Arcade1Upをコネクティッドにする計画 その3

さくらインターネット研究所にやってきたArcade1Up(ギャラクシアン/ギャラガ)を改造して、FIREボタンの状態検知、光るサービスマンコールボタンの増設、まで書きました。(Arcade1Upをコネクティッドにする計画 その2

今回は電源のリモートon/offです。電源のリモートon/offは、筐体を会社受付に置く想定なわけですが、受付が閉まっている夜中に電源が入りっぱなしにならないように、朝on、夜offを自動でするためにぜひとも必要な機能です。

筐体の操作パネルには電源スイッチがついています。このスイッチに対して直列になるようにリモート操作可能なスイッチを接続すればいいはずだという目算で、まずスイッチにテスターを当ててみたところ、スイッチには12Vが直接来ていることがわかりました。FIREボタンなどと同様に3.3Vで接続状態を検出しているのではないかという淡い期待があったのですがそうではありませんでした。というのも、12Vの制御はラズパイでは少々面倒だからです。
繰り返しになりますが、ラズパイは3.3V系なので、それ以外の電圧を扱うのは苦手です。また扱える電流にも制限があります(たくさん電流を流すと壊れます)。なのでこういう時にはリレーを使わなければなりません。ところがリレーを駆動するのにもその駆動電流が足りないのです。なのでリレーを駆動させるための電流を得るためにトランジスタを用いてスイッチする、というような二段構えの作戦になってしまいます。

そこで今回はSSR(ソリッドステート・リレー=無接点リレー)を使うことにしました。具体的に使ったのはこちら。

SSRであれば3.3Vの信号線入力で大きな電流を制御できるのでまさにうってつけです。注意事項としては、SSRは発熱に気を付けなければなりません(リレーでもそうですが、どれくらいの電流を制御するのかに注意が必要です。)。Arcade1Upは付属のACアダプタの出力が60Wなので、このキット(20A=200Wまで)で全然問題ないようです。

ということで先日秋葉原でこのキットを買ってきてまして、はんだ付けして回路を組み立て。基本的なはんだ付けスキルがあれば全然難しくありません。Arcade1Upの筐体の電源スイッチのコネクタを外し、直列つなぎになるようにこのSSRの被制御側に配線します。制御側(入力側)をラズパイのGPIOの適当なところにつないで...。
ソフトウェアからスイッチON! で見事Arcade1Upの電源を制御できました。
ブラウザ画面から電源on/offできるとなにやら愉快な気分です。SSRは初めて使ったのですが簡単に使えるし、安くていいですね。

ただ一つだけ問題があって、SSRの制御側をON(HIGH)にしておかないと被制御側(Arcade1Up側)の電源がつながりません。なので、Arcade1Upを通電状態にしたいときはラズパイも常時ONにしておかなければならないのです。これが(SSRでなく)リレーであれば、b接点のものを使えば制御側電源off時に接続状態にしておけるのでいいのですが...。まあ今回の想定では最初からラズパイの電源は常時on想定なので実質的には問題ないです。

さて。ということで、とりあえずFIREボタン状態検知、サービスマンコールボタン(光フィードバック付き)、リモート電源on/offの各要素の機能確認ができました。あと、制御コードをもう少し直して、回路を筐体内にしっかり設置すれば完成です。完成版の制御コードと回路図は現在作業中、近日公開予定です。ご期待ください。

(今回はちょっと忙しくて写真・動画なしです。後日追記しようと思います。)

P.S. Arcade1Up公式さんが、研究所ブログの当該記事をリツイートしてコメントしてくれました。 IoT化した記事も研究所ブログに書いて、それも公式に取り上げてもらおう!

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