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【エッセイ】ニート日記②「シュークリームがおいしかったの巻」(2200)

2024.04.21(ニート2日目)

我々夫婦は普段は私が単身赴任なので離れ離れだ。週末に自宅に帰っても寝室は別々だ。何年もしていない。

妻の実家に泊まる時だけ同室で寝る。妻の実家には今、義両親と義妹と中学生の姪が住んでいる。我々家族四人と住人四人でそんなに広くない義実家での部屋の割り振りは自然とそうなる。

義妹は同志社女子大学文学部出身の語学の才のある人である。妻よりも先に義妹に出会っている。学生のころ、クリスチャンの学生団体であるKGK(キリスト者学生会)というDAI語で構成されたものに所属しており、キャンプか何かで義妹を見たことがあった。派手なメイクで弾けた服装の瞳を見てしゃべるのもドキドキするような美人だった。

妻は義妹とは全く似ていないとふたりが姉妹だと知った時はビックリしたが、それはメイクの濃さと体型の違いが原因である。きょうだいなのでよく見るととても似ている。義母には悪いが義父はハンサムガイで亡くなった古谷一行や初代仮面ライダーの藤岡弘に雰囲気がそっくりである。彼女らの美しい容姿の遺伝子は義母には悪いが父親譲りだろう。

この写真などソックリ

そのKGKに属してしまったばっかりに、妻に出会い結婚までしてしまったのだ。KGKに私を誘った私が大学に入学する数年前に少しの間だけ私の通っていた教会に身を寄せていたその時はクリスチャンでもなかったくせにのちにクリスチャンになりKGKで熱心に活動していた同じ大学の背の低いイチロー似の先輩にはたまに恨みにも似た感情を抱くことがある(この一節を妻に読み聞かせると、そんな長い一文が許されるのは漱石だけと言われる)。

妻との結婚は失敗だったかもしれない。よくケンカしたし殺したいくらい憎い時が何万回もあった。でも妻じゃなかったら多分誰も私と結婚などしてくれなかった可能性もある。でも結婚をしない選択肢もあったはずだ。グルグルと渦巻く思考の中、ひとつの結論に至る。

過去と他人は、変えられない

変えられるのは、未来と自分自身

KAZぼすさんのnoteの一節を拝借

妻の実家に泊まる時の悩みは妻のそのどでかいいびきである。まあ、その天地創造の時に起きたであろう、大地の裂ける時の地響きに等しいいびき。眠れない。だから、妻よりは必ず早く眠りにつかなければならないのだ。

昨日は深く酔って帰ったのでアルコールの力でデイのように眠ることができたのでよかったが。

ここで、Xのポストで知った役にたつ豆知識をひとつ。

「泥のように眠い」と言う時、ドロのように眠いと私も考えていたしそう発音していた。しかし、この泥とは中国の架空の虫で、水棲生物なので陸地では全く動かなくなるものだと考えられていたらしい。その泥が陸地で動かなくなる様子になぞらえて、めちゃ寝ている時は「泥のように眠る」と表現するのである。水と土の混合物の泥は無関係なのだ。そして、この架空の生物は「デイ」と読む。だからこの場合、「泥」は「デイ」と読むのが正解である。

さて。朝方、これまでの早朝出勤の影響で5時には目が覚める。まだ起きるには早いのでもう一度寝ようとすると、妻の大地を切り裂くいびきで眠れない。何度か妻の身体をゆすり起こすという迷惑行為をしながらいびきが途切れる瞬間に寝るのだった。

昨日たくさんビールを飲んだので、二日酔いとまでは行かないが若干頭が痛かった。しばらく横になっていた。またしても出発予定時刻の8時を大幅に過ぎて、9時になり妻に詰められる。いつも時間に遅れるのは妻で、彼女が時間を守らぬ時は執拗に私が責める。だから自分が遅れた時は鬼の首を獲ったように私を責めるのだ。やはり普段から人には優しくしなければならない。

妻(左)になじられる私(右)

義実家近くの少し遠いが24時間最大料金が500円と安めのコインパーキングに停めていた。料金を精算してから気がついた。キーを忘れたのである。やってしまった。だいたいコインパーキングは5分すると再び料金が加算されてしまうところが多い。そこはセンサー式で車のナンバープレートを撮影し、管理するところだった。慌てて長女に電話してキーの入ったリュックごと持ってきてもらう。なんとか5分以内に娘が来てくれて500円で済んだ。

実家から直接、教会に向かった。高速を使ったので50分で行けた。車中、私以外みんな寝ていた。

みんな寝てていいなー

教会に着き、礼拝を捧げたあと、今日は「イースターまつり」と言う今通っておる教会独自のイースターイベント(4月の第三日曜日に設定)の日だった。教会の量の少ない200円のご飯を食べて、眠気を催してイースターまつりがはじまるまで少し車の中で寝ようと思って寝た。そのまま眠り込んでしまい、起きたらイースターまつりは終わっていた。

先週売り切れていたシュークリームを予約して8個買い、その場で2個を頬張った。うまい。

うまいうまい

次女が美容院で髪を切り、ガンバレルーヤのまひるの上位互換になった。

長女のインスタストーリーより

久しぶりにKFCに行った。妻が「せっかく近くにケンタッキーできたのにあんまり食べたことないなー」って一言をきっかけに行きたくなった。

限定の「ごま油香る春のパリパリ旨塩チキン」を食べた。

夕があり、朝があった。第二日。

#エッセイ #日記 #ニート
#創作大賞2024 #エッセイ部門


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