1.作品紹介
2019年製作/ベトナム/作品時間70分
監督:ジョー・ピスカテラ
*6,549ワード、字幕数546、テロップ数64、計610枚。作業日数4日間
2.作品の構成
マイ・コイへのインタビューと音楽活動、民主化運動の映像を中心に、彼女の家族、ベトナム在住のジャーナリストや文化評論家といった人たち、他の活動家たちへのインタビューで構成されている。
マイ・コイの夫やジャーナリスト、評論家などは外国人で英語を話している。マイ・コイをはじめ、民主化活動家たちも独特の発音ではあるが、平易で分かりやすい英語を話す。彼女の両親や地元の人たちはベトナム語で話している。
3.Key words and phrases
fizzle = 勢いがなくなる、徐々に消える
context = 事情、背景
norm = 規範、基準
ban = 禁止する
political party = 政党
The National Assembly = 国会
corrupt = (形) 堕落した、腐敗した *動詞も同型、名詞は corruption
resonate with = ~に共鳴する、響く
candidate = 立候補者
campaign = 選挙戦
piss off = 人を怒らせる
well oiled = 円滑な、順調な *best oiled はその最上級
rogue = 面倒を起こす、不穏な
gig = 演奏会、コンサート、一時的な仕事
4.英文と日本語訳
Day 1(マイ・コイの生い立ち)by Mai Khoi
Day 2(マイ・コイの生き方)by 夫ベン
Day 3(選挙に立候補したマイ・コイ)by 文化評論家
Day 4(オバマ氏と会談したマイ・コイ)by ジャーナリスト
Day 5(反逆者たちへの報復)by 活動家たち
Day 6(家族との確執)by バンドのサックス奏者
Day 7(アルバムのその後)テロップより
5.まとめ「言論の自由がないベトナム」
ベトナムといえば、長く続いたベトナム戦争が思い出される。米ソの代理戦争でもあったが、最終的にソ連が支援した北ベトナムが勝利し、ベトナムは社会主義国家となった。その後は、枯葉剤散布の影響で体がくっついて生まれたベトちゃん、ドクちゃんが戦争の犠牲者としてマスコミに大きく取り上げられた以外は、ベトナムについて多くは語られてこなかった。有名な独裁者がいるわけでもなく、あまり知られないままに政府の言論統制は行われていた。民主化を求めるブロガーや活動家たちが拘束される中、マイ・コイはそれでも自由を求めて行動すること、歌うことを止めなかった。彼女が若者たちに与えた影響は大きかったが、どこでも民主化運動はなかなか進んでいかない。今、彼女はニューヨークにいるという。いずれはベトナムに帰りたいというが、帰れば拘束されるだろう。彼女が祖国に戻って自由に歌える日は来るのだろうか。
出典:アジアンドキュメンタリーズ
『マイ・コイと反逆者たち』 "Mai Khoi & The Dissidents"
単品視聴(495円)、月額見放題(990円/月)
参考記事:「検閲はいや」政治に声上げ続け、歌う自由を失った「ベトナムのレディー・ガガ」:朝日新聞GLOBE+
字幕翻訳者:浦田貴美枝
Blog:アラカンからのチャレンジ (ameblo.jp)
著書:『夢を叶える字幕翻訳者の翻訳ノート』https://x.gd/ySA4m
Copyright@2024 Kimie Urata note