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輝きに魅せられて(星組観劇記録①)

(注)ネタバレがあります。記憶違いのものがありますが、当時のまま記録したいため、そのままにしています。

先日、宝塚歌劇団星組が公演中の『1789−バスティーユの恋人たち−』を観劇した。実はチケットを取れずにいたのだが、私が宝塚好きだと知っている友人が誘ってくれ、初めての星組公演を観劇することができたのだった。
この公演がチケット難だということは知っていたので、生で見れるのはおそらくこの一回きり。そして私は、今回どうしても見たいジェンヌさんがいた。


瀬央ゆりあ
さんと有沙瞳さんである。


星組が好きな人ならピンときたかもしれないが、そう、この二人は『龍の宮物語の主人公だ。

というのも観劇日前に、衛星放送の「タカラヅカ・スカイ・ステージ(通称スカステ)」にて、運命的にこの作品が放映されていたのだ。そして私は、見事に号泣した。

瀬央ゆりあさん演じる主人公・清彦の汚れのなさ、有沙瞳さん演じる玉姫の過去と葛藤、音楽、世界観… 
その全てが刺さって、あっっっっっっという間に「瀬央さんと有沙瞳ちゃんに会いたい」「星組を見たい」という気持ちに満たされたのだった。

なにより、この公演を最後に、瀬央さんは専科に、有沙瞳ちゃんは退団されると知って…。となれば、この2人を見ないという選択肢は皆無だった。

そこからは早く、『1789』をすでに観劇した方から「ここは見るべき!!」というポイントを聞いたり、「(『1789』のル・サンクをみて)このジェンヌさんは『龍の宮物語』では誰?」と確認したりして、観劇準備を固めていった。

(ちなみに、協力してくださった方は暁千星さんが好き。「階段降り後の挨拶で、顔をあげたときのありちゃん、ぜひ見てきて!!!」とすごい熱量で言われた笑)

劇場へ

念には念を…ということで、開演の45分前に劇場へ。(早すぎかも…?)と思ったけど、お手洗いは並ぶことなく行けたし、2階の食べ物売り場にも寄れたし、お客さんが少ないから気兼ねなく写真を撮れたし、結果的にちょうど良かった。

写真を撮るために数歩横にズレたけど、
こんなに近い…!!
ポスターの充実度

座席は、センターが少し前の人の頭で隠れてしまうが、それ以外は舞台全体がよく見え、かつ1-2扉に近いという良席だった。この1-2扉は、2幕の序盤に行われる客席降りの際、極美慎さん率いる民衆が入場してくる扉!まだ1幕すら始まっていないのにとても楽しみでドキドキした。

開演

初めて礼さんのアナウンスを聞く。いい声〜♡
さて、ここからはお役毎にレポと感想を。

ロナン(礼さん)

・月組のれいこさんとは違った歌い方、歌声。れいこさんは感情が込められた深みのある歌声が印象的だが、礼さんは真っ直ぐな歌声だと思った。声が、身分の高い青年としても人生をひたむきに生きてきた貧しい青年としても、どちらにしろ「感情のおもむくままに生きる」「青年」の役にピッタリな声だと感じた。理性的というより感情的なお役が似合いそう…

・たまたまオペラグラスを構えていた、一幕の終わりの方の銀橋上手側にて。「♪神の〜」とサビが始まるときに左回りでパッと客席に体を向けるのだが、おそらく髪から、一粒の汗が星屑みたいに飛び散った瞬間を目撃した。とても綺麗だった…


オランプ(舞空ちゃん)

・小顔!!!金髪、宮廷の衣装がお似合いである。

・表情がコメディチックですごく豊か。個人的に好きなのはアルトワ伯に捕まってしまったときの「嫌だ…!!!」という表情。もちろん笑顔も好きです。

・頭頂部から金色の短い髪の毛がツンツンしていてかわいかった。カツラでもあほ毛があるのは驚いた。

・ル・サンクで予習した際に「このスタイル好き!!!」となった、囚われのロナンを助けにきたときのオランプ。もっと見たかったけど一瞬でロナンに帽子を飛ばされてしまい… あのメンズライクな服装の舞空ちゃん、いつかまた見たいな〜

王妃さまとオランプの関係も大好きだが、これは次の記事に書くとして。

さてさて。ロナンとオランプの突然のキスシーン!!私は正直「え???」だった。ロナン曰く「俺からのお礼だ」とのことだけど、私がオランプなら、まだ数回しか会っておらず、恋愛感情を抱いて助けたわけではない相手からのキスは「どこがお礼!?」とツッコミたくなってしまう。ロナン自身にとってのお礼(?)ではないのだろうか…


