革命機ヴァルヴレイヴ 感想と軽い考察~1~
革命機ヴァルヴレイヴを全話見終えたから、新鮮な感想を忘れないうちに残すため、この記事を書くことにした。その1では、観ていて感じた疑問について述べようと思う。思いつくままに書いているから、どうにもまとまらない文章になると思われるが、悪しからず。
まず誤解のないように言っておくが、私はこのアニメが大好きである。エルエルフは美しいし、アードライは可愛いし、ハルトは聖人だし、嫌いになるわけがない。なれるわけがない。私は、ストーリーがどんなでも好きキャラさえいれば大抵のアニメは完走できるタイプだ。
これから一見否定的に見える言葉を使用するが、これは決して愛のない、無理解故に放たれるものとは違う。ニワカなりの愛を込めた言葉だ。と言うかこの愛を正確に伝えるためには、そういうことも含めて言わざるを得ないのだ。駄目なところも含めて、この作品の全てを愛していると、まあ、そういうことだ。その辺りは、どうか誤解のなきよう。
もし、そうと分かっていても少しでもヴヴヴに対して否定的な言葉が吐かれることが許せない、という方はここでブラウザバックすることをお勧めする。
さて、前置きが長くなってしまったが、いい加減ここいらで本題に入ることとしよう。まずは、全体の感想からだ。
一言で言うと、「男子(主に銀髪コンビ)が美しいからオールオッケー。」である。この二人とはお察しの通り、エルエルフとアードライのことだ。大体、銀髪又は白髪のキャラクターは格好いいことが多い(例:『ヴァンパイア騎士』より錐生零・錐生一縷、『BLEACH』より市丸ギン・日番谷冬獅郎)が、この二人もその例に漏れない。というか全体的にキャラデザが好みすぎる。
勿論、他のキャラクターも大好きだ。愛着が持てるキャラは多い。そのことについては、この後の記事で詳しく述べたい、もとい語りたいと思う。
物語としても、意外に(失礼)楽しめた。物語に完全に入り込んだ頃に容赦なくバタバタと主要キャラが死んでいく怒涛のラスト数話には、割とガチで泣きそうになった。正直、クソアニメだと聞くしストーリー的には大したことはないのだろう、と高を括っていたこともあり、私の心はコテンパンに打ちのめされる羽目となった。くそう、こんなはずでは……でもちょっと嬉しい。
そんな大好きな推せるキャラクターが沢山出てきてまあまあストーリーも楽しめるこのアニメだが、残念なところがある。それはずばり、物語だ。え、お前さっきストーリー楽しめるって言ったじゃん、というそこのあなた。その通りです、楽しめますよ? 事実私は滅茶苦茶楽しみました。ただしそれは物語にのめり込めるようになってからの話。その状態になるまでは、時々、いや頻繁に、物語に疑問を持つことがあると思われる。
私が実際に疑問に思った点を、いくつか挙げよう。
一つ目は、学生がヴァルヴレイヴやその施設をかなり序盤で使いこなしていることだ。一応、咲森学園の生徒たちはヴァルヴレイヴ用に調整された存在とはいえ、『蒼穹のファフナー』でいう「催眠学習」が行われているわけでもなさそうであったし、このことは私の目には不自然に映った。霊屋ユウスケのような天才もいるにはいるが、彼一人が他の生徒にシステムの使い方を理解させたというのは考えにくい。こういうご都合主義は
まあ、仕方ないとは思いますけども。催眠学習までさせちゃうと、完全にファフナーのパクリみたいになっちゃうしね。
二つ目は、野火マリエの額をエルエルフが撃ち抜く場面だ。この場面に至るまでのエルエルフの言動から、彼はどんなに残酷で非情な選択がもたらされているとしても、彼にとってそれが最も合理的であるのならば、迷わずその行動をとるという性格であることはよく分かる。そんな彼が、あんなに簡単に、ただ邪魔だからという理由で総務大臣を撃ち殺すだろうか。
