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【エッセイ】馬鹿正直は馬鹿である(800)

タイトルは学生時分に手にした面接ノウハウ本の一節を拝借した。

これは志望動機はどうすれば良いか?という章に書かれていたことだ。嘘をつく必要はないが、相手がギョッとするような本音を晒す必要はないとのことを端的に表現している金言だ。

最近はこんな簡単なこともわからないような本当の馬鹿が実にたくさん湧いているらしい。

ネットニュースで会社の飲み会には残業代が出るのかと聞く新入社員がいるってのが話題になっていた。

歯に衣着せぬ物言いの自論で人気の炎上商法の連中の影響だろうか。奴らは炎上商法だから成り立っている、つまりパフォーマンスである。そんな簡単なことをなぜ見抜けないのだろう。連中は恥をかこうが、馬鹿にされようが、疎まれようが、どんな形でも注目を集めて金さえ稼げたらそれでいいのだ。実にくだらない価値のないことをしている。

私も会社の飲み会など行きたくもない。しかし、その飲み会で業務中には決して生まれないコミュニケーションができるから行くし、たとえ行きたくなくても主催者にわざわざ行きたくないです、給料出ないのでと本音を言ったりはしない。相手の気分を害するし、馬鹿な奴だと思われたくないからだ。

本当に苦痛で行きたくないのであれば「用事があるから行けません」とか「猫に餌をやらないといけません」とか上手に罪のない嘘をつけばいい。十戒で諌められている嘘とは自分のことだけを考えた自分を守るためだけの嘘や他者を貶める嘘などである。かわいい嘘は含まれない。おじいちゃんが何度も死んだことにして何度も殺すのはどうかとは思うけれど(笑)

「飲み会に残業代を出してくださいよ!」

そんなことを言う馬鹿に腹を立てるのは時間の無駄だし、もう22歳とかのいい年でそんなこと言う時点で更生の余地はない。誰からも相手にされない淋しくてクソみたいな人生を送ればいい。諭す必要も、ない。時間の無駄である。馬鹿につける薬などないのだから。

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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