アルトワ伯(瀬央さん)

・アルトワ伯はキャラクター的には怖い/悪い立ち位置の人物だと思うのだが、『龍の宮物語』を見たばかりでその印象がまだ強く残っていたせいか、どことなく可愛さを感じてしまった。例えば、衣装の紐を手から垂らして持っている場面(かわいい)。これだけで可愛さを感じるのは、ギャップのせいもあると思うけど… 野心に溢れていたり色好みだったり(媚薬を使うのは許容できないけど)、「生」を感じる人間臭さがあることも、アルトワ伯に可愛げを感じる理由かなと思った。あと、手先の3人組がユーモラスで可愛いので…。

・マリー・アントワネットのお側にいることが多かった(龍の宮に囚われた私は、これだけで嬉しい)が、彼女が彼の方を向いたときには笑顔だが、向いていないときには聞き耳を立てているような何かを考えているような真顔で、ときおりニヤっと笑うのが痺れた。このような表情の切り替えは短い間に頻繁にあり、アルトワ伯の本性が簡単には掴み取れない感じがした。(序盤の序盤では、「もしかしてアントワネットが好きなのか?」なんて思ったりも。さすがに龍の宮を引きずりすぎである)

・私は瀬央さんの目、眼力の強さが好きなこともあり、顔をあげたまま目だけ伏せているときのアルトワ伯も、逆に野心に満ちた眼光で睨みつけるように客席を見るアルトワ伯も、オペラグラスを構えながらニヤニヤしてしまった。


デムーラン(ありちゃん)、リュシル(詩ちづるちゃん)

月組は観劇したことがあるけれど、どれもありちゃんの組替え後だったので、生でありちゃんを見るのは初めてだったのだが、初めて見た感想は「ありちゃんってこんなにカッコよかったんだ…顔綺麗…歌上手い…カッコいい…(放心)」だった。ダンスは言わずもがな。手足が長く、私的おもしろ振り付けだと思っている「♪誰のために踊らされて〜」もカッコいい。『ブエノスアイレスの風』は配信で見ていたので「カッコいい男役」ありちゃんは知っていたつもりだったが、予想していた以上のカッコよさだ。ありちゃんは、大人のひとだった。

・三部会のときの深緑っぽい衣装、シルクハットじゃない帽子が好き。後ろ姿のときの、帽子で隠れずあらわになった、流れるような金髪がとても綺麗なのでぜひ見てほしい。腰掛けて踵を上げ下げするフリ(伝われ)がとてもカッコいい。

・例のご贔屓がありちゃんの方が「詩ちづるちゃん(リュシル)との空間が甘い、甘すぎる」と熱弁していたので見てみたら、なるほど、それはそれは甘かった。実態を伴う感じとでも言おうか。先日のカフェブレでありちゃんが「史実ではデムーランとリュシルは7年間リュシルの父親に交際を反対されていて、ようやく結婚できた」というようなことを仰っていた。そのくらい長い間お互いのことを愛し合う2人が舞台の上に確かにいた。当たり前のようにお互いを見つめ合い、感情を共有しあう2人。
一番印象に残っているのは、バスティーユ牢獄襲撃の直前に、デムーランとリュシルがペアで踊る場面だ。お互いに革命に参加してきたひとだから、客席を見たとき「覚悟」の目をしていた。それでもやはり心配と愛しさで、リュシルは回る盆の上で、デムーランのことをずっと見ていた。ライトに照らされていなくてもリュシルは姿が見えなくなるまでずっと見ているのだ、と確信させるものがあった。

・もうひとつ好きな瞬間を。どの場面かはわからないのだが、デムーランとリュシルが再会し手を取り合ったとき、デムーランが顔にかかった前髪を首の動きだけで払うちょっとした仕草をしていた。心の準備なんてしていないなか、脚本に無いだろうリアルな仕草が急にきたので、ドキッとしてしまった…!


まだまだ残しておきたいことはあるけれど、すでに3000字を超えているのでとりあえずここまで。アントワネット、ロベスピエール、フェルゼン、好きなシーンやフィナーレ、観劇後のことはこの次の記事で書く予定です。

長い文章をここまで読んでくださりありがとうございました。

それでは。


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