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私の嫌いなもの【エッセイ】五〇〇字

サウンド・オブ・ミュージック劇中の名曲に“My favorite things”がある。おっさんの嫌いなものを列記しても誰も興味がないだろうが敢えて記そう。

電車通勤はストレスにまみれた営みである。嫌いだ。

まず、ニオイ。特に、チャラチャラした若い男の無意味に甘いバニラ臭い香水には辟易する。鼻をもぎ取りたくなるほどの悪臭である。浮浪者の酸っぱい匂いも嫌だが、どちらかと言うと香水の匂いの方が嫌だ。

対処法はふたつ。空いていれば車両を変える。混んでいればマスクをする。

次に接触刺激が不快だ。特におっさんはマジでぶつからなくていいのにぶつかってきやがる。

バズってるツイートが嫌いだ。たいていクソしょうもない。何をそんなに盛り上がっておるのか謎だ。バズってるだけでそのアカウントはブロックする。

日本式コミュニケーションが嫌いだ。何を言っているのかさっぱりわからない。それをある程度使いこなしている自分も嫌いだ。

「それは厳しいですね」

厳しいとは100%無理という意味だと知るのに何年かかっただろう。他にもいっぱいある。思い出すだけでイライラする。ムカつくのは仕事中だけでいいか。

悪口を言う人に向かって「いろいろありますね」って言えばいいって技術が嫌いというか滑稽だ。

いっぱい嫌いなことを言ってやったぜ。

いつか好きなこと書こうかな。でも、日本式コミュニケーションで「いつか〜する」はしないの意だ。

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