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日記:寒さとセンチメンタル

Note
最近は絵よりも文章が書ける。  
最近のSNSの嫌なところ:一年前の今日を勝手に遡って、写真やら動画やらを見せてくるところ

久々に彼のことを思い出した。この1ヶ月半、特に気にすることもなく、その人について思い悩むことすらももうなくて、友人との間で話に上がったら「ああそんなこともあったな」と思い出すくらいだった。けれど、今日はちょっと違った。
ありきたりなアプリのありきたりな機能が言うに、一年前の今日、彼は私に詩を贈ったらしかった。ご丁寧に写真まで見せてくれた。
恋人についての詩を書いて、それをプレゼントしちゃうなんて大分キザだし、微笑ましい思い出。でも今日はどうしてもセンチメンタルになってしまって、半分も読まないうちにアプリを閉じた。

どこかすごくドライな自分と、過去を怖がっている自分が対立している。「今思えば、一つのことが終わっただけで、季節が変わるのと同じことだし、それってどうってことないのよ」って言っている自分と、"もう完結されてしまった関係性を持つ自分を恐れている"自分。私はこれから、この詩をもらった時ほど人に愛されることってあるのかしら、なんて思う。ないかもしれないし、あるかもしれない。こんなこと数時間前にはどうだってよかったのに、今胸がきゅうっとしているのは、たぶん寒さのせい。

今年も末端冷え性が絶好調で、自分の手足に本当に血が通っているのかを疑っている。まだ10月なのに手が冷たすぎて、文字を打つのにも指がうまく動いてくれない。今年の目標は手袋を手に入れること。皮のやつとか欲しいな、真っ黒のやつ。

自分の中でThe Cureが再熱している。音がかっこよくて、惨めな気持ちになれるから。
この文章を書いている今、部屋のテレビからはiPhoneと電波とYouTubeを通して"The Same Deep Water As You"が流れているところ。

"Pushing out before I sleep
It's lower now and slower now
The strangest twist upon your lips
But I don't see and I don't feel
But tightly hold up silently
My hands before my fading eyes
And in my eyes, your smile
The very last thing before I go"

ほらね、ちょっと惨めな気持ちになったでしょ。

冬のセンチメンタルは、夏のメランコリーとは違って、少し鋭くて、ちくちく胸が痛い感じ。それは冷気に肌が晒されて、冷たい水の中にいるみたいな感覚と合わさって、ロバート・スミスの声を引き立てる。これから長い冬が来る。たぶん私は去年と同じマフラーを巻いて、色々なことを思い出しながら春を待つのだろう。

2022/10/25

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