爺爺の減った今こそ語ろう、オートシンクの現状批評と未来への展望
今から10年ほど前でしょうか。「オートシンクはチート」という言葉をネットの片隅で見かけて、椅子から転げ落ちた記憶があります。
その後、定期的にTwitterなどで「BPMぐらい自分で合わせようぜ」や「SYNCボタンが光ってるとダサってなる」といった、オートシンクに否定的な意見が散見され、また実際に「死んでもSYNCボタンは押さない」と公言しているDJを見かけて当時の私は非常に驚きました。
私が愛用しているTRAKTORというPCDJソフトが世に登場したのは、さかのぼること2000年です。当時のソフト画面を見てみると真ん中に「SYNC」の四文字を見つけることができます。
PCDJソフトは既存のDJ機材の常識を覆す様々な便利機能に満ちあふれていました。その代表格ともいえるものがBPMを自動で合わせてくれるオートシンクです。
そんな画期的なソフトが世に出てからすでに10年以上も経っているのに、なぜ未だにオートシンクを否定する人がたくさんいるのか不思議でなりませんでした。
もしかすると、ちょうどその頃(2013年)に発売されたCDJに初めてオートシンク機能が加わったようなので、当時オートシンク否定爺爺が目立ったのはそういうタイミングだったのかもしれません(CDJはDJソフトより10年も遅れていたのですね)。
そんなある日、「死んでもSYNCボタンは押さない」爺爺のDJプレイを間近で見られる機会が巡ってきたのです。
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