確かに、あの時は重要な作戦の実行中で、ハルトの出撃を必要とする場面だったかもしれない。だが、ハルトとマリエの話を中断させてハルトを出撃させる、ただそれだけのためにマリエを撃ち殺す必要はなかったのではないか。合理的な彼ならば、あの時彼女を殺すという選択肢を、決して選ぶことはなかったであろう。マリエはテストパイロットだったとはいえ、恐らく何の軍事訓練も受けていない、記憶喪失の女子高生だ。そんな者は、カルルスタイン機関で訓練を受けたエルエルフの敵ではない。エルエルフさえその気になれば、2秒で彼女を制圧することが可能だろう。それをしなかったのは何故か。
導き出される結論は、番組制作者の都合だ。つまり、マリエの過去を暴くためのきっかけをここで無理矢理作ったわけだ。それ以外に考えられないだろう。だったらどうすればよかったのか? そんなことは知りましぇん。
三つ目は、ハルト達の不死の性質を知った指南ショーコが、ハルト達神憑きに対する態度を突然変えたところだ。これまで仲間を、特にハルトを信じ続け、どんな困難にも前向きな気持ちで立ち向かってきた彼女がこのようなに出ることは、少々考えづらいのではないか、と私は思う。他の生徒は別だ。ほとんどの生徒は、自分自身は何らかの形で戦いに参加することさえせず、ただ少数の兵士と整備班に戦いを任せ、勝手に彼らを「神格化」していた。彼らは基本、他力本願なのだ。内情を何も理解せず、しようともせず、周りの情報に流されていた。そのような彼らが、マギウスのことを知って神憑き達を恐れないわけがない。
しかし彼女は違う。ハルトの幼馴染で、強い信頼を置き、さらに恋心まで抱いていた彼女は、本来あの場面でもハルトのことを信じられるはずなのだ。彼女は芯の強い人間だ。一度こうだと決めたらその方針を簡単に曲げることはない。確かに、その場面の直前では色々と大変な事件が続いていたため、彼女の精神が疲弊していたことも考えられるし、実際そうだろうとは思う。しかし、大変なことはそれまでにも沢山起きた。父の死や友人の死、総理大臣としての責任などだ。だというのに、今更ポキンと折れてしまうとは考えにくい。ハルトが化け物と知って気味悪がる、嘘つきと言って全てを否定する、そんなことは普通ないだろう。話し合おうともせずに突き放すなど、あり得るだろうか。
彼女の事実を知った後の行動には、合点がいく。総理大臣という立場が、彼女を縛っていたが故の行動だろう。しかしその前の行動には、私個人としてはどうにも納得しかねる。もしかしたら、願望が入っているかもしれないが。
他にもあった気はするのだが、観ているうちに忘れてしまった。今も、Wikipediaであらすじを見ながら、思い出したことについて書いている始末だ。あまりこまごまとしたことをこれ以上あげつらってもどうにもならないだろうし、これぐらいでやめておこう。まあ、私はそういった細事をいちいち問題にすることが大好きなので、今この記事を書くのを非常に楽しんでいるのだが。
ここまでかなり否定的なことを言ってきたわけだが、冒頭で言ったように、私はこのアニメが大好きだ。ここまで述べたのは、飽くまで細かいことを気にするならば、という前提を置いたうえでの指摘だ。実際に観ている時はあまり気にしていなかった。そして、観終わった今でも正直、あまり問題にすべきではないと考えている。問題にしたら終わりというか。このアニメはあまり難しいことを考えずに観た方が楽しめると思う。
それでも今回細かい点に触れたのは、記憶が新しいうちに思ったことを書き留めておきたいと考えたからだ。
次回は楽しめた点について書き、筆者の気力があればその後さらに主要キャラひとりひとりについての感想や考察も書いていこうと思う。