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エマヌエル・ロイツェ / メトロポリタン美術館
労働市場と組織
働き方改革のもとで、労働市場の流動性が熱く語られている。労働移動が起こると、みんなハッピーになる、といっている。企業にとっても必要なときに必要な人を雇用できるので、非常に効率的だという。
しかし、市場と組織はやはり違うと思う。ナポレオンの軍隊がなぜ強かったのか。当時、ほとんどの国の軍隊は傭兵だったのに対して、ナポレオンの軍隊は国民軍だったのである。つまり、労働市場 vs 組織だったのである。
傭兵はお金で雇われているので、割に合わないと戦場で逃げる。そこで、逃げないように肩を寄せ合って一列で突撃する。すると、大砲でやられやすくなる。だから、弱い。
ところが、ナポレオンの国民軍は、逃げないので、戦場で状況に応じて小さい単位に分かれたり、再び統合して大組織になったりして、機動的に動けたのである。
いま起こっているウクライナとロシアの戦いをみていると、ふとこんなことを思った。