復活します
僕がサボっていた訳ではなく、歳とともに時の流れが早くなったことにより、1年ぶりの執筆となりました。本当に時が経つのは早いです。早め早めの行動ということで、皆さんお盆を過ぎたらクリスマスケーキの予約をされていると思いますが、気づいたらおせちの時期だった!なんてこと、よくありますよね。
フォロワー2名のこの僕が、ブルペンで1年間かけてつくった肩で、どうしようもないくそエッセイをこれからも書いていくので宜しく。
復活します
巷では既に大きな話題となっておりますが、復活しますよね。そう復活といえば勿論、2022年8月27日に約20年ぶりに復活の放送が決まっている「天才クイズ」
説明不要だと思いますが天才クイズとは、小学生がYes/Noで答えられる問題に対して、○×の帽子を被って回答をする、白衣を着た波平風の博士がトレードマークの東海地方伝説のクイズ番組のことだ。
天才とは?
僕はこの番組の、○×クイズに数問正解すると天才の称号を与えられる世界観が大好きなのである。もしかしたら、「○×クイズに正解しただけで天才なわけないがや~」との意見があるかもしれませんが、そんなことはありません。正解した彼・彼女らは間違いなく天才なのです。
知性を追求したショーペンハウアーは天才を
「物事の総体と本質を研究した者」
と定義しています。
平たく言うと世の中の全てを完璧に知っている者、知ろうとした者、ということになり、矛盾したことを言っていますが、そんな全知全能な人(天才)はいません。
全知全能な人などいないことは明白なので、一般的に天才とは「特定の分野・世界で秀でている人」を指しているはず。
例えばイチロー氏は18.44 ㍍離れたとこから放れる球を棒で打ち返す能力に秀でており、その世界では天才と呼ばれている。その世界はたまたま共有する対象が広めなだけで、あなたと私の二人の世界で、めちゃくちゃ均等に肉に塩をふることができたら天才としよう、とすれば、できたあなたは天才なのです。
と、これは極端ですが、要するに天才は構造の中で付与される称号なのであり、出演キッズたちは天才クイズという構造のなかにいることを認識する機会があるのです。
全問正解したキッズは、天才クイズという構造/世界のなかで天才という栄誉を勝ち取ったこと、
不正解で惜しくも涙をのんだキッズは、その世界から一歩出れば、他の世界があること、社会構造とは対照的な、道徳的価値観が広がる個人史があることに遅かれ早かれ気づくのであろう。
なんという番組。
令和版天才クイズ
大切なことを教えてくれるこの番組は素晴らしいのだが、令和に復活するということであれば早急にアップデートが必要な点がある。
問題となる箇所はテーマソングである
「天才クイズだどんとこい、帽子の~下から~友達見たら~ み~んな赤い帽子かぶってた、安心安心一安心」
のところだ。
安心、安心、、ではない。みんなと同じであることは嘆き、苦しむべきことではないか。帽子の色だけでなく、被り方まで周囲と一致させるような均質化された集合体ほど愚かなものはない。その固く閉ざされた心に思想はなく、野蛮で暴力的であることは歴史が証明している。
僕自身、小学生の頃そのような集合体による悲惨な渦の中にいたことがある。
ただ、決まった正解に皆が向かっていく昭和・平成初期当時の風潮もあり、仕方ないところもある。
令和放送となる今回、どのような仕上がりで復活するのか非常に楽しみですね。
そして何より、僕らは新しい天才の出現を目の当たりにすることができるのだろうか。期待しましょう。