見出し画像

サクランボの実が真っ赤になる頃!!

  私の家の庭には、サクランボの木が一本あります。毎年2月の終わりから3月初めには、白い花が咲き乱れ、満開の花が風に吹かれ花びらが散る様子はまるで雪が降るようです。

 そして4月下旬には、少しその実が赤くなってきます。大型連休の頃になると、真っ赤に実が色づきます。それがまた大げさでなく実の付き方が半端ではない。鈴なりという言葉がぴったりです。ことに今年の実の付きようは驚くばかりです。

網掛けで取りの被害を防ぐ!


 私はその実を見ると、ついつい手を伸ばしてしまいます。甘酸っぱくてジューシーなサクランボは、私たちの子供のころには、そうそう簡単に食べることが出来なかった頃の思い出につながります。

赤くぷっくりとしてきたサクランボ

 現代の子供には考えられないような食糧事情でしたから、おやつはお金で買うものではなく山や野原にある木の実などを自分自身で取ってきて食べるものでした。サクランボでも今のような赤い綺麗な実ではなく、ソメイヨシノなどの花が終わった後に濃い紫色のかたくて小さな実でした。

 食べると口の中や周りが紫色になります。また、今のように美味しくありません。酸っぱいことしか記憶にありません。それでも私たちには、いいおやつだったのです。戦後間もなくの生まれ、いわゆる団塊の世代と言われる私たちの幼少期は、本当に貧しかった。ほとんどの子供たちは、おやつ代を貰えるような経済状態ではなかった。

 今、目の前にたわわに実るサクランボの木を見ながらいい時代になったと思う。少なくとも私たちの周りには「飢える」というような状態の人は少ない。そんな昔の貧しさを思い出すなんて・・・。

 今日のように天気が良い日は、太陽がさんさんと降り注ぎみるみるという表現が合うほどのスピードで真っ赤に色づいていくサクランボ。

 学校から帰る小学生たちの声がしてきた。「うわつ」「多いなあ!」「鈴なりやで!」「おいしそうやな!」と賑やかである。でも、私は、子供たちには声を掛けない「食べてみる?」と口に出そうになる・・・・・・。が、最近の子供たちには、うかつに声をかけてはいけないのです。大人たちがそのように躾ているから・・・・。
と言っても物騒なことが、少なくない頻度で子供の身に起きることも事実なのです。

 私はその声を聞きつつサクランボの木の下で、一粒ひとつぶとサクランボを取って口にポイといれてモグモグさせながら本を読んだり、音楽を聞いたりしています。時々、小鳥が遊びに来てくれます。

真っ赤になったサクランボ

 私にとって、この爽やかな季節にサクランボの木の下は、ゆったりとした穏やかな時間を過ごせる場所です。

のんびり本を読む

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?