【エッセイ】高校生の時教師を黙らせた話(1800)
昨日の相互フォロワーlionさんのステキな記事を読んでいて、高校時代に現代文の教師を授業中に黙らせた経験を思い出したので投稿しようと思う。
最近は話題を相互フォロワーさんたちの投稿記事に頼っている。そしてノスタルジー投稿多め。歳取ったかな。
話は中学生時代に遡る。
中学1年生の時、ブラスバンド部か美術部かどちらかに入部したかったのに勉強時間が確保できないとかいう親父のふざけた理由で反対されたため帰宅部だった私。しかし、月曜日の放課後は至福のひとときだった。
それは下校途中に週刊少年ジャンプとカルビーポテトチップス・のりしお味とキリンレモンを購入し、自室に篭っておやつを食べながら漫画を読むことだった。
1993年の週刊少年ジャンプは超黄金時代だった。
私が楽しみにしていた連載は好きだった順に「幽☆遊☆白書」冨樫義博先生「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦先生「るろうに剣心」和月伸宏先生「D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」桂正和先生「BØY」梅澤春人先生「DRAGON BALL」鳥山明先生「ろくでなしBLUES」森田まさのり先生「ボンボン坂高校演劇部」高橋ゆたか先生だった。
ちなみに「SLAM DUNK」は全く面白いと思わず読んだことがない(あのバスケ漫画は超スーパー人気だからなー。アンチ来そう^_^)。
さて、その中で「我が人生」に一番の影響を与えたのは「D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」である。
あらすじは人口が大爆発した未来からタイムマシンでやってきた少女エージェントが100人の女性と子をもうけたメガプレイボーイになる予定の少年のDNAを変化させて凡人に変え、未来の人口爆発を少しでも軽減しようっていうSFエロティックコメディバトル漫画という思春期の少年の願望を全て詰め込んだようなガチャガチャした作品である。
後述の事情があって連載を当時最後まで追えず、大人になってから結末を読んだがなかなかシュールな終わり方だった。
アニメ化もされている。たった5巻完結だがいろいろと考えさせられる内容にはなっている。
ちなみにアニメ主題歌はシャ乱Qの名曲「シングルベッド」である。
「電影少女」で有名な桂先生の隠れた名作である。ちなみに「電影少女」も絵は綺麗だなって思っていたが読んだことはない。
なぜその作品が私に大きな影響を与えたのか?それはDNAの存在を知ったきっかけがその漫画だったからだ。
DNAを知った時、我々の身体の元はそんな小さなものの単純な配列でできているのか!と震えるくらい感動したのを覚えている。DNAの研究がしたい。そう思って中学高校時代は理科、特に生物学に熱中していた。結果、大学でも分子生物学を専攻することになる。
中学2年生からは親父と和解してブラスバンド部に入ることが許された。それから部活の忙しさでジャンプの購読は辞めた。そして高校生になった。
高校1年生の時、背伸びをして全く理解できなかったが父の本棚から引っ張り出して、現代生物学の礎なる古典のチャールズ・ダーウィン著「種の起源」を読んでいた。
ある日、現代文の授業は教科書に載っていたダーウィンに関する文章を読む授業だった。担当教師は新卒の若い女の子だった。生徒たちに舐められちゃいけないと思って一生懸命頑張っていたが授業は新人だから仕方ない部分もあるがセンスがなく、根本的につまらなかった。
その先生に「ダーウィンの代表作は何ですか?菊地君」と指名された。たまたま「種の起源」を読んでいたから(読んでいなくても生物ヲタクだったから種の起源くらいは中学生の時から知っていた)「種の起源」と淀みなく即答した。彼女は狼狽えはじめた。どうやら自分が想定していた解答とは異なったらしい。「違います」と言ったが私のあまりに自信に満ちた表情におそれをなしたのか「調べてきます」と言ってその授業はそのまま終わった。
次の授業で「ダーウィンの著書は菊地君の言っていた通り種の起源でした」と教師は発表した。何人かのクラスメイトたちが「おー」っと言って羨望の眼差しを向けてくれた。自分では常識だったのでなんだか照れ臭かった。
先生は多分悔しかっただろうからこの出来事を憶えているに違いない。もしまた会えたら「あの時のこと、憶えてますか」って訊いてみよう。
ま、同窓会には絶対行かないから、再び相見える日は永遠に来ないだろう。
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