ食べてもおいしいのだろう。妻猫、息子猫と他愛もない会話をしていたのだが、

「なんで、かりんとうなん?」

テレビの中も、家の中も、クリスマスの空気が漂う中、無視できないほどの違和感。つい口から出てしまった。テレビに目をやっていた妻猫が、わざわざ吾輩の方に向き直す。

「今年は春に、おばあちゃんが亡くなって大変だったでしょ。ケーキでも良かったんだけど、ちょっと控えめにしておこうかなと」

祖母が亡くなり、毎日のように仏壇に手を合わしていた妻猫を横目に見ていた吾輩。日常を取り戻そうと必死だった。見た目は自然体だけど気持ちは全く余裕がなかったのかもしれない。ハッとした。

日常は変わるもの

日常は取り戻すものではなく、変わるもの。たぶん。吾輩は仏壇に手を合わすことを無意識に避けていたのかもしれない。だって、半年前まで日常じゃなかったから。テレビに目をやると、変わらずクリスマス一色。でもコロナ前の日常とは、違うんだろうな。と、また何かを悟ったかのような吾輩。悪癖はしばらく直りそうにない。気づけば、木皿が空に。ご飯前にお腹を満たしてしまった…妻猫の視線が痛いのはご愛嬌で。

また次回にゃ

今回も読んでいただいてありがとうにゃ。商品のことをさらに深く知りたくなったお客さまは、ぜひ商品のホームページなりで調べてみてにゃ。このコーナーはあくまでも猫のつぶやきだから、参考程度にとどめてにゃ。おわり。

p.s. 2021年の投稿は今回でおしまいにゃ。みなさん、楽しいクリスマス & 正月をお過ごしくださいにゃ♪ それでは良いお年を!

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