医・食・農(9)
画像:夏林人
晩春から初夏へと季節は移ろい、自然界には旬のモノが姿を現わす。
四季の変化が堪能できる国「日本」に生まれて良かったと思います。
今回は今の季節に相応しい旬の食材「タケノコ」を特集します。
幼年時代、親戚が集まった席などで、よく耳にした会話があります。
煮物を食べながら「タケノコなんて栄養は何も無いんだべ~」………と。
大人になって農学の分野に関わるようになり、どのような食材にも
それなりの成分が含まれていることを知りました。
タケノコの成分
タンパク質……… 筋肉の構成要素
葉酸……… DNAの合成促進 造血補助
カリウム……… 塩分排出作用 心筋作動正常化
不溶性食物繊維……… 大腸蠕動促進 便秘解消
上記だけでも、それなりに健康増進につながる潜在力を評価できますが、
じつはもうひとつ極めて重要な成分を含んでいるのです。
それはアミノ酸の一種、チロシンです。
チロシン……… 神経伝達物質ドーパミンの合成素材
水煮タケノコに白い成分が付着している様子、皆様、御存知ですか?
それがつまりチロシンなのです。チロシンを素材にドーパミンが合成され、
ドーパミンは神経伝達物質として脳内に作用し、「意欲・達成感」などの
重要な精神作用を成り立たせています。
チロシンそのものはヨーグルトやチーズなどにも充分含まれていますが、
タケノコに含まれているところが面白く、植物食材の神秘を感じます。
ただし、注意点があります。タケノコを多量に摂取すると、シュウ酸の
作用もあり結石の原因になり得るので、適量をお召し上がりください。
皆様、旬の食材を楽しみましょう。✨(^^)✨