筋肥大を最大化する最適な可動域の使い方とは?
キクティーです!
今回はAthleteBodyの八百さんにゲスト記事を書いていただきました!
AthleteBodyさんは言わずと知れた、ボディメイクやトレーニングに関して本質的な内容を載せてフィットネス情報サイトです。
キクティーも元々筋トレリテラシーが低かったのですが、AthleteBodyさんのサイトや「スターティングストレングス」「肉体改造のピラミッド」などの翻訳書で勉強させていただきました!
八百さんの翻訳力によりかなり読みやすくなってます!
ボディメイクにおいて大切な基礎知識を深く解説されおられるので、トレーニーは一人一冊持っておくべき書籍と思います!
今回は「可動域と筋肥大」というトレーニーが絶対頭に入れておくべきテーマについて、エビデンスベースで書いていただいたので
ぜひ最後までお読みください!
では行ってらっしゃい!
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トレーニングを行う際には「可動域をできるだけ大きく使うのが大切だ」とよく言われます。スクワットであればフルスクワットが良いし、ベンチプレスではバーベルを胸まで下ろすのが良いという話です。
しかし、最近の研究では「可動域のボトム部分で筋肉が伸びた状態で負荷をかけると筋肥大効果が高まった」という結果が報告されるようになりました。
今日の記事では可動域の使い方に目を向けてみたいと思います。筋肉が伸びた状態で負荷をかけるとはどういうことか、筋肥大効果を高めるにはどうすれば良いのか、最近の研究を紹介しながら考えてみたいと思います。
自己紹介が遅れました。アナトミーカレッジにゲスト投稿の機会をいただきました八百健吾と申します。
普段はAthleteBodyというフィットネス情報サイトを運営していて、筋トレに関わる記事を書いたり翻訳本を作ったりしています。
この記事の読者さんには、もしかしたら「スターティングストレングス」とか「肉体改造のピラミッド」とか、本の名前に馴染みのある方もいるかもしれません。(読んでくださった方はありがとうございます!)
今日の記事の内容は、肉体改造のピラミッドに取り上げなかった話です。
新しい知見が徐々に集まっていて、おもしろいトピックなのですが、本の制作時にはまだ明確に答えが出せなかったのでした。「トレーニング編」を改訂するときが来ればおそらく盛り込むことになると思います。今日の記事は、その途中経過として楽しんでもらえると嬉しいです。
では、可動域の話に戻りましょう。筋力トレーニングに長く関わってきた指導者やベテラントレーニーの人たちは、経験則から「まずはフルレンジやろうぜ」とアドバイスされる場面が多くあるように思います。
スポーツ科学の世界でも、可動域を大きく使うことの有効性を示す研究があります。
過去の研究
可動域の使い方による筋肥大効果の違いを調べた研究から代表的な例をひとつ紹介します。[1]
この研究では、浅いスクワットよりも深いスクワットの方が脚の筋肥大効果が大きくなりました。こういう研究は複数あって、以前にAthleteBodyで記事にまとめたことがあります。
ただ、こういう研究の結果ですべて答えが出たと言えないのではないかというのが今回のテーマです。
上に紹介した図1の研究では、浅いスクワットと深いスクワットが比較されました。浅いスクワットでは、ヒザを0°〜60°の範囲でしか動かさなかったのに対して、深いスクワットは0°〜120°の範囲でヒザを曲げたそうです。
浅いスクワットは可動域の上半分だけを使ったという感じです。
そして、こういう調べ方で答えを出せていない疑問があります。「可動域の下半分(60°〜120°)だけを使った場合はどうなんだ?」ということです。
たしかに可動域の一部に限定してトレーニングをする場合、可動域のどの部分を使うかにはいろんな選択肢があります。
動作の上半分と下半分を比べると筋肉の働き方に違いがあって、効果に違いが出る可能性が十分あります。可動域全体を使うとどちらも含まれますが、ここにも独自の効果があるかもしれません。
こういった可能性に答えをつける研究が進んでいて、少しずつ新しい知見が集まりつつあるというのが現在の状況です。
ここからは最近のおもしろい研究をいくつか紹介したいと思います。
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